介護者が病気になったらどうする?5つの対策や施設入居について解説

介護者も、いつまでも元気に介護ができるとは限りません。また、健康や体力の不安や仕事など、介護が難しいケースも多いでしょう。今回は介護者が病気になったときに利用できるサービスや施設を紹介するので、ぜひ参考にしてください。また、健康や体力の不安や仕事など、介護が難しいケースも多いでしょう。入居先としておすすめの施設も紹介します。

介護者が病気になったらどうする?5つの対策

・ショートステイを利用する

・医療型ショートステイを利用する

・お泊りデイサービスを利用する

・病院のレスパイト入院を利用する

・施設に入居する

介護者が病気になったときやケガをしたときは、家族介護を継続することが難しくなります。そのようなときは、介護関連のサービスを利用しましょう。おすすめの対策を5つ紹介します。

ショートステイを利用する

ショートステイ(短期入所生活介護)とは、最短1日から利用できる介護施設です。連続して最長30日間入所できるため、介護者の療養が長引きそうなときや、旅行や出張で介護できないときなどに検討できます。

ショートステイは要支援・要介護の認定を受けた65歳以上の高齢者と、特定疾病により要介護と判断された40~64歳の方を対象としたサービスです。ただし、介護保険が適用されない有料ショートステイなら、認定をお持ちでない方も利用できます。

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医療型ショートステイを利用する

医療型ショートステイ(短期入所療養介護)とは、看護や医療的なケアを受けられるショートステイのことです。例えば、インスリン注射や喀痰吸引が必要な方や認知症高齢者の入所先として検討できます。ショートステイと同じく連続利用期間は最大で30日で、こちらも在宅復帰を目指した支援という意味合いが強いです。

なお、医療型ショートステイには、専用の施設はありません。介護老人保健施設や介護療養型医療施設、療養病床のある医療機関などの空床を活用して、サービスが提供されます。

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お泊りデイサービスを利用する

お泊りデイサービスとは、通所介護施設で提供している宿泊サービスです。基本的には1人1部屋とし、相部屋になる場合も4人以下かつパーティションなどでプライバシーが守られます。

なお、デイサービスは介護保険が適用されますが、お泊りデイサービスに関しては保険適用外です。ただし、人員基準や設備基準などが厚生労働省のガイドラインで定められているため、事業者はこれらの運営基準に則って経営しています。

デイサービスを利用しながらそのままお泊まり支援ができるなど、臨機応変な対応ができることがメリットの一つです。

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病院のレスパイト入院を利用する

レスパイト入院とは、在宅介護を受けている方を対象にした短期入院です。病院の包括ケア病棟などが活用され、一時的な介護力の低下などを理由に最大で2週間まで入院できます。そのため、退院後は在宅復帰することになります。

なお、レスパイト入院は介護保険ではなく、医療保険が適用されます。

施設に入居する

要支援度・要介護度や医療サービスの必要性などに応じて、適切な施設を探して入居する方法もあります。

具体的には、グループホームやサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)、有料老人ホームなどが挙げられるでしょう。介護者の急な病気に備える意味でも、被介護者の施設入居は有効な方法です。

そもそも親の介護義務は誰にある?

民法では、経済上あるいは心身上の理由で自活が難しい親族に対して、直系親族と兄弟姉妹、配偶者は扶養義務を負うと定められています。つまり、介護が必要になった方の親や祖父母、子ども、孫、兄弟姉妹、配偶者は、いずれも扶養義務を負います。

なお、扶養義務とは、同居して介護をしたり、入居する施設を選んだり、生活にかかる費用を援助したりすることです。被扶養者が介護費用を支払えないときは、扶養義務のある子どもや配偶者などが可能な範囲で支払わなくてはいけません。

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介護者が病気になる前に対策する重要性

  • 出典:LIFULL 介護「介護施設入居に関する実態調査」

施設入居のきっかけに「家族や近親者の介護が難しくなった」と回答した人にその背景を聞いた調査では、「介護している者が疲弊した、体調を崩した」が74.0%と圧倒的に高いことが分かっています。実際に、家族や近親者によって介護をしている場合、介護者の疲弊や病気などで継続が難しくなることが少なくありません。

介護が必要になった方の子どもや配偶者は介護の義務を負いますが、介護者が常に健康な状態を維持できるとは限りません。また、介護者自身の生活もあるため、仕事や育児・家事との折り合いがつかないケースも想定されます。親の介護はいつまで続くか分からないため、介護者が倒れる前に施設入居について話し合っておきましょう。

入居先としておすすめの3つの施設

・グループホーム

・サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)

・有料老人ホーム

介護者が病気になったり疲弊したりする前に、介護が必要な方の入居施設を探しておくことが必要です。施設によっては入居待ちが必要なこともあるため、ケアマネジャーとも相談し、早めに探しておきましょう。

グループホーム

グループホームは、認知症高齢者を対象とした施設です。認知症介護のスキルを持つスタッフのサポートを受けて共同生活を営むスタイルで、入居者各自が家事を分担し、アットホームな生活を送ります。ただし、施設によっては医療的ケアに対応していないこともあるため、ケアを必要とする場合は事前に確認しておきましょう。

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サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)

サービス付き高齢者向け住宅とは、安否確認や生活相談に対応した賃貸住宅のことです。生活支援や介護、リハビリなどについては外部サービスを利用する「一般型」と、施設内で提供される「介護型」があります。

60歳以上の方や介護認定を受けた方を入居対象としていますが、施設によって自立していることや認知症でないことなどの条件が課されることもあるため確認が必要です。

関連記事サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)とは?費用や入居条件、他施設との違い

有料老人ホーム

有料老人ホームとは、食事・家事・健康管理・介護のいずれか1つ以上のサービスを提供する高齢者向けの入居型施設です。介護や生活支援などを提供する「介護型(介護付き)」、生活支援や食事などを提供する「住宅型」、家事や食事のサポートを提供する「健康型」に分かれます。要介護認定を受けている方は「介護型」と「住宅型」を検討できますが、「住宅型」を選択する場合は、別途、介護サービス事業所との契約が必要です。

有料老人ホームの種類とサービス

関連記事有料老人ホームとは?種類や定義、料金、人員基準など詳しく解説

まとめ

介護者が病気になったときや疲弊したときに備えるためにも、ケアマネジャーと相談し、利用できるサービスを確認しておきましょう。ショートステイやお泊りデイサービスのように短期間のみ宿泊できるサービスもありますが、いずれも事前予約が求められるため、急な病気には対応できない可能性がある点に注意してください。

介護の負担が大きくなる前に、施設への入居も検討してみることが大切です。家族や親族、ケアマネジャーとも話し合い、ご本人の状況に合った施設を探してみましょう。

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この記事の制作者

高畑 俊介

監修者:高畑 俊介(介護支援専門員/介護福祉士)

施設職員、通所介護事業所の生活相談員、居宅介護支援事業所の管理者などを経験。業界14年目の現役のケアマネジャー。業務のかたわら、フリーコンサルとしても開業。介護事業所向けのコンサルティング、Webサイト制作や広告デザイン(ブランディング)などの依頼も受注開始。SNSでは「幸せに働く介護職を増やしたい」をモットーに、業界を明るくする発信を続けている。

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