デイサービス(通所介護)の特徴と費用

デイサービス(通所介護)とは、要介護認定を受けた方が、自宅での生活を続けていけるように、身体機能の維持・向上を目指し、機能訓練をしたり、他者との交流を通して社会的孤立感の解消や認知症予防を図るところです。

また介護者(家族)の身体的・精神的負担の軽減も目的とされています。

身体機能の維持向上を目指す介護保険サービス

厚生労働省調査の平成30年度 介護給付費等実態調査の概況によると、デイサービスの利用は、在宅で利用する介護保険サービス(福祉用具貸与を除く)の中で、最も多くの人に利用されています。多くの方に利用されているデイサービスは、どのようなサービスなのか。その内容から見ていきましょう。

デイサービスの基本的なサービス内容

デイサービスは、1日型・半日型があります。送迎車で送り迎えしてもらい、以下のようなサービスを受けることができます。

  • 入浴(寝たきりの状態でも入れる機械浴があるところもあります)
  • 昼食(飲み込む機能が低下している方でも、飲み込みやすい食事の形態で対応してくれます)
  • 排せつ介助
  • 機能訓練
  • 趣味(生け花、囲碁など)・レクリエーション
  • 外出レクリエーション(近所の公園やファミリーレストランなどに外出)
  • 看護師による健康チェック

デイサービスを利用している間は、家族も自分の時間をもつことができます。毎日介護を行っている家族としては、休息の時間となるでしょう。

デイサービスは、通う場所であり宿泊することはできません。もしもデイサービスで宿泊を希望する場合は、「お泊りデイ」を検討しましょう。ただし、お泊りデイは介護保険を利用することができないため、全額自費サービスとなります。

(介護保険を利用した短期間の宿泊の場合は「ショートステイ」というサービスがあります。)

また、デイサービス中に病院へ受診したり、デイサービス後に自宅以外のところへ送り届けてもらうこともできませんので、注意しましょう。もしデイサービス中に具合が悪くなった場合には、デイサービスを終了し、家族が病院に連れていくことになります。

デイサービスのスタッフ

デイサービスでは、以下のような専門スタッフがおりサービスを提供しています。

管理者
事業所の管理を行う職員です。デイサービスによっては以下の職種と兼任の場合があります。
生活相談員
デイサービスで利用契約の手続きや、ケアマネジャーとの連絡業務。利用者・家族からの相談などを仕事としています。
機能訓練指導員
機能訓練を行う職員です。理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、柔道整復師、あん摩マッサージ指圧師などの資格を持っています。
看護職員
看護師がいるデイサービスと、訪問看護ステーションなどと連携して看護師を派遣している場合があります。主に血圧測定や傷の処置をしてくれます。
介護職員
デイサービスでの全般的な介護をしてくれる職員です。食事や入浴、トイレの介助や多彩なレクリエーションなどを提供してくれます。

デイサービスの費用

通常規模型通所介護費(円/1回)
(1回につき) 要介護1 要介護2 要介護3 要介護4 要介護5
3~4時間未満 364 417 472 525 579
4~5時間未満 382 438 495 551 608
5~6時間未満 561 663 765 867 969
6~7時間未満 575 679 784 888 993
7~8時間未満 648 765 887 1,008 1,130
8~9時間未満 659 779 902 1,026 1,150
 
  • 1単位10円の場合 ※2019年10月時点の情報です
地域密着型通所介護費 (円/1回)
(1回につき) 要介護1 要介護2 要介護3 要介護4 要介護5
3~4時間未満 409 469 530 589 651
4~5時間未満 428 491 555 617 682
5~6時間未満 645 761 879 995 1,113
6~7時間未満 666 786 908 1,029 1,150
7~8時間未満 739 873 1,012 1,150 1,288
8~9時間未満 768 908 1,052 1,197 1,339
 
  • 1単位10円の場合 ※2019年10月時点の情報です

記載されている費用以外に、入浴や機能訓練を行った場合に加算される費用があります。

個別機能訓練加算Ⅰ 46円/回
個別機能訓練加算Ⅱ 56円/回
入浴介助加算 50円/回
認知症加算 60円/回
栄養改善加算 150円/回
口腔機能向上加算 150円/回
  • ここに記載されているのは、一部です。その他加算される場合があります。

他にも昼食代やおやつ代が別途かかってきます。

例)要介護1 通常規模型通所介護7~8時間利用の場合

648円+50円(入浴加算)+46円(機能訓練)=744円(介護保険分 1割負担の場合)

744円+50円(おやつ代)+600円(昼食代)=1回あたり1,394円

※おやつ代、昼食代はデイサービスによって異なります。

デイサービスのメリット・デメリット

デイサービスを利用することで、メリットもあれば、デメリットもあります。

メリットとしては、自宅ではできない機能訓練やレクリエーション、趣味が楽しめるため、身体的・精神的機能の維持・向上が期待できます。

また自宅で入浴ができない方にとっては、介護スタッフがいる環境の中で、安心して入浴することができます。介護者がリフレッシュする機会にもなるでしょう。

デメリットとしては、デイサービスが合わない人にとっては、通うことがストレスに感じてしまい、利用拒否や、人付き合いを煩わしく感じて自宅に引きこもってしまうことにつながるかもしれません。

デイサービス選びには、本人の合うところを見つけることが大切です。

デイサービスの利用方法

デイサービスはどのように利用すればいいのでしょうか。利用できる方や、実際の手続きはどのようになっているか、見ていきましょう。

デイサービスを利用できる人

要支援・要介護認定を受けている人が対象で、「要支援1~2、要介護1~5」までのすべての人が利用できます。

要介護認定は基本的に65歳以上を対象としていますが、64歳以下で特定疾病を抱えている方の場合も要介護認定の申請ができます。

デイサービスを利用するには

まずは介護認定を受けるために、市区町村役場へ介護保険の申請をしましょう。申請してから約1ヶ月後に、認定結果が記載された介護保険証が届きます。

要介護認定の結果が要支援の方は、地域包括支援センターへ相談を。要介護の方は、居宅介護支援事業所へ相談し、どこのデイサービスを利用するか決めましょう。

介護保険の申請について詳しく見る

デイサービスの種類・特徴

デイサービスは、事業所によってさまざまな種類や特徴があります。目的によって、自分に合うデイサービスを見つけることが大事です。最近のデイサービスの傾向についてご紹介します。

趣味特化型デイサービス

フラワーアレンジメント、エステ、ネイル、編み物、遊技機などを揃えた「カジノ型」など、趣味が行えるデイサービスです。観光地などへ日帰りで外出し、旅行気分を味わえたりするところもあります。

住宅型有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅にもデイサービスが併設

入居して介護を受ける施設の住宅型有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅の中に、デイサービスがある施設があります。「自宅で生活するのが不安。でも自宅のようにデイサービスを利用したい」という方にとっては、検討してみてはいかがでしょうか。

デイサービスも多種多様?似て非なるデイの種類を解説!

名称が似ているのでよく間違われますが、デイサービスとデイケアは異なる介護サービスで、デイケアはリハビリに特化しているという特徴があります。

一方で、近年デイサービスの中にも「リハビリ特化型デイ」というものが増加しており、デイケアとの違いが曖昧になってきました。

また、認知症の症状のある方向けに「認知症対応型デイ」というサービスもあります。こちらは少人数で専門的な認知症ケアを受けることができます。以下にそれぞれの特徴を解説します。

デイケア(通所リハビリテーション)

主に医療機関や老健に併設されており、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士などの専門職がいる、リハビリに特化した介護サービスです。さらに看護師もいるので医療的ケアが必要な方にも対応しています。

病院から退院したばかりで、専門職によるリハビリを図りたい方にはデイケアはオススメです。デイサービスに比べてやや費用が高くなります。

また健康診断書の提出も必要なことから、本当にデイケアの必要性があるかどうか、ケアマネジャーとしっかり相談しながら決めていきましょう。

リハビリ特化型デイサービス

こちらはデイサービスの括りですが、一般的なデイと比べて理学療法士、作業療法士といった専門職がおり、リハビリに重きをおいています。中にはマシントレーニングを多く取り入れ、フィットネスクラブのような雰囲気のところもあります。また、前述したデイケアに比べると少人数制のところが多い傾向にあります。

リハビリ特化型デイでは、「半日型」や「一日型」などがあり、適度な運動をして半日で帰りたい方や、専門職による機能訓練を図りたい方にオススメです。

デイケアと比べると、投薬や注射といった医療的ケアの対応が難しい場合があります。利用を検討する際は対応してもらえるか確認が必要です。

認知症対応型デイサービス

認知症と診断されている方が利用する、認知症専門のデイサービスです。職員も認知症についての研修や知識を持ち、物忘れや徘徊といった認知症の症状がある方も利用することができます。

自宅では、本人の拒否で入浴することができない方も、職員の上手な声掛けにより、デイサービスで入浴して帰ってくる場合もあります。

認知症で悩んでいることに対して、家族へのアドバイスなども行ってくれます。

認知症対応型通所介護(認知症デイサービス)について詳しくみる

全員で塗り絵、脳トレなどを行うデイサービスだけではない

ひと昔前は、寝たきりや認知症の方など、さまざまな状態の方が同じデイサービスを利用していました。

しかし、ここ最近では身体状態や趣味嗜好、認知機能状態に適したものなど、その方に合ったサービス内容で選べるようになるまで増えてきました。

またレクリエーションなど、デイの利用者全員で同じ内容をやるところもありますが、個別性を重視したところが増えてきています。利用者に合うデイサービスを見つけて、利用者も家族も負担なく、いつまでも自宅で生活できるように、上手に介護サービスを利用してみましょう。

イラスト:安里 南美

著者

森 裕司

森 裕司(介護支援専門員、社会福祉士、精神保健福祉士、障がい支援専門員)

株式会社HOPE 代表取締役 
11年医療ソーシャルワーカーを経験後、介護支援専門員(ケアマネジャー)として相談援助をする傍ら、医療機関でのソーシャルワーカーの教育、医療・介護関連の執筆・監修者としても活動。最近では、新規事業・コンテンツ開発のミーティングパートナーとして、企業の医療・介護系アドバイザーとしても活躍。
https://www.hope-kawagoe.co.jp/mori/top

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