デイサービス(通所介護)とは?費用や種類・内容、メリットなど

デイサービスは、要介護認定を受けた方が通う介護事業所です。身体機能の維持・向上を目指して機能訓練をしたり、他者との交流を通して社会的孤立感の解消や認知症予防を図ったりします。

ここでは、デイサービスにかかる費用、サービス内容などを解説します。

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デイサービスとは?

デイサービス(通所介護)とは、通いで介護サービスを提供する施設のことです。要介護状態になっても自宅でできるだけ自立した生活を送れるよう、身体機能の維持や向上を目的とした機能訓練や、食事や入浴など日常の世話をおこなってもらえます。また、ご本人にとっては社会的孤立感の解消、家族にとっては介護による身体的・精神的負担の軽減にもつながるでしょう。

厚生労働省調査の「令和3年度 介護給付費等実態統計の概況」によると、デイサービスは在宅で利用する介護保険サービス(介護福祉用具貸与を除く)の中で、最も多くの人(約41%)に利用されているサービスでもあります。

デイサービスの対象となるのは、要支援1〜2、要介護1〜5に認定されている人です。

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デイサービスの特徴を動画で簡単に知る

デイサービスの提供サービス内容

  • 入浴(寝たきりの状態でも入れる機械浴があるところもあります)
  • 食事(飲み込む機能が低下している方でも、飲み込みやすい食事の形態で対応してくれます)
  • 排せつ介助
  • 機能訓練
  • 趣味(生け花、囲碁など)・レクリエーション
  • 外出レクリエーション(近所の公園やファミリーレストランなどに外出)
  • 看護師による健康チェック

デイサービスでは、入浴や排せつ、食事など日常生活の世話をしてもらえるほか、機能訓練など、身体機能の維持や向上も期待できるようなサービスを受けられます。

また、レクリエーションでは他の利用者やスタッフとのコミュニケーションも図れるので、孤独感も解消されやすいでしょう。通うことで、心身の健康の維持や向上が期待できます。

デイサービスでの一日の過ごし方の例

時間 過ごし方
8:30 送迎
9:30 健康チェック(体温や血圧の測定、脈拍のチェックなど)
10:00 入浴
12:00 昼食
14:00 レクリエーション
15:00 おやつ
16:00 送迎

デイサービスでの一日は基本的に、健康チェックから始まります。午前中のうちに入浴や訓練、昼食後にレクリエーションを行う施設が多いです。

施設まではスタッフが送迎してくれます。

デイサービスの費用

デイサービスの利用にかかる費用は、「通常規模型通所介護」と「地域密着型通所介護」のどちらを利用するかによって多少異なります。
加えて、利用するサービスに応じて費用が加算されることもあります。ここでは、それぞれの場合にかかる費用の目安を紹介します。

通常規模型通所介護の費用

(1回につき) 要介護1 要介護2 要介護3 要介護4 要介護5
3~4時間未満 368 421 477 530 585
4~5時間未満 386 442 500 557 614
5~6時間未満 567 670 773 876 979
6~7時間未満 581 686 792 897 1,003
7~8時間未満 655 773 896 1,018 1,142
8~9時間未満 666 787 911 1,036 1,162

(円/1回)
※1単位10円の場合
※2021年4月時点の情報です

通常規模型通所介護とは、ひと月あたりの利用者数が301名以上750名以下と、比較的大規模なデイサービスのことです。費用の目安は利用者の要介護度、利用時間に応じて異なります。

地域密着型通所介護の費用

(1回につき) 要介護1 要介護2 要介護3 要介護4 要介護5
3~4時間未満 415 476 538 598 661
4~5時間未満 435 499 564 627 693
5~6時間未満 655 773 893 1,010 1,130
6~7時間未満 676 798 922 1,045 1,168
7~8時間未満 750 887 1,028 1,168 1,308
8~9時間未満 780 922 1,068 1,216 1,360

(円/1回)
※1単位10円の場合
※2021年4月時点の情報です

地域密着型通所介護とは、定員が18名以下の小規模なデイサービスです。人数が少ない分、利用者一人一人への手厚いサービスが期待できますが、ただしその分、費用は通常規模型通所介護よりも少々高くなっています。

その他費用

個別機能訓練加算Ⅰイ

56円/回

個別機能訓練加算Ⅰロ 85円/回
入浴介助加算Ⅰ 40円/回
認知症加算

60円/回

栄養改善加算

200円/回

口腔機能向上加算 150円/回

※ここに記載されているのは、一部です。その他加算される場合があります。
※別途、昼食代やおやつ代がかかります。

利用料のほかにも、利用するサービスの内容に応じて費用がかかります。本人の状態により、必要に応じて追加することになるでしょう。

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デイサービスのメリット・デメリット

メリット

  • 身体機能の維持向上
  • 精神面での向上
  • 入浴や排せつ介助など、介護スタッフによる日常生活の世話もしてもらえる

デイサービスでは、自宅ではできない機能訓練やレクリエーションが受けられます。身体機能の維持向上が期待できるのは大きなメリットといえるでしょう。

また、ほかの利用者やスタッフと交流することで、孤独感が解消されたり、楽しみができたりして精神面が上向くことも期待できます。
さらに、介護スタッフによる入浴介助も行われます。施設によっては機械浴を導入し、寝たきりの方でも入浴できるところもあるので、自宅で入浴できない方も安心です。このように、デイサービスを利用する時間は介護者にとっても休息となります。

デメリット

  • 合わない施設を選んでしまうと、通所がストレスになる

デイサービスは施設によって、雰囲気が異なるものです。自分に合わない施設を選んでしまうと通うのがストレスになることがあります。利用を拒否したり、人付き合いが煩わしくなって自宅に引きこもったりする可能性もあります。


ある程度の緊張感も大事ですが、「デイサービスに行くことが目的」とならないようにすることが大切です。施設を選ぶ際には、見学をしたりお試し利用をするなどし、本人に合うところをお選びましょう。

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デイサービスの人員体制

職員 配置基準 仕事内容
管理者 専従、かつ常勤者1名
(兼務は可)
事業所の管理を行う職員です。デイサービスによっては以下の職種と兼務する場合があります。
生活相談員 専従者1名 デイサービスで利用契約の手続きや、ケアマネジャーとの連絡業務。利用者・家族からの相談などを仕事としています。
社会福祉士・精神保健福祉士・社会福祉主事任用資格などの資格を持っています。
(介護福祉士など自治体により要件が異なる場合があります)
機能訓練指導員 専従者1名 身体機能の訓練を行う職員です。理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、看護師等、柔道整復師、あん摩マッサージ指圧師、鍼灸師などの資格を持っています。
看護職員 専従者1名
(利用定員が10名以下の地域密着型の通所介護事業所の場合は介護職員との代替配置が可能)
看護師、准看護師がいてバイタルチェック(体温・血圧・脈拍)、服薬管理、健康観察、医療管理(インシュリン・バルーンカテーテル管理)応急処置や急変時の対応をしてくれます。
介護職員 専従者1名
(利用者15名以下の場合。15名を超える場合は1人増えるごとに0.2名以上の介護職員の配置が必要)
デイサービスでの全般的な介護をしてくれる職員です。
食事や入浴、トイレの介助や多彩なレクリエーションなどを提供してくれます。

デイサービスの利用方法

まずは要介護認定を受けるために、市区町村役場か地域包括支援センターで要介護認定の申請をしましょう。申請してから約1ヶ月後に、認定結果が記載された介護保険証が届きます。

要介護認定の結果が要支援の方は、地域包括支援センターへ相談を。要介護の方は、居宅介護支援事業所へ相談し、どこのデイサービスを利用するか決めましょう。

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デイケアやリハビリ特化型など類似サービスとの違い

デイサービスと似たようなサービスもいくつか存在します。ここでは、以下のサービスの特徴をそれぞれ紹介します。

デイケア
リハビリ特化型デイサービス
認知症対応型デイサービス
趣味特化型デイサービス
お泊まりデイサービス

デイケア

デイケアとは、リハビリテーションを提供する介護サービスです。医療機関や老健(介護老人保健施設)に併設されていることが多く、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士などの専門スタッフが医師の指示のもとリハビリをおこないます。退院後も安心してリハビリを受けたい方におすすめの介護サービスといえるでしょう。

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認知症対応型通所介護(認知症デイサービス)について詳しくみる

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リハビリ特化型デイサービス

リハビリ特化型デイサービスにはフィットネスクラブのようにトレーニングマシンが豊富に揃っており、ご本人の状態に合わせてさまざまなトレーニングを受けられます。デイケアよりも少人数制のところが多く、スタッフに一人ずつしっかり指導してもらえるのが特徴です。

ただし、投薬や注射といった医療的ケアの対応は難しいです。そのため、退院直後や慢性疾患でも継続して医療的経過を見る必要があるなど、本人の状態によってはデイケアを選んだ方がよい場合もあります。

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認知症対応型デイサービス

認知症と診断されている方が利用する、認知症専門のデイサービスです。認知症についての知識を十分に備えたスタッフが対応してくれるので、特に物忘れや徘徊といった周辺症状があっても個別での対応が可能となり、安心して利用できます。

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趣味特化型デイサービス

趣味特化型デイサービスとは、フラワーアレンジメント、お料理、エステ、ネイル、編み物など、趣味を楽しめるデイサービスです。観光地などへ日帰りで外出し、旅行気分を味わえるサービスもあります。趣味などのやりたかったことを通じて日常生活を活性化する効果が期待されます。

お泊まりデイサービス

お泊まりデイサービスとは、昼間はいつもどおりデイサービスを受け、夜はそのまま宿泊できるデイサービスのことです。

通い慣れた場所での宿泊なので、ご本人も安心して利用できますし、ほかの利用者との交流もできて気分転換になるでしょう。家族も一時的に介護から解放され、息抜きになるはずです。一方、この宿泊は介護保険が適用されず、費用は10割負担となってしまうので注意しましょう。

住宅型有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅にもデイサービスが併設

入居して介護を受ける施設である住宅型有料老人ホームサービス付き高齢者向け住宅に、デイサービスが併設されている事もあります。「自宅で生活するのが不安。でも自宅のようにデイサービスを利用したい」という方にとっては、検討してみてはいかがでしょうか。

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デイサービスのメリット・デメリットを知り本人に合った施設を選ぼう

デイサービスとは、できるだけ自立した生活を自宅で送れるよう、身体機能の維持や向上を目的とした機能訓練を受けられる介護サービスです。ほかにも、食事や入浴など日常の世話もおこなってもらえます。費用はかかるものの、自宅から通う分、入居して利用するほかのサービスよりも安く抑えられるでしょう。

デイサービスを利用するなら、ご本人に合った施設を選ぶことが何よりも大切です。見学や体験を通じ、利用者が無理なく通える施設を選びましょう。

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この記事の制作者

山本 武尊

監修者:山本 武尊(主任介護支援専門員・社会福祉士)

地域包括支援センター 元センター長。介護現場の最前線で業務をすると共に、介護業界の低待遇と慢性的な人手不足の課題解決のため介護に特化した社会保険労務士として開業。
現在は介護関連の執筆・監修者、介護事業所向け採用・教育・育成や組織マネジメントなど介護経営コンサルタントとしても幅広く活躍中。

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