老人ホームってどんなところ?どんな人が入る場所?種類ごとの特徴や違い、費用について解説!

老人ホームっていろいろな種類があるけれど、結局どれを選べばいいのかわからないという方も多いでしょう。

ここでは、老人ホームの種類ごとに特徴やメリット・デメリット、どんなところなのか、どんな人が入るのかをまとめました。似ているけど施設の違いや気になる費用面まで紹介していますので、ぜひ最後まで目を通してみてください。

※この記事は2022年3月現在の情報を基にしています。

老人ホームは公的施設と民間施設の2種類

公的施設 民間施設
自治体など 事業主体 民間企業など
自立~要介護 対象者 自立~要介護
・特別養護老人ホーム
・介護老人保健施設
・介護医療院
・ケアハウス
・養護老人ホーム
種類 ・介護付き有料老人ホーム
・住宅型有料老人ホーム
・健康型有料老人ホーム
・グループホーム
・サービス付き高齢者向け住宅
・シニア向け分譲マンション
主になし 入居金 0~数千万円
5~30万円 月額費用 10~50万円

老人ホームは、公的施設と民間施設・住宅の2種類に分けることができます。公的施設は、社会福祉法人や地方自治体などが運営しており、社会福祉の観点から介護の度合いが高い人や低所得者の支援が大きな目的です。そのため入居条件がある程度限られています。

一方で民間施設・住宅は民間企業が運営しており、高齢者のさまざまなニーズに対応できるように多種多様なサービスが展開されているため、入居者の対象は施設によって異なります。

公的施設の老人ホームはどんなところ?

国や自治体が運営する公的な老人ホーム・施設は主に以下の5種類6タイプです。

公的施設の種類 費用 入居条件 終身利用
初期費用 月額費用 自立 要支援 要介護 認知症
特別養護老人ホーム 0円 6~20万円 × ×
介護老人保健施設 0円 7~21万円 × × ×(原則3カ月)
介護医療院 0円 8~22万円 × ×
ケアハウス(一般型) 0~30万円 7~20万円 ×
ケアハウス(介護型) 数十万~1千万円 8~30万円 × ×
養護老人ホーム 0円 0~14万円 × × × ×

公的施設では要介護度の高い人や低所得者の支援が大きな目的であるため、入居条件が厳しく設定されています。

また入居の際に必要となる初期費用(入居一時金)がかからない施設が多く、民間施設と比較して費用は安いといえます。そのため需要が高く、なかなか入居できないケースも増えています。

社会福祉法人や地方自治体が運営しているため、施設間でサービスの差はあまりない点も公的施設の特徴です。

特別養護老人ホーム(特養)

【特別養護老人ホーム(特養)はどんな人が入る?】

  • 介護度合い:原則要介護3~5
  • 認知症の人の入居:可
  • その他の条件:65歳以上

特別養護老人ホームとは、寝たきりの人や認知症の人など要介護度の高い人を対象に、日常的な介護と生活援助のサービスが受けられる施設です。

入居条件は、原則要介護3以上と決まっており、要介護度が高く、同居する介護者などいない人が優先的に入居することができます。入居費用は所得に応じて異なり、ほぼ介護保険でまかなえるため、費用負担が軽いのが特徴です。

さらに終身利用もできるため人気があり、都市部では数百人待ちという特養もあります。特養は要介護度の高い人が多いため、身の回りのお世話がメインになり、レクリエーションなどの活動はあまり豊富ではありません。

特養の居室には、多床室、従来型個室、ユニット型個室、ユニット型個室的多床室など、完全個室のタイプから4人部屋まであります。

メリット デメリット
・費用が安い
・初期費用が不要
・要介護度が高くても入居できる
・終身利用ができる
・24時間介護が受けられる
・待ち時間が長く入居しにくい
・入居条件が厳しい
・高度な医療ケアや入院が必要な場合は退去の可能性がある

【特別養護老人ホームはどんな人におすすめ?】

  • 要介護度が高い人
特養について詳しく知りたい方はこちら

介護老人保健施設(老健)

【介護老人保健施設(老健)はどんな人が入る?】

  • 介護度合い:要介護1~5
  • 認知症の人の入居:可
  • その他の条件:退院後、リハビリを受ける必要がある人など

介護老人保健施設とは、病院で治療を受けていた高齢者が退院を迎えたとき、自宅での生活に復帰できるようにリハビリを受けられる施設です。

老健では日常生活の支援や介護のほか、リハビリや医療ケア、レクリエーションや外出支援なども受けられます。

集中的にリハビリを受け自宅への復帰を目指しますが、3ヶ月おきに入居継続判断が行われるため、長期的な入居目的での施設ではありません。

メリット デメリット
・費用が安い
・初期費用が不要
・専門的な医療を受けられる
・リハビリが受けられる
・看取りケアは受けられない
・3ヶ月ごとに入居継続判定があるため、長期利用目的での入居には向かない
【介護老人保健施設はどんな人におすすめ?】
  • 退院後すぐに自宅に戻るのが不安な人
  • 自宅復帰のためにリハビリをしっかり受けたい人
老健について詳しく知りたい方はこちら

介護医療院

【介護医療院はどんな人が入る?】

  • 介護度合い:要介護1~5
  • 認知症の人の入居:可
  • その他の条件:日常的な医療ケアが必要な人

介護医療院は高度な医療ケアが必要な高齢者を対象に、介護だけでなく医療処置を長期的に受けられる施設で終身利用もできます。

例えば、特養やその他の老人ホームにすでに入居していて、入居中の病気などによって高度な医療ケアが必要になった人の住み替えで利用されるケースもあります。

介護以外に、リハビリ専門のスタッフや栄養士、薬剤師、ケアマネージャーなど専門的なスタッフもいるため、安心して療養生活をおくれます。

居室にはユニット型個室、ユニット型個室的多床室、従来型個室、多床室があり、それぞれ賃料が異なります。

なお、制度変更に伴い、「介護療養型医療施設」は2024年3月で廃止となっているため、現在介護医療院などへの移行が進められています。

メリット デメリット
・高度な医療ケアが受けられる
・医師が24時間常駐
・公的施設にしては費用が高い
・レクリエーションなどのイベントが少ない

【介護医療院はどんな人におすすめ?】

  • 高度な医療ケアが日常的に必要な人
介護医療院について詳しく知りたい方はこちら

ケアハウス

【ケアハウスはどんな人が入る?】

  • 介護度合い:自立〜要支援(一般型)、要介護1以上〜(介護型)
  • 認知症の人の入居:不可(一般型)、軽度なら可(介護型)
  • その他の条件:60歳以上(一般型)、65歳以上(介護型)

ケアハウスには一般型と介護型の2タイプあり、一般型は食事や掃除などの生活支援を、介護型は生活支援以外に、トイレや入浴といった介護サービスも受けることができます。

一般型では介護サービスは提供されていないため、介護が必要になった際は外部の介護サービスを利用します。また要介護度が高くなると、退去する必要が出てきます。基本的には自立している人が多いため、施設にもよりますがレクリエーションなどのイベントもあり、活気があるといえます。

介護型では、入居後に要介護度が高くなっても退去する必要はありません。施設によって終身利用ができる、できないが異なるので、事前に確認しておく必要があります。

高度な医療ケアが必要な人や認知症が進行している人は入居できないケースもあります。

メリット デメリット
・レクリエーションが豊富
・費用が安い
・介護型であれば要介護度が高くなっても継続入居できる
・共同生活が負担に感じる人には向かない
・重度な医療が必要な人は入居できない
・数が少ない

【ケアハウスはどんな人におすすめ?】

  • 身寄りがなく生活に不安がある人
ケアハウスについて詳しく知りたい方はこちら

養護老人ホーム

【養護老人ホームはどんな人が入る?】

  • 介護度合い:自立している人
  • 認知症の人の入居:不可
  • その他の条件:諸事情により自宅での生活が難しい高齢者

養護老人ホームとは、経済・身体・精神・環境的に自宅での生活が難しい高齢者の社会復帰を最大の目的としている施設で、市区町村により「入居が必要」と判断された人だけ入居可能です。

養護老人ホームはここで紹介する他の介護施設とは性格がかなり異なっており、介護サービスの提供はなく、食事の提供や健康管理、自立支援などを受けて暮らすことができます。

そのため、寝たきりや認知症など介護度合いが重い人は入居できず、社会復帰を目指すという目的もあり長期入居はできません。入居の途中で介護が必要になると退去となります。

メリット デメリット
・社会復帰が目指せる
・生活保護受給者などの低所得でも利用できる
・介護は受けられない
・終身利用はできない
・数が少ない

【養護老人ホームはどんな人におすすめ?】

  • 社会復帰を目指している高齢者
  • 生活保護受給している高齢者など

民間施設の老人ホームはどんなところ?

民間施設としての老人ホームや高齢者向け施設・住宅には主に以下の6種類あります。

高齢者向け施設・住宅の種類 費用 入居条件
初期費用 月額費用 自立 要支援 要介護 認知症
有料老人ホーム 介護付き有料老人ホーム 0~数千万円 12~40万円
住宅型有料老人ホーム 0~数千万円 12~40万円
健康型有料老人ホーム 0~数千万円 12~40万円 × × ×
グループホーム 0~百万円 15~20万円 ×
サービス付き高齢者向け住宅 0~数百万円 10~40万円
シニア向け分譲マンション 数千万~数億円 10~30万円 ×

(注:入居条件は、各施設のタイプにより異なる)

民間施設は、施設によりサービス内容や入居条件、金額にもばらつきがあります。そのため、民間施設の老人ホームを探す場合は、自分の中で優先順位を決めておくことが重要です。

公的施設と大きく異なるのは、初期費用(入居一時金)が必要なケースが多い点です。一部に無料なところもありますが、その分月額費用に家賃が加算されていると考えておく必要があります。

介護付き有料老人ホーム

【介護付き有料老人ホームはどんな人が入る?】

  • 介護度合い:自立〜要介護5
  • 認知症の人の入居:可能(タイプによっては不可)
  • その他の条件:主に65歳以上

介護付き有料老人ホームとは、専門の介護スタッフによって24時間いつでも介護サービスを受けられる施設です。

施設ごとに特徴や施設の充実度が異なります。医療連携が充実していて、終身利用できる施設もあれば、自立者しか入居できない施設や、要介護度が軽い人しか入れない施設もあります。

施設入居にかかる費用(入居一時金)においても高額なところから安価なところまで幅広くなっています。介護付き有料老人ホームの一種で混合型と言われるところは、自立の人も入居できますが、自立者には自立サポート費が必要な施設が大半を占めています。

自立者向けには介護付き有料老人ホーム入居時自立型があり、自立時から最期まで暮らせる終のすみかとして人気があります。

メリット デメリット
・自立している人から要介護認定者まで幅広く入居できる
・サービスや施設の種類が豊富
・24時間介護サービスを利用できる
・居室は広いところから狭いところまで幅広い
・費用が高い
・種類が多く選び方が難しい
・外部の介護サービスは利用できない
・自立者には自立サポート費が必要な施設がある

【介護付き有料老人ホームはどんな人におすすめ?】

  • 日常的に介護が必要な人
  • 自立時から要介護になっても暮らし続けられる終のすみかを探している人
介護付き有料老人ホームについて詳しく知りたい方はこちら

住宅型有料老人ホーム

【住宅有料老人ホームはどんな人が入る?】

  • 介護度合い:自立〜要介護5
  • 認知症の人の入居:可能(施設による)
  • その他の条件:主に65歳以上

住宅型有料老人ホームとは、食事や清掃、買い物などの生活支援や見守りサービスが受けられる有料老人ホームです。

介護サービスは提供されないため、介護が必要になれば外部の介護サービス事業者と契約する必要があります。

入居対象者は自立〜要介護5までと施設によって異なり、幅広くなっていますが、介護サービスが提供されないことから、以前は自立している人が多い傾向がありました。

しかし、近年は、介護付き有料老人ホームより安価な施設が多いことから、要支援・要介護認定者の入居が増加しています。レクリエーションやイベントが充実しているのが特徴の一つといえます。

住宅型有料老人ホームは、費用、設備、サービス面などにおいて、施設によるばらつきが大きいため、十分に吟味して慎重に選びましょう。

メリット デメリット
・自立している人から要介護認定者まで幅広く入居できる
・サービスや施設の種類が豊富
・ベントやレクリエーションが多い
・要介護度が高くなると退去の可能性がある
・要介護度が高くなると介護費用が高くなる
・介護は個別契約のため、夜間などの緊急時に対応しにくい

【住宅型有料老人ホームはどんな人におすすめ?】

  • アクティブに老後を楽しみたい人
  • 介護サービスは必要ない人
  • 介護付き有料老人ホームより安く入居したい、要支援など要介護度の低い人

健康型有料老人ホーム

【健康型有料老人ホームはどんな人が入る?】

  • 介護度合い:自立のみ
  • 認知症の人の入居:不可
  • その他の条件:主に65歳以上

健康型有料老人ホームとは介護の必要がない高齢者向けの施設で、食事や清掃など生活支援を受けることができます。

また自立者限定なので、イベントやサークルといったアクティビティが豊富な施設もあります。内容は施設によりさまざまですが、施設内でコンサートが開かれたり、フィットネスルームやプールが完備されていたりするところもあります。

入居後に、認知症になったり介護が必要になったりすると退去となります。

メリット デメリット
・レクリエーションや設備が充実している施設もある
・生活の自由度が高い
・日常生活支援サービスが受けられる
・要介護認定を受けると退去となる
・費用が高い
・施設数が少ない

【健康型有料老人ホームはどんな人におすすめ?】

  • 充実した老後をおくりたい人
  • 介護が不要の間はアクティブに生活したい人
健康型有料老人ホームについて詳しく知りたい方はこちら

グループホーム

【グループホームはどんな人が入る?】

  • 介護度合い:要支援2~
  • 認知症の人の入居:可
  • その他の条件:65歳以上、認知症と診断を受けている人

グループホームは、認知症の高齢者が入居対象となる介護施設で、認知症に関する専門知識を有するスタッフによる介護サービスが24時間体制で受けられます。

名前からも分かる通り、基本的には5~9人程度のアットホームな集団生活をおくります。地域との交流やレクリエーションも豊富なので、レクリエーションなどを楽しみながら認知症の緩和を図る取り組みなどが行われています。

入居条件は、ひととおり身の回りのことは自分でできることが前提なので、寝たきりなど要介護度が高くなると退去となる可能性があります。

メリット デメリット
・認知症でも入居できる
・認知専門のケアが受けられる
・共同生活で和気あいあいとアットホームにくらせる
・共同生活が負担に感じる人には向かない
・介護度が高くなると退去の可能性がある

【グループホームはどんな人におすすめ?】

  • 身の回りのことはできるが、認知症と診断された人
  • 共同生活が負担にならない人
グループホームについて詳しく知りたい方はこちら

サービス付き高齢者向け住宅

【サービス付き高齢者向け住宅はどんな人が入る?】

  • 介護度合い:自立〜要介護
  • 認知症の人の入居:原則不可(サ高住によっては可のところもある)
  • その他の条件:60歳以上

サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)とは、高齢者が暮らしやすいバリアフリー構造の賃貸住宅で、安否確認と生活相談サービスを受けられます。さらに、大半のサ高住では、オプションですが、食事サービスを受けられます。

また、清掃、買い物、病院への同行などのオプションサービスが受けられるサ高住も多くなっています。近年、主に大都市圏では、入居時に数千万円必要なサ高住も建てられ、費用面での幅が拡大しています。

一般的な賃貸住宅と同じように外出制限などがないため、生活の自由度が高いことが特徴です。介護サービスが必要な場合は外部サービスを別契約する必要があります。

生活支援を行うスタッフは24時間体制で常駐しているわけではないため、要介護度が高くなったり認知症が進行したりすると退去が必要な場合もあります。しかし、サ高住によっては、要介護者を積極的に受け入れているところもありますので、1軒1軒確認が必要です。

メリット デメリット
・生活の自由度が高い
・有料老人ホームと比較的すると安い傾向がある
・近年増加傾向が著しく、選択肢が拡大している
・要介護度が高くなると退去の可能性がある
・介護サービスは外部事業者と別契約が必要
・スタッフは24時間体制ではない

【サービス付き高齢者向け住宅はどんな人におすすめ?】

  • 自由度の高い生活をおくりたい
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シニア向け分譲マンション

【シニア向け分譲マンションはどんな人が入る?】

  • 介護度合い:自立〜
  • 認知症の人の入居:不可
  • その他の条件:所得の審査あり

シニア向け分譲マンションとは、高齢者にとってくらしやすいバリアフリー構造の分譲マンションです。生活支援サポートや安否確認などのサービスが受けられるほか、マンションの共有設備が充実しているのが特徴です。例えば、フィットネスルーム、温泉、シアタールームなどがあるところもあります。

介護サービスは外部サービスを利用することになるため、常時介護が必要になれば、住み続けるのが難しくなるでしょう。

ただし、シニア向け分譲マンションは、法的には通常の分譲マンションと同じなので、所有者が自由に売却したり、賃貸に出したりすることも可能です。

メリット デメリット
・見守りサービスなどがあり安心
・シニア向けの設備や娯楽が充実
・生活の自由度が高い
・資産の一つになる
・入居費が高額
・物件数が少ない
・介護サービス外部事業者と別契約が必要
・要介護度が高くなると退去の可能性がある

【シニア向け分譲マンションはどんな人におすすめ?】

  • 自由で快適・安全な老後をおくりたい人
  • 老後もアクティブに活動したい人
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老人ホームの違いについてよくある質問

ここでは老人ホームの違いについて、よくある質問を見ていきます。

【老人ホームの違いについてよくある質問】

  • 特養と介護付き有料老人ホームの違い
  • 特養とケアハウスの違い
  • 特養とサービス付き高齢者向け住宅の違い
  • 特養と養護老人ホームの違い

特養と介護付き有料老人ホームの違い

特別養護老人ホーム 介護付き有料老人ホーム
運営 公的施設 民間施設
入居条件 ・65歳以上
・要介護3以上
・60歳以上もしくは65歳以上
・自立者、要支援、要介護者
介護サービス あり(施設スタッフ) あり(施設スタッフ)
生活援助サービス 日常生活の全般、入浴、排泄 日常生活の全般、入浴、排泄
初期費用 0円 0~数千万円まで
月額費用 6~20万円 12~40万円
待機期間 長い(地域によるが数ヶ月〜1年程度) 特養より短い

特養と介護付き有料老人ホームは、事業主体の違いから施設の目的が異なります。

特養は原則要介護3以上が入居対象であるのに対し、介護付き有料老人ホームは施設によって自立している人~要介護5までと幅広く、さまざまな人のニーズに対応しています。

ただし近年の傾向として、特養への入居が困難なため、特養入居の待機場所として介護付き有料老人ホームが利用されるケースもあり、サービス(人員配置基準など)や費用面で特養と大差ない介護付き有料老人ホームもあります。

とはいえ、手厚い介護体制や個別のリハビリを受けたいなど独自のサービスを希望する人も増えていることから、高額帯の介護付き有料老人ホームも増えています。

このように、民間施設の場合はサービスや設備の充実度の違いから、費用が高額になることもあります。一方で特養では初期費用が不要で、介護サービスも保険で賄えるよう設定されているため、両者は費用面が大きく違うというのが一番のポイントでしょう。

特養とケアハウス介護型の違い

特別養護老人ホーム ケアハウス
介護型
運営 公的施設 公的施設
入居条件 ・65歳以上
・要介護3以上
・65歳以上
・要介護1以上
介護サービス あり(施設スタッフ) あり(施設スタッフ)
生活援助サービス 日常生活の全般、入浴、排泄 日常生活の全般、入浴、排泄
初期費用 0円 0~1,000万円
月額費用 6~20万円 8~30万円
待機期間 長い(数ヶ月〜1年) 特養よりは短いが入りにくい

ここでは特養とケアハウス介護型の違いについて見ていきます。

特養とケアハウス介護型の基本的なサービス内容は大きく違いはありません。いずれも介護サービスや生活支援が受けられます。

特養もケアハウスも公的な施設なので費用は比較的安いのですが、ケアハウスは初期費用が必要です。

また特養は入居者の条件が厳しく原則要介護3以上の人を対象にしていますが、ケアハウス介護型は要介護1以上でひとり暮らしが不安という程度の人でも入居可能となっています。安心した老後生活を早めに迎えたい人にはありがたいでしょう。

ただし、ケアハウス介護型は全国的に数が少ないのが難点です。

特養とサービス付き高齢者向け住宅の違い

サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)は身体的に虚弱になってきた高齢者のためのバリアフリー賃貸住宅としてスタートしました。しかし、要介護認定者の入居が増え、介護施設の代替施設のようになっているのが現状です。

一部には「特定施設入居者生活介護」(略して「特定施設」)の指定を受けたサ高住もあり、24時間の介護体制を整え、要介護者を積極的に受け入れているところもあります。

ここでは特養と一般的なサービス付き高齢者向け住宅、特定施設指定のサービス付き高齢者向け住宅の違いを比較します。

特別養護老人ホーム サービス付き高齢者向け住宅
特定施設指定なし 特定施設指定
運営 公的施設 民間施設(住宅) 民間施設(住宅)
入居条件 ・65歳以上
・原則要介護3以上
・60歳以上
・自立、要支援、要介護
・60歳以上
・自立、要支援、要介護
介護サービス あり(施設スタッフ) 外部サービス利用可 あり(施設スタッフ)
生活援助サービス 日常生活の全般、入浴、排泄 安否確認、生活相談 日常生活の全般、入浴、排泄
初期費用 0円 敷金 敷金
月額費用 5~22万円 5~30万円 15~40万円
待機期間 長い(数ヶ月〜1年) 特養よりは短い 特養よりは短い

特養は入居条件が原則要介護3以上と厳しくなっていますが、特定施設入居者生活介護(※)の指定を受けたサ高住の基準は、自立〜要介護と幅広くなっています。

都市部を中心に特養の待機者が多いため、その受け皿として特定施設の指定を受けたサ高住へ入居する人もいます。サ高住は民間施設の中では比較的費用が安いこともあり、入居希望者が増加しています。

特養は要介護度の高い人が住み続けられる介護施設ですが、特定施設指定なしの多くのサ高住は要介護度が高くなったり認知症が進行したりする場合は、退去になる可能性がある点には注意が必要です。

特養は初期費用が不要ですが、サービス付き高齢者向け住宅は、敷金などの初期費用が必要なため、特養と比較すると費用は高くなります。

(※)「特定施設入居者生活介護」の指定を受けた施設(特定施設)とは「介護付き」施設のことで、24時間介護を受けて生活することができます。

特養と養護老人ホームの違い

特別養護老人ホーム 養護老人ホーム
運営 公的施設 公的施設
入居条件 ・65歳以上
・要介護3以上
・65歳以上
・自立している人
・環境・経済的に生活が困窮した人
介護サービス あり(施設スタッフ) なし
生活援助サービス 日常生活の全般、入浴、排泄 なし
初期費用 0円 0円
月額費用 6~20万円 0~14万円
入居条件 終身利用可 長期不可

特養(特別養護老人ホーム)と養護老人ホームは名前が似ていることから混同されがちなので、二つの違いについて見ていきます。

特養は身体介護や生活支援が提供される介護施設であるのに対し、養護老人ホームは環境・経済的に生活が困窮した高齢者の社会復帰を目的とした福祉施設である点が大きく異なります。

養護老人ホームは長期間の入居はできません。また、養護老人ホームでは在宅介護サービスの利用はできますが、介護施設ではないので、常に介護が必要な状態になれば退去となります。

特養は要介護度が高くなっても継続して住み続け、終身利用することも可能です。

特別養護老人ホームと養護老人ホームの違いについて詳しく知りたい方はこちら

まとめ

老人ホームにはさまざまな種類の施設があり、施設によって目的や対象者、サービスの内容が大きく異なることをご理解いただけたでしょうか。

老人ホームがどんなところなのかを一通り理解したうえで、自分はどの施設を選べばよいのかをなかなか絞り切れない方は、老人ホームの探し方・選び方|入居までに必要な6つのステップで、充実した老後をおくるための老人ホームの選び方をご紹介していますので、ぜひそちらもご覧ください。

この記事の制作者

岡本典子

監修者:岡本典子(ファイナンシャルプランナー/CFP、1級FP技能士)

FPリフレッシュ代表。
シニアライフを安心して暮らせる高齢者施設・住宅への住み替えコンサルに注力。
セミナー講師・講演、執筆、監修も行う。著書に『イザ!というとき困らないための 親の介護と自分の老後 ガイドブック』(ビジネス教育出版社)などがある。

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