【はじめての方へ】口腔ケア用品④|歯磨き剤

歯磨き剤

歯や粘膜に残っている食べかすや歯垢はまずしっかりとブラシなどの道具でこすり落とすことが重要ですが、それとともに歯磨剤(歯磨き粉)や洗口剤(うがい薬)を使用することにより更に効果的に口腔ケアを行うことが出来ます。

最近では様々な効果・効用をうたった商品が多く出回っています。

どのような基準で選べばよいのかをご説明していきます。

歯磨剤の選び方

歯磨き粉とも呼ばれます。「磨き粉」と呼ばれることで使用すると磨かれるというイメージが強いのではないでしょうか。

歯を白くする、虫歯予防、歯周病予防、など表記された効用はそれぞれ違っているようですが、特に要介護者の方に関しては

  1. 研磨剤が入っていないこと
  2. 粒の入っていないこと
  3. 泡立たないもの (発泡剤が添加されていない)

以上の3点に気を付けて選んで頂きたいと思います。

高齢者の口腔内には歯の根が大きく出ている歯が残っていることが多く見受けられます。

歯並び

このような露出した歯の根に研磨剤を使用すると、根の部分が削れやすくなってしまい歯が弱くなってしまうことがあります。 (歯の構造上、歯の頭に比べ根の材質は非常にもろくなっています)

また、十分なうがい(頬をしっかり動かし行うぶくぶくうがいが出来るかどうか)が出来ない状態で粒入りの歯磨剤を使用し歯肉の中に粒が入ってそのまま残ってしまうと、歯肉の炎症を引き起こしてしまう可能性があります。

ぶくぶくと泡立ちやすい歯磨剤では不快感を感じやすく、長くお口を開き続けて頂くことが難しくなり、お口の中の状態を確認しづらくなります。

不十分な歯磨き

高齢者におすすめの歯磨剤とは?

また、積極的に使用して頂きたいものとしてはフッ素が含有されているものをお勧めいたします。

高齢者の口腔内は根が露出していることが多く(もろいので、虫歯になりやすい)、様々な要因から唾液分泌が減少し、それに伴う自浄作用の低下などから虫歯になりやすい状態になっています。

ブラシなどでしっかりと汚れを落とし、フッ素を使用すれば虫歯予防が期待できます。

フッ素入り歯磨剤を使用する際には、うがいなどにも効果をあげる行い方がありますのでそれぞれの使用方法をよくご確認ください。

以上に気を付けて頂けたなら、あとはケアを受けられる方のお好みに合わせて選んでみましょう。

お味や粘度なども様々です。

ぜひ気持ちよく効果的な口腔ケアを目指しましょう。

適切な歯磨き
洗口剤

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歯のおもて側、裏側(歯ブラシを当てて小刻みに動かす)

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この記事の制作者

尾上 庸惠

著者:尾上 庸惠(訪問歯科衛生士)

専修学校 新東京歯科衛生士学校卒業 卒業後、一般歯科医院、顎関節症専門医院にて勤務。現在数件の往診専門歯科医院に勤務し、老人施設、在宅、病院などで口腔ケア、食支援を行っている。
口腔栄養サポートチーム「レインボー」所属。著書に「歯科衛生士のための訪問歯科ハンドブック」などがある。

日本摂食嚥下リハビリテーション学会認定士。
2015年 東大IOG摂食嚥下モジュール 地域講師資格取得。

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