【はじめての方へ】口腔ケア用品③|舌ブラシ・スポンジブラシ
口腔ケアは歯磨きだけではありません。歯茎や舌、上あご、頬の内側の粘膜もブラシでやさしくこすってきれいにしましょう。
また、粘膜への口腔ケアの刺激は脳に伝わり、嚥下や咳反射に良い物質(サブスタンスP)の分泌の分泌がよくなると言われています。誤嚥性肺炎予防のためにも粘膜ケアは欠かせません。
舌ブラシの選び方と使用方法
正常な舌は潤いがあり、うすいピンク色をしています。
しかし下記のイラストのように、舌をよく見ると白っぽくなっていることがあります。
この白い部分に厚みがあるときには、舌の表面に食べ物の残りかすや、はがれた粘膜・細菌などが付着した舌苔の場合があります。
このような状態のときは、口腔内の衛生環境が不良になっていることが多いので、舌をケアする必要があります。
舌はとてもデリケートな粘膜ですから、一度にすべてを取り切ろうとせず、保湿をしっかり行いながらやさしく適度な力加減で行いましょう。
舌ブラシの選び方
①舌の表面を傷つけない、柔らかく、しなやかなつくり
②表面だけではなく舌の奥の汚れも取れる柄が長くしっかりしたもの
こうした点に注意して選びましょう。
また形態には、ブラシタイプ、へらタイプの物がありますが種類は好みで選べばよいでしょう。ただし、どちらも使用後は流水下でよく汚れを洗い流し、乾燥させ清潔な状態を保つようにしてください。
スポンジブラシの特徴
スポンジブラシは上あご、歯茎、頬の内側の粘膜の汚れを取ることにとても適しています。
スポンジブラシとは、先端がスポンジでできている棒状のブラシのことです。様々な種類があり、それぞれスポンジの硬さ、大きさ、形、軸の部分の材質などに違いがあります。
利用される方のお口の状態に合わせて選びましょう。
粘膜が弱っている方にはやわらかめのもの、大きくお口を開けるのが苦手な方にはなるべく小さいサイズのものなど、利用される方が抵抗を感じないものにしてください。
一度使用したスポンジブラシはスポンジ部分に汚れや細菌が付着しますので、必ず使い捨てにすることを心がけましょう。
またスポンジブラシは舌や頬、口唇のストレッチに使用する事もできます。
きれいに汚れを取った後はぜひ、ストレッチにも活用しましょう!
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この記事の制作者
著者:尾上 庸惠(訪問歯科衛生士)
専修学校 新東京歯科衛生士学校卒業 卒業後、一般歯科医院、顎関節症専門医院にて勤務。現在数件の往診専門歯科医院に勤務し、老人施設、在宅、病院などで口腔ケア、食支援を行っている。
口腔栄養サポートチーム「レインボー」所属。著書に「歯科衛生士のための訪問歯科ハンドブック」などがある。
日本摂食嚥下リハビリテーション学会認定士。
2015年 東大IOG摂食嚥下モジュール 地域講師資格取得。