口腔ケアで高齢期の病気を予防

誤嚥性肺炎でむせる

口腔内の汚れと全身疾患の関係

普段はあまり考えることがないけれど、口はとても大切な働きをしています。口は「生命を維持する」「人と人との円滑なコミュニケーションをはかる」などの役割があります。

口は消化管の入り口でもあり、口の健康は全身の健康の源です。そんな健康の源であるお口の中に棲みついている歯周病菌は、血流に乗って全身を駆け巡ります。全身の健康へも恐ろしい作用があることを覚えておきましょう。

歯周病からくる疾患

このような病気にならないためには、毎日の食生活を含めた生活習慣を見直し、歯周病を予防することが重要であると言われています。歯周病を予防するための正しい口腔ケアについてぜひ学んでいきましょう!

高齢者の肺炎予防

誤嚥性肺炎という言葉を聞くことが最近とても多くなってきました。では誤嚥性肺炎とは一体何でしょうか?

誤嚥性肺炎とは、口腔内の細菌を唾液や胃液と一緒に肺に流れ込んでしまうことで起こる病気です。

誤嚥とは、何かを食べたり、飲んだりしたときにそれが食道に入らず、気道に入ってしまうことをいいます。元気な人でも、何かの拍子に唾液や飲み物が気管に入ってしまい、むせてしまうことがあると思います。

誤嚥性肺炎でむせる

(元気な人でも、40代以上の多数が誤嚥をしていると言われています)

健康な状態であれば、「ゴホン!!」とせき込むことで気管に入ったものを吐き出すことができます。しかし、吐き出す力が弱くなっている要介護者などは特に気管に入ったものを出すことが難しくなります。そのため、細菌が肺に入って繁殖してしまい引き起こされるのが誤嚥性肺炎です。

これ以外にも、夜寝ている間に口の中で繁殖した細菌を唾液とともに誤嚥してしまったり、胃に収まった物が逆流したことで起こる場合、嘔吐した物をうまく吐き出せずに気管に吸い込んでしまったときにおこることもあります。

誤嚥性肺炎について

元気な人でも、夜間自分の唾液などを誤嚥していることがあります。しかしその時に誤嚥するのはわずかな量であり、朝になり痰として吐き出すことができるので、身体の抵抗力が勝り誤嚥性肺炎にはなりません。

要介護者は寝ているときに唾液誤嚥することが多く、抵抗力が低いために誤嚥性肺炎をおこしやすくなるのです。抵抗力が特に弱くなっている要介護者には、口腔ケアをしっかり行いお口の中を清潔な状態にしておくことがとても重要であると言えるでしょう。

お口の中が清潔な状態でお食事をした時や就寝時の誤嚥ならば、不衛生な状態での誤嚥時よりも誤嚥性肺炎のリスクが低くなると言われています。

また、咳を出す力を強くするリハビリテーションを行ったり、免疫力アップのために日頃の食生活を含めた生活習慣に留意することも大切です。長らく歯科受診をされていないようでしたら、歯周病や感染源になるような虫歯がないか、早期に異常を発見するためにも、ぜひ検診を兼ねた受診もお勧めします。

著者

尾上 庸惠

尾上 庸惠(訪問歯科衛生士)

専修学校 新東京歯科衛生士学校卒業 卒業後、一般歯科医院、顎関節症専門医院にて勤務。現在数件の往診専門歯科医院に勤務し、老人施設、在宅、病院などで口腔ケア、食支援を行っている。
口腔栄養サポートチーム「レインボー」所属。著書に「歯科衛生士のための訪問歯科ハンドブック」などがある。

日本摂食嚥下リハビリテーション学会認定士。
2015年 東大IOG摂食嚥下モジュール 地域講師資格取得。

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