【専門家が解説】いつもの買い物がラクになる!自宅でかんたん介護予防体操
歳を重ねると、膝が痛くなったり体力の低下により、外出するのがつらくなってきます。
だからといって、ずっと家にいると、体の体力や筋力までますます低下してしまいます。このような状態を防ぐためには、日頃から運動や体操を心掛け、身体機能が低下させないことが大切です。
この記事では、加齢により買い物などの外出が難しくなる原因と、その予防方法として自宅で簡単にできる介護予防体操について紹介します。
- 【目次】
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買い物に行くのがつらくなる3つの理由
身体機能の中でも、筋力・バランス能力・持久力という3つの身体能力が低下すると、歩いたり、物を持つ力がなくなり外出するのも一苦労です。この3つの身体能力の低下により何が起こるのか、以下より順に解説していきます。
1.筋力が低下している
筋力とは、その名の通り、歩くために必要な足の力、姿勢を保つために必要な力、物を持つために必要な力などのことです。高齢期に入ると膝や腰に痛みが生じる方も多く、日常の活動量が低下してきます。
しかし、身体を動かさないでいると、足腰の筋力がさらに低下し、体を支えることができなくなってきます。その結果、外出に必要な「歩く、段差をまたぐ、階段を上がる、物を持つ」といった一連の動作も難しくなります。
2.バランス能力の低下
バランス能力とは、止まった姿勢、または、動いている不安定な姿勢でも、体の姿勢を保つ能力のことです。
バランス能力が低下する原因は、平衡感覚・運動機能(筋力、関節の柔軟性、姿勢など)・感覚機能(皮膚の感覚、関節をどの程度曲げたかを感知する感覚、視覚など)が関係しています。
これらの機能が低下することによって、歩く時・立ち上がる時などにふらふらしてしまうことも。これにより、転倒・骨折のリスクが高まります。
3.持久力の低下
持久力を簡単に分けると、「筋持久力」と「全身持久力」に分けられます。
筋持久力は、筋肉を長時間働かせる能力のことです。全身持久力とは、肺と心臓によって酸素を全身に運ぶ能力のことを指します。これらの持久力が低下することによって、買い物などの日常生活を行うだけで、息切れをおこすことがあります。
日ごろから歩く習慣や、運動する習慣が少ない方は、当然持久力も低下してきます。
安全に外出するためには、筋力・バランス能力・持久力が必要
ここまで3つの能力の重要性について解説しました。ここからは、これらの能力を上げるためにはどうすべきかを解説していきます。
- 筋力をつける方法
- 筋力は使わないと確実に低下してきます。
- そのため、継続して体操や散歩を行い、自分の身体の筋力を使ってあげることが最大のトレーニングです。
- バランス能力を上げる方法
- バランス能力を上げるためには、先ほど紹介した、平衡感覚・運動能力(筋力、関節の柔軟性、姿勢など)・感覚機能(皮膚の感覚、関節をどの程度曲げたかを感知する感覚、視覚など)を鍛える必要があります。
- バランス能力を鍛える方法は、自分の身体を不安定な状態にし、その不安定な状態で体を真っ直ぐの状態に保つ練習をすることです。
- 理学療法士とのリハビリの場面では、バランスボールなどの不安定なものの上に座ってトレーニングすることも多いのですが、高齢の方が一人でこの方法を試すと大変危険です。
- そのため、この後に紹介するバランス能力を上げる体操を参考にして下さい。
- 持久力をつける方法
- 前述の通り、持久力には「筋持久力」と、「全身持久力」の二つに分けられます。
- 筋持久力をつけるには、足踏み体操などの小さい負荷で長い時間筋肉を動かすことが効果的。一方、全身持久力をつけるには、インターバルトレーニングと言って、激しい運動と軽い運動を繰り返す運動が効果的です。
- この、2種類のトレーニングを簡単にした体操を後ほど紹介します。ぜひ参考にして下さい。
座ったままできる介護予防体操で筋力アップ
ここからは、自宅で座ったまま簡単にできる腕の筋力、バランス能力、持久力を鍛える体操を紹介します。
買い物をするためには、下肢筋力を鍛え、歩く能力を高めることも重要ですが、歩行の体操は別の記事に紹介していますので、
詳しくはこちらをご参照ください。
介護予防体操を行い、買い物に行ける体作りをしましょう
買い物などの外出がつらくなってきた方は、少しだけ自分の生活を振り返ってみましょう。
そして、最近体を動かす機会が減っていると感じた方は、座ったまま筋力を上げる体操、バランス能力を上げる体操、持久力を上げる体操を行ってみて下さい。
これらの能力を鍛えると、歩く能力・持久力が上がり、ふらつきや転倒を防ぐことにも繋がります。
無理はせず、できる範囲の体操を続けて、いつまでも元気に買い物に行ける体作りを目指していきましょう。
この記事の制作者
著者:篠崎 美樹(理学療法士)
病院で回復期のリハビリを14年経験。現在は子育てをしながら、非常勤で高齢者のリハビリにあたっている。