ショートステイ(短期入所生活介護)とは?料金や活用法について

ショートステイとは、短期的に施設に入居し介護・支援を受けられるサービスです。

在宅で介護を続けていると、冠婚葬祭などで自宅を数日間空けなければならない、出張が入る予定がある、介護者が体調を崩したなど、一時的に在宅介護が難しくなる場合があると思います。そんな時に強い味方になってくれるのがショートステイです。

この記事では、そんなショートステイの内容や料金、活用方法を解説します。

ショートステイとは

ショートステイとは、最短1日からという短期間で施設に宿泊ができ、介護や生活支援が受けられるサービスのことです。

在宅で介護を続けていると、冠婚葬祭などで自宅を数日間空けなければならない、出張の予定がある、介護者が体調を崩したなど、一時的に在宅介護が難しくなる場合があると思います。

そんな時に活用出来るサービスがショートステイです。また、介護者のレスパイト(休息、息抜き)の目的で活用されることもあります。

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ショートステイを利用できる期間

連続して最長30日まで利用可能。介護認定期間の半数(介護認定期間が180日なら90日)まで、という規定があります。

しかし、やむを得ない事情がある場合は例外が認められることがありますので、ケアマネジャーに相談してみましょう。

ショートステイについて動画で知る

ショートステイの概要を、LIFULL 介護編集長・小菅が動画でご説明します。

デイサービスとの違い

ショートステイとよく混同されるサービスにデイサービスがあります。主な違いは利用期間です。デイサービスは、日帰りのみのなのに対し、ショートステイは連続して1~30日間まで宿泊が可能です。

サービスの内容は双方とも、食事、入浴、レクリエーションなどです。日々介護をするなかで、どうしても家を空けなければならないという場面において、夕方までに用事が済むときにはデイサービスの利用がよいでしょう。一方、旅行、出張、遠方の冠婚葬祭、介護者の息抜きなど、丸一日以上かかる場合はショートステイをご検討ください。

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ショートステイの利用条件

ショートステイは高齢者であれば、どなたでも必ず利用できるというものではありません。

また、利用できる方の特徴も介護保険適用の施設の場合と介護保険適用外の「有料ショートステイ」の場合で異なります。

介護保険適用施設の場合

「要支援1~2」、「要介護1~5」の要介護認定を受けた65歳以上の高齢者が利用できます。40〜64歳で特定疾病により要介護と判断された人が利用できます。

介護保険適用外の「有料ショートステイ」の場合

通常、自立(非該当)の方はショートステイを利用することができません。ただ、有料老人ホームなどで提供される介護保険適用外のショートステイ(有料ショートステイ等)はホームによって条件が違いますが、自立(非該当)の方も利用できるところがあります。

ショートステイの利用タイミング

介護保険を使ったショートステイが利用できる状況であれば、ある程度定期的、積極的に利用することが、介護者側の負担軽減につながります。

ショートステイを利用するタイミングを、「介護者側の事情」と「本人の事情」のそれぞれをあげてみました。出張や冠婚葬祭など避けられない用事はもちろん、介護者の疲れを癒す目的としても積極的に利用したいサービスです。

介護者側(介護をする人)の事情

  • 在宅介護の疲れ、介護を休みたいとき
  • 遠方の親戚、友人等の冠婚葬祭
  • 仕事が忙しいとき
  • 介護者側の病気

本人(介護をされる人)の事情

  • 次に入る施設がまだ決まらない
  • 特別養護老人ホーム(特養)の入居待ちをしている
  • 家族以外の人とのふれあいが必要
  • 退院直後のリハビリが目的

ショートステイの提供施設3種

ショートステイには「短期入所生活介護」「短期入所療養介護」「介護保険適用外のショートステイ(有料ショートステイ)」の3つの種類があり、それぞれ提供する施設が異なっています。このうち、短期入所生活介護、短期入所療養介護には介護保険が適用されます。

短期入所生活介護が受けられる施設

  • 特別養護老人ホーム
  • 一部の有料老人ホーム
  • ショートステイ専門施設

短期入所生活介護のサービス内容

食事や入浴などの生活援助、レクリエーションや介護スタッフによるリハビリなどが受けられます。

対象者

要支援、要介護認定を受けた方が対象です。

短期入所療養介護が受けられる施設

  • 介護老人保健施設
  • 介護療養型医療施設

短期入所療養介護のサービス内容

食事、入浴など一般的な生活援助のほか、投薬や喀痰吸引、機能訓練といった医療的管理、ケアが受けられます。

対象者

要支援、要介護認定を受けていて、医療的な管理を必要としている方です。自宅でインスリンの自己注射を行っている方や、たん吸引が必要な方が該当します。

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介護保険適用外のショートステイが受けられる施設

  • 有料老人ホーム
  • サービス付き高齢者向け住宅

介護保険適用外のショートステイのサービス内容

短期入所生活介護のサービスと同じく、日常的な生活援助サービスが受けられます。

対象者

自立状態から要支援、要介護認定を受けた方まで利用可能です。ただし、利用条件は施設により異なるため、利用したい施設に問い合わせてみましょう。

要介護者のショートステイ|施設の種類で異なる特徴と費用

ショートステイを利用した場合の一日の流れ

特別養護老人ホームでのショートステイ((介護予防)短期入所生活介護):スケジュール例

6:30
起床・排泄・着替え・整容
7:30
朝食
9:00
レクリエーション、入浴
12:00
昼食
13:30
レクリエーションなど
15:00
おやつ 休憩
18:00
夕食
20:00
就寝

ショートステイを利用した場合は、概ね上記のような一日の流れになります。規則正しく食事や運動を行い、レクリエーション等で他の人との交流も持つことができ、安心した1日を過ごすことができます。

介護老人保健施設や介護療養型医療施設でのショートステイ((介護予防)短期入所療養介護)の場合は、1日の流れの中に個人リハビリや療養看護、医師の診察などが入ってきます。内容や時間は事業者によって違いますので、詳細は利用する事業者にお問い合わせください。

ショートステイの利用料金

ショートステイ利用料のうちわけ

ショートステイの費用の内訳には、基本料金、特別サービスを利用する時の加算分、介護保険外の自費負担分があります。

基本料金

基本料金は、ショートステイの種類(施設の種類)によって違います。

「短期入所生活介護」より「短期入所療養介護」のほうが、医学的管理が必要なため料金は高く設定されています。

また、居室の種類(多床室、従来型個室、ユニット型個室等)、介護度で費用が変わります。

ショートステイの基本料

(介護予防)短期入所生活介護 併設型(※)の場合
従来型個室 多床室 ユニット型個室
ユニット型的多床室
要支援1 446円/日 446円/日 523円/日
要支援2 555円/日 555円/日 649円/日
要介護1 596円/日 596円/日 696円/日
要介護2 665円/日 665円/日 764円/日
要介護3 737円/日 737円/日 838円/日
要介護4 806円/日 806円/日 908円/日
要介護5 874円/日 874円/日 976円/日

※特養など、入居できる施設に併設されたショートステイのこと

(介護予防)短期入所療養介護 介護老人保健施設の場合
従来型個室 多床室 ユニット型個室
ユニット型的多床室
要支援1 577円/日 610円/日 621円/日
要支援2 721円/日 768円/日 782円/日
要介護1 752円/日 827円/日 833円/日
要介護2 799円/日 876円/日 879円/日
要介護3 861円/日 939円/日 943円/日
要介護4 914円/日 991円/日 997円/日
要介護5 966円/日 1045円/日 1049円/日

 

※「介護報酬の算定構造」(厚生労働省・2021年4月)に基づき計算しています。※上記は目安の金額です。地域区分(市区町村)や介護・看護体制などで費用は異なります。
※上記は自己負担が1割の場合の金額です。一定の所得がある方は自己負担2割~3割となり、上記の2~3倍の金額になります。

加算分

施設によりサービス提供体制や特別サービスを利用する場合について加算があります。

(例)

  • 個別機能訓練加算(計画書に基づいて個別に機能訓練を提供した場合の加算)
  • 専従機能訓練指導員配置加算(常勤専従の機能訓練員を配置した場合の加算)
  • 緊急短期入所受入加算
  • 医療連携強化加算
  • 看護体制加算
  • サービス提供体制加算
  • 送迎加算
  • 療養食加算
  • 夜勤職員配置加算
  • 若年性認知症利用者受入加算
  • 介護職員処遇改善加算Ⅰ~Ⅳ     など

介護保険外

食費、居住費は介護保険適用外となり、自費負担となります。こちらは施設によって料金が変わります。

また食費・居住費については世帯収入によって公費補助があります。それ以外にレクリエーション費などがかかる場合があります。

なお、有料老人ホームなどで行われている全額自己負担のショートステイ(有料ショートステイ等)は、1日5000円~2万円程度となっています。各ホームにお問い合わせください。
 

ショートステイの申し込み方法

ショートステイを利用したい場合は、まずはケアマネジャーに相談しましょう。ショートステイは3ヶ月前から申込受付を開始しているケースが多く、1~2ヶ月前には予約を取らないと利用できないところがほとんどです。

年末年始やゴールデンウイークなど特に予約が取りにくい時期は、3ヶ月前の予約開始日朝一番にケアマネジャーが電話をしているという話もよく耳にします。急に必要になった場合も、まずはケアマネジャーに相談しましょう。キャンセルが出ている場合や緊急対応をしている施設もあるので確認してもらいましょう。

どうしても見つからない場合は、全額自費負担の有料ショートステイ等もご検討ください。

申し込み~利用までの流れ

1.ケアマネジャーにショートステイ利用について相談

利用目的、いつ、どのくらいの期間を利用したいのかなどの希望を伝え、ご本人の状況に合ったサービス提供事業者を探してもらいます。

2.ケアマネジャーが利用申し込み

利用を決めたら、ケアマネジャーはご本人に関する介護・医療情報を事業者に伝え、居室の空き状況、受け入れ可否を確認して申し込みます。

3.ケアプラン作成

事業者が決まったら、ケアマネジャーが先方の担当者と一緒にケアプランを作成します。ショートステイを利用することで支給限度額が超えてしまうようなら、予算を考えながら他のサービスを調整します。

4.契約、サービス利用開始

ケアプランが決まったら、事業者と契約してサービス利用開始となります。 

ショートステイ利用前のワンポイント

  • ショートステイを利用するにあたり、できれば事前に問合わせや見学することをオススメいたします。見学した際は、スタッフ不足ではないか?食事の介助は十分されているか?施設のなかは清潔感があるか?レクリエーションなどの内容はどんなものか?などチェックして、本人に適切かどうか慎重に選び、あとで後悔のないようにしましょう。

ショートステイ施設の選び方ポイント

ショートステイは人気が高くなかなか利用できないこともあり、特に緊急時は選んでいる余裕はないのが現状です。しかし「帰ってきたら筋力が弱っていた」「認知症症状が進んでいた」など身体状況が悪化してしまったという話も聞きます。

可能であれば施設の見学時に以下ポイントを十分にチェックしてください。

入居者の表情

・笑顔や安心したような表情が見られるか

食事介助

・1人のスタッフが何人もの食事介助を1度にしていないか
・食べているペースを無視して食べさせたりしていないか

レクリエーション

・行われている頻度
・参加を嫌がる人への対応(無理強いはしていないか)
・誘導方法(無理強いにならない程度に、参加誘導の努力はしているか)

スタッフ

・言葉遣いや挨拶(施設の教育レベルはどうか)
・スタッフ同士のコミュニケーション(職種連携が取れているか)

建物や部屋の清掃状況

・清潔感(衛生管理)
・整理整頓(転倒などのリスク意識)
・臭い(汚物処理への対応)

まとめ

ショートステイは、介護施設不足という背景のもと、その代替として利用する人が増えています。介護者の生活や仕事との両立を図るサービスとしても、ニーズはますます高まり、なかなか思うように利用できないのが現状です。

ただ、自宅介護をしていると慣れないところでのお泊りは介護者の心配はもちろんですが、ご本人にとってもハードルが高いのではないでしょうか。そんなときはケアマネジャーからたくさん話を聞いてみてください。また、施設に直接連絡して聞いてみてもよいでしょう。実際に体験目的で利用して慣れておくと、いざ利用するときには少し余裕がもてるかと思います。

ショートステイの利用で、介護者の心と体の負担の軽減に役立てていってください。

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イラスト:安里 南美・上原ゆかり

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この記事の制作者

小菅 秀樹

監修者:小菅 秀樹(LIFULL介護 編集長/介護施設入居コンサルタント)

老人ホーム、介護施設の入居相談員として1500件以上の入居相談に対応。入居相談コールセンターの管理者を経て現職。「メディアの力で高齢期の常識を変える」をモットーに、介護コンテンツの制作、寄稿、登壇。YouTubeやTwitterでも介護の情報発信を行う。

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