在宅介護サービスの種類と特徴

在宅で介護をしている方が利用できる介護サービスにはさまざまな種類があります。

代表的なところでは、要介護者のご自宅へ訪問する「訪問介護」や、要介護者が施設へ通いサービスを受ける「通所介護(デイサービス)」があり、それぞれの事業者と契約してサービスを利用します。

このページでは在宅介護サービスの種類や利用の流れ、介護保険で利用できるサービスに加え、公的保険を利用しない保険外サービスについても解説します。

在宅介護サービスを受けるまでの流れ

在宅介護サービスを利用するには、要介護認定の申請をして要介護認定を受ける必要があります。

要介護1~5までの認定の通知を受けたら、要介護者はケアマネジャー(介護支援専門員)を決め、一緒に支援計画(ケアプラン)を作成して、介護サービスが利用できるようになります。

このように、在宅(居宅)で介護サービスを利用するためにケアマネジャーが要介護者を支援することを「居宅介護支援」といいます。

ケアマネジャーは要介護者に必要な介護サービスを総合的にコーディネイトする役目の人で、要介護者と家族は常にケアマネジャーに相談しながら介護生活を送ることができます。

なお、介護認定で「要支援1又は2」の判定を受けた人が利用できる在宅サービスは「介護予防サービス」と言い、ケアマネジャーは原則として地域包括支援センターの職員が担います。

利用できるサービスも要介護者が利用する「居宅サービス」とは少し異なってきます。

在宅介護サービスには、自宅で受けられるもの、通いで受けられるもの、宿泊することで受けられるものなどがあります。それぞれ以下より解説します。

要介護認定の申請方法―介護保険サービスを受けるには?

自宅で受ける介護サービス

自宅にホームヘルパーや看護師などの専門職が訪問して行うサービスです。なお、「地域密着型サービス」の表記があるサービスは、原則としてそのサービス事業所と同じ市区町村に住む住民のみが利用できます。

訪問介護(ホームヘルプサービス)

在宅介護を支える中心的なサービスです。ホームヘルパーが自宅を訪問し、食事、入浴、排せつ、衣服の着脱などの身体介護や掃除、洗濯、買い物などの生活援助を行います。

なお、生活援助でホームヘルパーが行えるサービスの範囲は法律で決まっており、同居する家族のための洗濯や調理など直接本人の援助に該当しない行為などできないことがあります。

このサービスは、要介護1~5の人が利用できます。要支援1・2の人の「訪問介護」は2017年4月から、市区町村が取り組む「介護予防・日常生活支援総合事業(総合事業)」で行われています。

訪問介護サービスとは

訪問入浴介護

上記の「訪問介護」による入浴介助は自宅のお風呂を使用して行いますが、浴室の環境や利用者の心身の状態により自宅の浴槽で入浴ができない場合や、デイサービスの利用が困難な人が利用できるサービスが「訪問入浴介護」です。

事業者が浴槽を利用者の自宅に持参して入浴の介助を行います。通常は看護師や介護士3人で訪問します。また、部分浴や体をふくだけの清拭もこのサービスに含まれます。

このサービスは、要介護1~5及び要支援1・2の人が利用できます。

訪問入浴介護とは

訪問看護

看護師や保健師を中心に、必要に応じて理学療法士、作業療法士、言語聴覚士などの医療従事者が自宅を訪問し、医師の指示のもとに療養上の世話や助言などを行います。従って、このサービスを受けるには主治医の訪問看護指示書が必要となります。

サービス内容は、症状の観察、栄養や食事の指導、口腔ケア、喀淡吸引、膀胱カテーテルの交換、褥瘡(じょくそう)の予防や処置など、利用者の状態に応じて多岐にわたります。

このサービスは、要介護1~5及び要支援1・2の人が利用できます。

訪問看護サービスとは

訪問リハビリテーション

理学療法士、作業療法士、言語聴覚士などのリハビリテーション(機能回復訓練)の専門職が自宅を訪問し、医師の指示のもとにリハビリテーションを行います

サービス内容は、寝たきりにならないためのベッドからの離床促進、寝返り、起き上がり、歩行などの訓練やマッサージ、自宅で生活するうえで困難になっていることに関する訓練、失語症の人などに対する機能回復訓練などです。

また、自宅の環境に関する整備や助言も行います。

このサービスは、要介護1~5及び要支援1・2の人が利用できます。

訪問リハビリテ―ションとは

居宅療養管理指導

医師、歯科医師、薬剤師、栄養士などの医療系の専門職が自宅を訪問し、療養上の管理や指導を行います。

具体的には、病気の予防・診断や合併症の早期発見などの医学的管理、風邪や下痢など軽症な病気に対する医師の管理、医療系ショートステイについての判断、口腔ケアなどです。

このサービスは、高血圧や糖尿病、がんなどの持病がある人、リハビリテーションを必要とする人、入院入所の判断が必要な人などを対象にしています。在宅医療が進むとともにニーズが高まっているサービスです。

このサービスは、要介護1~5及び要支援1・2の人が利用できます。

居宅療養管理指導とは

夜間対応型訪問介護 ※地域密着型サービス

夜間(午後10時~翌朝6時を必ず含む時間)に、決まった時間にヘルパーが訪問する「定期巡回」。

体調の不安など利用者の通報に応じる「オペレーションサービス」。

通報を受け、緊急時に都度訪問する「随時訪問」という3つのサービスを一括して提供しています。

利用者には通報に使用するケアコール端末が配布されます。

なお、オプションにより日中も通報による対応も可能ですが、通常の訪問介護やデイサービスと組み合わせることで24時間体制の在宅介護が可能になります。

このサービスは、要介護1~5の人が利用できます。

夜間対応型訪問介護とは

定期巡回・随時対応型訪問介護看護 ※地域密着型サービス

訪問介護と訪問看護が密接に連携し、24時間体制で定期的な巡回と必要に応じて訪問を行います。また、通報を受けるために常駐オペレータが配置されています。

訪問の際に、ホームヘルパーによる入浴、排せつ、食事などの介護と看護職員による療養上の世話や診療の補助などが受けられます。

このサービスは、要介護1~5の人が利用できます。

認知症対応型デイサービスとは

施設に通って受ける介護サービス

利用者が日帰りで施設などに通い、介護を受けるサービスです。なお、「地域密着型サービス」の表記があるサービスは、原則としてその市区町村に住む住民のみが利用できます。

通所介護(デイサービス)

デイサービスセンターなどに日帰りで通い、食事や入浴などの介護サービスやレクリエーションなどを通して日常生活機能の向上のための訓練を受けるサービスです。

訪問介護と共に在宅介護サービスの中心的なサービスです。

定期的に通所介護を利用することで、利用者の気分転換が図られ、生活に良いリズムを生み出すメリットがあり、介護をしている家族の休息のためにも利用されています。


このサービスは、要介護1~5の人が利用できます。

要支援1・2の人の「通所介護」は2017年4月から、市区町村が取り組む「介護予防・日常生活支援総合事業(総合事業)」で行われています。

通所リハビリテーション(デイケア)

医師が利用を認めた人が介護老人保健施設などに日帰りで通い、リハビリテーションを受けるサービスです。

デイサービスに比べて医学的ケアと機能回復訓練が強化されています。サービスを行う施設には、医師、理学療法士、作業療法士もしくは言語聴覚士、看護職員が配置されています。

利用者の状態に応じて行う個別訓練と、集団で行う訓練があります。

このサービスは、要介護1~5及び要支援1・2の人が利用できます。

認知症対応型通所介護(認知症対応型デイサービス)※地域密着型サービス

利用対象を認知症の人に限定したデイサービスで、認知症の特性に配慮したケアが行われます。

デイサービスセンターなどに日帰りで通い、食事、入浴などの介護サービスや機能訓練などを受けることができます。利用するには「医師による認知症の診断」などが必要になります。

このサービスは、要介護1~5及び要支援1・2の人が利用できます。
認知症対応型デイサービスとは

療養通所介護(療養型デイサービス)※地域密着型サービス

医療と介護の連携が常に必要な難病、認知症、脳血管疾患後遺症などの重度要介護者やがん末期患者を対象にしたサービスです。

通所介護の施設で食事や入浴などの日常生活上の支援と生活機能向上のための機能訓練、口腔機能向上サービスなどを受けることができます。

このサービスは、要介護1~5の人が利用できます。

宿泊して受ける介護サービス

在宅介護者が一時的に施設に入所し、入居者と同様の介護を受けるサービスです。

短期入所生活介護(ショートステイ)

特別養護老人ホームや介護老人保健施設などに短期間入所し、食事、入浴、排せつの介護や生活機能の維持や向上のための支援を受けるサービスです。

通常、入所する期間は数日から1週間程度ですが、場合によっては30日間まで利用できます。

要介護者の状態が悪化して自宅での生活が困難になったときや家族の病気や冠婚葬祭等の理由で一時的に介護できなくなった場合に利用されます。また、介護者の休息のために利用することもできます。

このサービスは、要介護1~5及び要支援1・2の人が利用できます。
短期入所生活介護(ショートステイ)とは

短期入所療養介護(医療型ショートステイ)

介護老人保健施設や、療養病床を持つ病院や診療所など介護療養型医療施設に短期間入所し、病気の予防・診断・治療、再発予防、合併症の早期発見などの医学的な管理のもとで医療、看護、介護、機能訓練を受けるサービスです。

介護施設入居や病院に長期入院をしていた人が在宅に戻る可能性を高めてくれるサービスでもあります。また、短期入所生活介護と同じく介護者の休息や一時的に介護できなくなった時にも利用できます。

このサービスは、要介護1~5及び要支援1・2の人が利用できます。
短期入所療養介護(医療型ショートステイ)とは

ショートステイお探し代行

自宅・通い・宿泊を組み合わせたサービス

小規模多機能型居宅介護 ※地域密着型サービス

1つの小規模な施設が、通い(デイサービス)を中心に、訪問介護、短期間の宿泊(ショートステイ)の3つのサービスを提供します。

3つのサービスを、同じ施設スタッフが行うことと利用者のニーズに合わせて柔軟に組み合わせることができる点が大きな特徴です。

ただし、このサービスを利用中は、訪問リハビリテーション、居宅療養管理指導、福祉用具以外のサービスは利用できません。他の事業所によるデイサービスや訪問介護を利用することはできません。

このサービスは、要介護1~5と要支援1・2の人が利用できます。
小規模多機能型居宅介護(地域密着型サービス)とは

看護小規模多機能型居宅介護(複合型サービス) ※地域密着型サービス

上記の「小規模多機能型居宅介護」に「訪問看護」を組み合わせたサービスで、医療と介護のニーズが高い在宅療養者を対象としています。

小規模な施設で、通いを中心に、訪問介護、宿泊、そして訪問看護の4つのサービスが提供されます。

ただし、このサービスを利用中は、訪問リハビリテーション、居宅療養管理指導、福祉用具以外のサービスは利用できません。

このサービスは、要介護1~5の人が利用できます。

福祉用具をレンタル・購入する

要介護者と要支援者の日常生活での自立を助けるために、福祉用具を提供するサービスと住宅改修のサービスがあります。

福祉用具レンタル・購入

要介護者や要支援者の日常生活をサポートする、あるいは介護者の負担を軽減するために、福祉用具を介護保険が適用された価格で提供するサービスです。

車いすや特殊寝台(介護ベッド)などのように洗浄や消毒すれば他の利用者と共有できる用具はレンタルでき、腰掛便座や入浴補助用具などのように共有しにくい用具は購入できます。

但し、それぞれ介護保険が適用されるサービス対象品目は決まっています。

レンタル、購入共に要介護1~5及び要支援1・2の人が利用できます。但し、レンタル対象品目には要介護度によってレンタルできない用具があります。
福祉用具のレンタルとは

介護リフォームによる住宅改修費の支給

段差の解消や体を支える手すりの取り付け、開け閉めに負担の少ない扉に取換えるなど、自宅で安全に暮らすため住宅改修の工事費用のうち、9割~7割を介護保険から支給するサービスです。

支給限度額は20万円までで、可能な工事の種類は決まっています。工事前に必ず事前申請が必要となります。

このサービスは、要介護1~5及び要支援1・2の人が利用できます。

福祉用具と介護リフォームについて

介護保険を使わない自費サービス

介護保険が適用されないサービスにはさまざまなものがあります。

大きく分けて、市区町村の介護予防事業や独自のサービスと介護サービス事業所・NPO法人やボランティア団体・民間企業が提供する介護保険外サービスがあります。

介護予防・日常生活支援総合事業(総合事業)

2017年4月から各市区町村で実施されている介護予防事業で、訪問型と通所型のサービスがあります。

これまで要支援者が利用していた「介護予防訪問介護」と「介護予防通所介護(デイサービス)」は総合事業として引き続き提供されています。

また、要支援の認定を受けずに基本チェックリストの判定のみで要支援相当となった人も生活援助やデイサービスなどを利用することができます。総合事業の費用は一部が利用者の自己負担となります。

その他にも地域に住む一般の高齢者向け(65歳以上)のサービスがあります。

総合事業は、要支援1・2及び要支援相当の人が利用できます。

介護予防・日常生活支援総合事業(総合事業)とは

介護保険外サービス

介護保険が適用されないために全額自費となる介護サービスを「介護保険外サービス」といいます。

各市区町村では、上記の総合事業とは別に「おむつの支給・補助」や「訪問理美容」など独自サービスが行われています。

訪問介護を提供している介護サービス事業者では、介護保険が適用されない(散歩の付き添いや介護者のための家事支援など)サービスを全額自費となる保険外サービスで提供しています。

そのほかNPO法人やボランティア団体、民間企業が介護保険ではカバーできない生活支援や配食サービスなどを行っています。

介護保険外サービスとは

まとめ

在宅介護をしている人が利用できるサービスには、訪問系、通所系、そして宿泊系があり、それぞれにさまざま種類のサービスが用意されています。

また、近年、介護と看護の連携が進められているため、在宅で療養生活をしている人のためのサービスも整えられてきました。

利用者の状態や介護者の状況に合わせた介護サービスを、ケアマネジャーと相談しながら適切に組み合わせることが大事です。また、介護保険外サービスを上手に取り入れると、よりよい介護につながるケースもあるでしょう。

それでも、在宅介護が長期間になったり、家族の介護力に変化が起こったりすれば、在宅介護が困難になることがあります。そのようなときは、介護施設に入居という選択肢も視野に入れるとよいと思います。

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監修者

森 裕司 株式会社HOPE代表
介護支援専門員、社会福祉士、精神保健福祉士、障がい支援専門員
医療ソーシャルワーカーを11年間経験後、ケアマネジャーとして相談援助をする傍ら、医療機関でのソーシャルワーカーの教育、医療・介護関連の執筆・監修者としても活動。企業の医療・介護系アドバイザーとしても活躍中。

著者

浅井 郁子

浅井 郁子(介護・福祉ライター)

在宅介護の経験をもとにした『ケアダイアリー 介護する人のための手帳』を発表。
高齢者支援、介護、福祉に関連したテーマをメインに執筆活動を続ける。
東京都民生児童委員
小規模多機能型施設運営推進委員
ホームヘルパー2級

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