セカンドオピニオンの活用と主治医へ伝えるときの注意点

セカンドオピニオンとは、納得のいく治療方法を選ぶため、別の医師に「第2の意見」を求めることです。治療を続けるうえで「主治医以外の他の医師の意見も聞きたい」、「他に治療法はないのか知りたい」といった気持ちになるのは当然のこと。希望する治療へ近づくには異なる知見を得ることも大切です。

ここでは、セカンドオピニオンを利用するメリットやデメリット。流れ。必要な準備、伝えかたについて解説します。ご家族皆さまの、納得できる健康管理にお役立てください。
 

セカンドオピニオンは希望の治療に近づくためのもの

セカンドオピニオンを受けることで、主治医にわるい印象を与えてしまうのでは?と不安に思う方が多いのですが、これは誤解です。

セカンドオピニオンとは、他の医師から第2の意見を聞くことを意味します。患者さん自身が、納得のいく治療法をえらべるようになることが目的で、主治医を変えるためのものではありません。

また、「転院」ともよく間違えられやすいのですが、これは、病院の設備に関する不足や立地などの条件、医師との相性、特別な治療ができる病院へ移る場合などをさします。

セカンドオピニオンはいつ受ける?受けられない場合もある

セカンドオピニオンと聞くと、がんなどの難しい病気を想像するひとが多いかもしれません。たしかに、「手術をうけるべきか」「他に治療方法はないのか」といった不安は、治療の難しい病気ほど多いでしょう。

一方、身近な病気でも、「この治療法は自分にあっているか」「いくつかの治療法を提案されたけど選べない」というような場合もあるでしょう。たとえば、高血圧症や椎間板ヘルニア、糖尿病、脳梗塞などの病気の治療についても相談してかまいません。

ただし、次にあげるようなものは、セカンドオピニオンの対象とはならないので注意しましょう。

【対象外の例】

  • 主治医の了解を得ていない
  • 医療ミスについての相談
  • 裁判中や医療訴訟に関する相談
  • 医療費や医療給付についての相談
  • 死亡したひとを対象とした相談
  • 今の治療が正しいかどうか判断してほしい

 

セカンドオピニオンの探し方と事前準備

では実際にセカンドオピニオンを受けるためには、どうやって医師を探せばよいのでしょうか。

最近では、大きい病院に「セカンドオピニオン外来」を見かけるようになりました。ただし、病院ごとに診療科や専門医のちがい、病気の種類や病状などにより、相談できる対象が異なります。また、この外来のある病院でないと受けられない訳ではありません。

「お住まいの地域 セカンドオピニオン」でネット検索すると、対応している病院が出てくると思います。そこに、問い合わせてみるのもよいでしょう。

はじめの一歩としては、よく行くかかりつけの薬局で「セカンドオピニオンについて知りたい」と伝えてみるのも方法の一つです。別の医師の意見をきく前に、もっと、主治医と話し合ったほうがよい情報などが見つかることもあります。

準備しておくもの

セカンドオピニオンの事前準備としては、受診先で指示されるものと、主治医からもらうものの大きく2種類があります。不足物がないかよく確認しておきましょう。

【受診先で指示されるもの】※病院によって異なります。

  • 申込書(相談用のシートなどもふくむ)
  • 代理のときは相談同意書
  • 未成年のときは続柄の確認できるもの(健康保険証など)
  • 必要に応じ、お薬手帳のコピーなど

【主治医からもらうもの】

  • 診療情報提供書(紹介状とよばれます)
  • 診断情報(画像診断、検査などの資料、CD-Rなど)

メリットだけではない?デメリットは経済的負担

主治医以外の意見を聞くことで治療の選択肢が増えるということが、いちばんのメリットです。セカンドオピニオンを受けたひとのおよそ8割が「相談して良かった」とこたえた調査結果もあります。

セカンドオピニオンに相談して主治医と同じ意見であれば、より確信がえられるでしょう。もしくは、今の治療よりも希望にあう情報が得られたなら、それを正しく主治医に伝えることも簡単です。場合によっては、設備の充実する医療機関への紹介が受けられることもあります。

一方で、デメリットもあります。セカンドオピニオンは保険のきかない自費診療のため、経済的な負担となります。

費用は病院ごとに異なりますが、時間は30~60分で設定され、1回の相談で20,000~50,000円ほどかかることが多いようです。また、必ずしも新しい意見が得られるというわけではありません。逆に、より詳しい情報を耳にし、余命など知りたくなかったことも聞いてしまう可能性があります。

これらのメリットとデメリットを考えたうえで、検討することが大切です。
 

失敗しないための6つのステップ

この項では、セカンドオピニオンを受けるときに失敗しないためのステップについて解説します。スムーズに進めるための参考にしてください。

受けたことがないひとのうち、「受けた方がいいのか判断できない」というひとが、3割をこえるといいます。まずは、不安なことなどを書きだしてみるSTEP1から始めてみましょう。

【セカンドオピニオンを受けるための6つのステップ】

Step1
箇条書きにして主治医に質問する(ファーストオピニオン)
Step2
身近な人に相談する※
Step3
費用や受診方法などを確認して病院を決める
Step4
主治医に紹介状などを書いてもらう
Step5
当日は信頼できる人に同行してもらう
Step6
主治医に報告し今後の治療について話し合う
  • ※がんなど一部の病気は、相談窓口「がん相談支援センター」から相談することもできます。

【Step1】箇条書きにして主治医に質問する(ファーストオピニオン)

「病状がまったく良くならない」「薬の数を減らしたい」というように、箇条書きで簡潔に書くことが大切です。また、1枚のメモより、ノートやお薬手帳など、時間をおって記録できるものがよいでしょう。お薬手帳なら、薬剤師の目にも触れ、解決のヒントが得られることもあります。

主治医にStep1で書きだしたことを質問してみましょう(これをファーストオピニオンといいます)。セカンドオピニオンを受けるかどうか迷っていることを伝えて構いません。大切なのは、主治医と一緒に不安を解消し、納得して治療を続けるということです。

【Step2】身近な人に相談する

たとえば、処方薬を受けとるときに薬剤師から、医師とはちがった知見で意見をもらえることもあります。また、入院中や退院するときには、医療ソーシャルワーカー(MSW)※と呼ばれる専門家や、看護師に相談してみるというのも方法の一つです。

家族や知人なら、当日に同行してもらえるひとへ相談するとよいでしょう。

  • ※医師や看護師と患者さんとの、橋渡しとなる立ち位置で、不安や悩みが解決できるよう調整してくれる専門家のこと。病院以外の関係する機関とも連携をとり支援する。社会福祉士や精神保健福祉士といった国家資格者。

【Step3】費用や受診方法などを確認して病院を決める

セカンドオピニオンに対応している病院はネット検索して探すのがもっとも手軽な方法です。なかでも「セカンドオピニオン外来」のある病院では、受診方法、費用、必要な書類などスムーズに説明してくれます。病状に緊急性がなければ、2~3カ所の病院に情報を集めてみるとよいでしょう。

【Step4】主治医に紹介状などを書いてもらう

主治医にセカンドオピニオンを受けたいと伝えます。その受診に必要な紹介状や資料を用意してもらいましょう。

【Step5】当日は信頼できる人に同行してもらう

相談時間が限られているため、Step1で書きだした質問を整理して持参します。一番聞きたいことを冒頭におくことがポイントです。

不安な場合は、かかりつけの薬剤師などに手伝ってもらいましょう。同行者には事前に共有しておくことで、緊張してうまく話せないといった場合に助けてもらうことができます。

【Step6】主治医に報告し今後の治療について話し合う

セカンドオピニオンの内容を主治医に報告します。報告書を主治医へ送ってくれる病院もありますが、ご自分の言葉で伝えることが大切です。

聞いた結果、どのように感じ、どのような治療を希望したいと思ったのか、率直に伝えましょう。そして、話し合って、主治医とともに、これからの治療を再検討していきます。

主治医に本音で向き合うことが大切!伝え方のポイント

ここまでセカンドオピニオンの流れや注意点について解説してきました。

伝え方のポイントは、「自分でもさらに理解を深めたいので、セカンドオピニオンを受けてみたいです」というように、気持ちを率直に伝えることです。

セカンドオピニオンを活用することで、より希望に近い治療を選び、納得のいく健康管理につなげていきましょう。

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イラスト:安里 南美

この記事の制作者

曽川 雅子

著者:曽川 雅子((株)リテラブースト代表取締役、薬剤師)

東北薬科大学(現・東北医科薬科大学)を卒業後、薬剤師として調剤薬局に勤務。2017年にセルフメディケーションサービスを展開する「株式会社リテラブースト」を設立。
処方せん薬に偏ることなく、予防医療やヘルスリテラシーの在り方、そのサポーターと連携の意識を分かち合うため、薬局だけでなく、健康経営を掲げる民間企業へのセミナーも積極的に行っている。

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