【医師監修】もの忘れ外来とは?検査や費用、医師の選び方を解説

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もの忘れ外来(物忘れ外来)とは、加齢による物忘れか、認知症の初期症状かを見分ける外来です。高齢化に伴い、もの忘れ外来の重要性も増しているものの、何をする場所なのか曖昧な方も少なくありません。本記事では、もの忘れ外来がどのような場所で、具体的にどんな検査を行うのかなど、分かりやすく解説します。料金や病院の選び方にも触れるので、ぜひ参考にしてください。

もの忘れ外来とは?何をする場所?

もの忘れ外来は、加齢による物忘れと、認知症を医学的に見分けるための専門外来です。日常生活に支障が出るレベルの記憶障害が起きているかを厳密に判定します。

診察では主に、専門医による問診、認知機能テスト、脳の萎縮や他の病気の有無を調べる画像検査を行います。本人だけでなく、日頃の様子をよく知るご家族からも詳しく話を聞いたうえで、現在の状態を総合的に診断します。

もの忘れ外来で行う主な検査

・問診
・神経心理検査
・CT、MRI
・SPECT、PET

もの忘れ外来では、気になる症状が、「物忘れ」なのか「認知症」なのかを診断してくれます。ご本人のことをよく知っているご家族などと一緒に受診することがおすすめです。もの忘れ外来の検査内容について、簡単に解説します。

問診

最初に行うのは「問診」です。どんな症状があるのか、これまでの経緯や生活で困っていることなどについて聞かれます。

神経心理検査

問診と併せて、認知機能の状態を確認するために神経心理検査を行います。神経心理検査というのは、HDS-R(長谷川式簡易認知機能スケール)や、MMSE(ミニメンタルステート検査)のことで、様々な設問を通じて記憶力や計算力、見当識力などを調べます。

CT、MRI

必要に応じて、CTやMRIで脳の萎縮や脳梗塞がないかを調べます。

SPECT、PET

SPECT(脳の血流や代謝を調べる)やPET(陽電子放射断層撮影)など脳の機能を調べる画像検査、脳波検査などを実施します。

これらの検査結果を専門医が統合して、認知症かどうか、また認知症だとしたらどのタイプの認知症なのかを診断していきます。

もの忘れ外来の料金

基本的に医療保険の適用になる検査が多く、料金は検査数や種類によっても異なります。

例えば、3割負担の場合は以下の費用感になる場合が多いです。

ただし、検査の組み合わせや負担割合、病院の方針によっても変動します。専門的な検査数が増えるほど料金も高額になるため、検査前に確認をするのがおすすめです。

問診と神経心理検査のみ 1000円程度
CT検査のみ 5000円程度
MRI 5000円~10000円程度

もの忘れ外来や医師の選び方

何度か通うことを前提に、お近くにあるもの忘れ外来の受診がおすすめです。

まずは普段かかっている、かかりつけ医に相談して紹介してもらいましょう。かかりつけ医がいない場合は、役所の高齢福祉課、地域包括支援センターなどに相談してみてください。

信頼できる認知症診療医と出会い見極めるためには、直接診察を受けてみることが一番です。

もの忘れと認知症の違い

加齢に伴い、もの忘れは誰しもが経験するものです。認知症の予兆ではないかと心配になる方も多いですが、「もの忘れ」は加齢に伴う正常な反応の場合もあります。まずは、「もの忘れ」と「認知症」の違いについておさらいしましょう。

加齢によるもの忘れの特徴

  • 新しいことを覚えることが苦手になる
  • 食事をしたことは覚えているが、何を食べたか思い出せない
  • 人の名前がすぐに出てこないが、ヒントがあれば思い出せる
  • 今まで通りの暮らしができている

認知症の特徴

  • 正常な加齢反応ではなく、病気によって脳の神経細胞が損なわれたり脳の機能が低下したりする状態
  • 食事をしたこと自体を覚えていない
  • 知っているはずの人の名前を聞いても思い出せない
  • 認知機能の低下により今まで通りの暮らしができなくなっている

以上のように認知症は、体験したこと自体を忘れてしまったり、日常生活に支障が出たりすることがポイントです。認知症は何らかの病気によって脳の機能が低下した状態で、一度進行してしまうと正常な脳機能を取り戻すことが難しくなります。

認知症になる要因は?

認知症になる最も大きな要因は「歳をとること」です。認知症は、70代前半では3%台ですが、80代後半になると40%、90歳以上では60%を超え、歳を重ねると認知症のリスクが高くなります。

人によってタイプも症状の現れ方も多種多様で、疲労やその日の調子によって良くなったり悪くなったりと、症状の出方にグラデーションがあります。

「もの忘れ」か「認知症」かどうかを素人目に見極めることは困難です。症状が気になったら、早めに「もの忘れ外来」で専門家の検査を受けることをおすすめします。

認知症による資産凍結のリスクをご存知ですか?早めのご相談を

認知症により判断能力が不十分とみなされると、ご本人にもご家族にも預金がおろせない、不動産を売却できないなど、「資産凍結」に陥るリスクがあります。

備える方法を詳しくみる

まとめ

高齢化に伴い、認知機能の不安について相談ができる「もの忘れ外来」の需要はますます高まることが予想されます。ご自身、ご家族に異変を感じたら、なるべく早期に受診し、専門家から適切な対応方法を学びましょう。診断を恐れるのではなく、継続的にご自身の認知機能をチェックして、早期から発症予防・進行予防を行うことが大切です。

認知症は完全には予防できませんが、早期発見により備えることができます。「もの忘れ外来」を身近な相談先として捉え、活用していきましょう。

イラスト:坂田 優子

この記事の制作者

新田 智裕

著者:新田 智裕(理学療法士)

横浜市青葉区の青葉さわい病院にて3歳〜105歳までのリハビリの担当を経験し独立。現在は、同じ青葉区内で、理学療法士と管理栄養士がつくる デイサービス「バレーナ」を運営。理学療法士が考案した、YouTubeで「バレーナチャンネル」を運営。シニア向けのホームエクササイズ動画を配信中。

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内海 久美子

監修者:内海 久美子(砂川市立病院 副院長・認知症疾患医療センター長)

NPO法人中空知・地域で認知症を支える会理事長、一般社団法人認知症疾患医療センター全国研修会代表理事も務める。
長年にわたり、医師として認知症の診断、治療の傍ら、地域に向けた啓発や関係者とのネットワークづくりに尽力。
「砂川モデル」として全国からも注目され、講演、取材、TV出演など多数。

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