定期巡回・随時対応型訪問介護看護の特徴と選び方

定期巡回・随時対応型訪問介護看護は、訪問介護員または訪問看護師が要介護者の自宅を定期訪問し、介護・看護を提供する24時間対応の介護サービスです。

地域密着型サービスに分類され、事業所と同じ地域に住民票があり、要介護認定1~5の要介護高齢者を対象としています。(介護認定「要支援」の方は利用できません)

一日に複数回訪問し、一回の訪問は10~20分程度。短時間の身体介護(食事介助、清拭介助、排泄介助など)を中心に行います。このサービスの利用目的やサービス内容について解説していきます。

1日に複数回の介護を必要とする方

要介護1・2の利用者が多い

平成30年「全国の介護給付費等実態統計」によると、介護度別に見る利用者の内訳は、要介護度1が26.4%、要介護2が25.8%、要介護度3が18.3%、平均要介護度4が17.4%、要介護5が12.0%。要介護1・2が過半数を占めています。

利用目的は1日数回の介護や服薬管理

以下のような理由で利用する方が多いようです。

  • 訪問介護を利用する頻度が多く、介護保険の支給限度額を超えてしまう場合
  • 一人暮らしの認知症高齢者で、一日数回の服薬管理やインスリン注射が必要な場合
  • 寝たきり状態の方で、寝返りの介助など一日に何度も介助が必要な場合
  • 水分補給に声掛けなどの支援が必要な場合
  • 一人で食事することが難しく介助を必要とする場合

他にも、「退院後の自宅見守りを手厚くしたい」「心疾患があり急変時の早期発見のため」といった理由で利用する方もいます。また家族の介護負担の軽減を図るために利用する場合もあります。

定期巡回・随時対応型訪問介護看護のサービス状況

次に定期巡回・随時対応型訪問介護看護のサービスの実態を見ていきましょう。利用者1人あたりの訪問状況をまとめてみました。1日の訪問回数や一回当たりの所要時間など訪問状況がわかります。

利用時間・回数
要介護度 一日の平均訪問時間 一日の平均訪問回数
要介護1 28分 1.6回
要介護2 33分 2.1回
要介護3 32分 2.8回
要介護4 36分 3.5回
要介護5 46分 3.6回

やはり要介護度が高くなるにつれて訪問時間や回数が多くなります。また、1回あたりの訪問は10分~15分程度ということが分かります。

夜間の対応状況

続いて夜間の訪問状況を見ていきましょう。

利用者が約30名の事業所の場合
コール数:1日 1.3回
訪問回数:2日に1回程度
利用者が約10名の事業所の場合
コール数:2日に1回程度
訪問回数:1週間に1回程度
 

夜間の状況を見てみると、利用者が多い事業所になると、1日1回は夜間にコールが鳴り、訪問回数も頻回になっています。

「定期巡回」と「随時対応」の2つのサービスを提供している

定期巡回・随時対応型訪問介護看護のサービス内容は2種類あります

定期巡回サービス

訪問介護と同じように、利用者ごとに訪問介護計画書を作成し、その内容に基づき提供されるサービスです。

訪問介護とは違い、入浴、食事介助などの身体介護を中心とした、10分~15分の短時間の訪問を複数回受けられます。安否確認や服薬介助、おむつ交換など定期的に行います。

随時対応サービス

利用者宅に「ケアコール」と呼ばれる機器を設置し、オペレーターが24時間その連絡に都度対応します。利用者の状況を確認し、必要に応じて訪問するといったサービスを手配します。

24時間連絡が取れるのは 利用者にとっても家族にとっても1つの安心といえるでしょう。

注意点としては、オペレーターに連絡したからとはいえ、必ずしも訪問するという判断にはならないという点です。利用者の状況を確認し、普段と様子が違うなど訪問すべきと判断した際に訪問が行われます。

事業所による特徴の違い

定期巡回・随時対応型訪問介護看護は、サービス提供する事業所によって違いがあります。訪問介護と訪問看護がどのような形態で提供されるかによってメリット・デメリットがあります。整理してみましょう。

一体型事業所

一体型事業所は、「訪問介護」と「訪問看護」が同一の事業所で提供されています。

メリット

  • 訪問介護と訪問看護が同じ場所で提供されているため、密な情報交換など連携がしやすい
  • 介護職員の医療的ケアについて、看護師から知識を得られ、介護職でも医療的な目線をもって訪問できる
  • 連携が取りやすいため、訪問介護と訪問看護が一体的にサービス提供してくれる

デメリット

  • 地域密着型サービスのため、事業所と同じ地域の住民でないと利用できない

連携型事業所

連携型事業所は、定期巡回・随時対応型訪問介護を行っている事業所が、地域の他社の訪問看護事業所と連携してサービスを提供する事業所です。

メリット

  • 複数の事業所が連携を取るため、地域全体の情報共有が期待できる
  • 地域の医師や病院のことなど、医療状況を把握しやすい

デメリット

  • 訪問介護と訪問看護が、同じ場所で働いているわけではないため、密な連携や情報交換が取りづらい部分がある
  • 連携や情報交換がしっかり行われていない場合、一体的なサービスが難しい場合がある
  • 夜間対応、随時対応の訪問看護が必要な場合、訪問頻度が多いと対応してくれる訪問看護がすぐには見つからない場合がある

事業所選びのポイント

定期巡回・随時対応型訪問介護看護の違いを知った上で、どのように選べばよいでしょうか。サービスの内容に大きな違いはありませんので、自分の希望に合う介護サービスを行ってくれるかどうかで、事業所を選んでみましょう。

空き状況

まずは、どういった介護を希望するか、その内容を書き出してみましょう。その際、できれば週間カレンダーを使い、何時に来てどんな介助をしてほしいということを具体的に書き出してみると良いでしょう。

週間スケジュールが完成したら、定期巡回・随時対応型訪問介護看護を行う事業所に、希望するスケジュールでサービスが提供してもらえるか、サービスの空き状況を確認しましょう。

事業所までの距離

事業所までの距離が近いと、コールをした際にすぐに来てくれるメリットがあります。

心疾患などの病気がある方や、転倒の危険性が高い方など、すぐに駆け付けないとならない状況が予測できる状態の方は、自宅から事業所までの距離が近いところを選びましょう。

選ぶときの注意点

定期巡回・随時対応型訪問介護看護を選ぶときには、以下の3つのサービスは同時に利用することができませんので、注意しましょう。

  1. 訪問介護(通院等乗降介助以外)
  2. 訪問看護(連携型利用時以外)
  3.  夜間対応型訪問介護

24時間のサポートを受けられる唯一のサービス

介護保険サービスの中でも、定期巡回・随時対応型訪問介護看護は、24時間対応してくれる唯一の在宅介護サービスです。

そのため、1人暮らしの要介護者は生活の安心につながり、夜間もオムツ介助や寝返り介助をしている家族にとっては、介護負担の軽減になります。

夜間介護が必要になると、介護者が寝不足になったり、生活のリズムが逆転してしまい、介護疲れで倒れてしまうことにもつながります。

「最期まで自宅で生活させてあげたい」と考えているご家族にとっては、とても心強く安心できるサービスの1つと言えるのではないでしょうか。

長期間介護するコツは、いかに上手くサービスを利用し、介護負担を軽減できるかです。どう介護負担を軽減するか、ケアマネジャーと相談しサービス利用を検討してみましょう。

著者

森 裕司

森 裕司(介護支援専門員、社会福祉士、精神保健福祉士、障がい支援専門員)

株式会社HOPE 代表取締役 
11年医療ソーシャルワーカーを経験後、介護支援専門員(ケアマネジャー)として相談援助をする傍ら、医療機関でのソーシャルワーカーの教育、医療・介護関連の執筆・監修者としても活動。最近では、新規事業・コンテンツ開発のミーティングパートナーとして、企業の医療・介護系アドバイザーとしても活躍。
https://www.hope-kawagoe.co.jp/mori/top

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