口腔ケアの目的

歯周病からくる疾患

口腔ケア4つの目的

口をきれいにケアする・・・歯みがきは、虫歯や歯周病の予防、そして口臭予防にもなります。これはどの世代でも行っていることです。

では介護となられた方の口腔ケアは何が違うかというと、口の衛生を保つ「器質的口腔ケア」と、口の機能を維持向上するための「機能的口腔ケア」の二つの種類があるところです。

この二つの口腔ケアをもって「誤嚥性肺炎」はじめとする感染症の予防。また、口の老化や機能低下を予防する口腔ケアとしての効果が発揮されます。口腔ケアの目的は次の4つがあります。

【口腔ケア】4つの目的

  • 口腔内の清潔と潤いを保つ
  • 粘膜ケアにより咳反射・嚥下反射を高める
  • 口腔機能を維持向上することでQOL向上につなげる(食べる、会話、笑顔)
  • 誤嚥性肺炎をはじめ口腔内細菌による感染の予防

歯や義歯が汚れたままでは食意がなくなり、舌の汚れ(舌苔)が厚く付いていれば味が感じにくくなります。舌をきれいにケアすると味覚が改善されます。

食前に口腔ケアをすると刺激で唾液分泌が促され、潤いが取り戻され、味わい美味しく食事ができるようになります。歯周病菌による感染が全身に及ぼす影響(動脈硬化・糖尿病・早産・心内膜炎・脳梗塞など)も話題になっています。

歯周病からくる疾患

また口腔内や周囲のマッサージは食べるためのウォーミングアップになり、咀嚼や嚥下の働きを高め、万が一誤嚥しかけた時の咳反射(むせ)を高める効果もあります。誤嚥性肺炎や窒息を起こさずに、口から食べ続けるための「食べられる口に整える」口腔ケアは継続が大切です。

認知症で何か月も発語がなかった方に、口腔ケアを施し唾液で潤う口にし、口腔周囲の筋肉の緊張をほぐすマッサージをしたところ、表情が和らぎ久しぶりに声が出て、ケアを見ていたご家族が涙ぐんでしまうような経験がありました。

口腔ケアは口の健康や機能を保つだけでなく、食べる喜びや、会話を楽しみ笑顔で人と接しコミュニケーションを図るなど、生きる喜びや精神的にも豊かな生活を支える目的があります。

著者

篠原 弓月

篠原 弓月(訪問歯科衛生士、東京医科歯科大学口腔保健科非常勤講師、日本歯科大学東京短大非常勤講師)

東京医科歯科大学附属歯科衛生士学校卒業後、一般歯科医院での臨床経験を積み、訪問での歯科診療に携わる。2017年「口腔栄養サポートチーム レインボー」を立ち上げる。著書に「歯科衛生士のための訪問歯科ハンドブック」などがある。

日本摂食嚥下リハビリテーション学会認定士
日本歯科衛生士会 在宅療養指導・口腔機能管理認定歯科衛生士
日本歯科衛生士会 摂食嚥下リハビリテーション認定歯科衛生士

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