エンディングノートを見直すべき4つの理由

エンディングノートを書いてそのままにしてませんか?あまり知られてはいませんが、エンディングノートは書いた後も定期的な見直しが必要となりす。なぜなら、時間とともに家族構成やお金の状況も変化していくからです。書いたときと同じ生活状況を送っている人はいません。

今回は、見直すべきタイミングやその内容。また、家族への伝え方と保管方法についてわかりやすく解説します。
 

家族もお金も変化する!見直しは最低年1回

家族構成はずっと同じではありません。配偶者との死別や離別。実家で暮らす親の介護のため、親の実家と自宅の2拠点生活のスタート。子どもの独立を機に家族構成が夫婦二人となったなど、家族構成は常に変化します。ペットを迎え入れることや死別することも家族構成の大きな変化と言えますね。
 
それ以外にも常に変わっていくのは懐(ふところ)具合です。その要因の1つに病気やけが、介護などがあります。健康なときは意識していない医療費や介護費用ですが、定期的な通院が必要になれば、医療費だけでなく交通費もかさみ大きな出費になることもあります。

見直しの頻度は最低年1回

年に1回は内容を見直すようにしましょう。ご自身の誕生日やお正月など、分かりやすい日にちを決めておくのもおすすめです。生活状況に変化がでたときは、その都度見直しをすることで気持ちを整理することができます。

見直しに最適な3つのタイミング

1.自分や家族に療養や介護が必要になったとき

ご自身が病気になったとき、ご家族に要介護者がでたときです。施設での介護や病院での療養を希望していても、実際にそうなってみると気持ちと希望にズレが生じることもあります。医療や介護は始まったときが現実です。見直しをして、いまの状態に即した内容にエンディングノートも書き直しましょう。

2.資産価値のあるものを相続したとき

相続すると資産に増減が発生します。現金や金融商品だけでなく、不動産や動産(車、宝石、貴金属、着物、会員権)など資産価値のあるものを相続したときは、エンディングノートの見直しが必要です。借金を相続したときも、ご自身の資産が減少するので忘れずにエンディングノート書き直します。

3.気持ちが変化したとき

自分の気持ちが変化したときも見直すべきタイミングです。厚労省から発表された「新しい生活様式」が取り入れられました。「感染拡大防止」と「社会経済活動の維持」との両立を図る社会へと進んでいます。

社会が変化していくときはご自身の考え方や死生観も少なからず影響を受けるかもしれません。人の流れが規制されたことで、葬儀に対する考え方に変化が現れ始めています。「遠方の親戚を葬儀には呼べない」といったように。何かしら気持ちが変化したときは最適な見直しタイミングかもしれません。

見直すべき4大項目

1冊のノートでこれらの情報を網羅できれば、残された家族の負担は軽減します。そのため、見直しをしてご自身の情報を最新のものにアップデートしておく必要があります。

1. 医療・介護について見直すとき

● 医療・介護の判断をお願いしたい人が変わった

● 判断能力が衰えたときに財産管理をお願いしたい人が変わった

● 医療・介護費用に充てられる資産額が減少した

● 病気になり定期的に通院や服薬が始まった

2. 財産・資産について見直すとき

● 預貯金口座を解約した

● 株式・債権・投資信託などを現金化した

● 不動産を相続した

● 退職金が入った

● 借金(完済)または新たなローンを組んだ

● ライフライン口座を変更した

財産・資産項目のなかでも不動産を相続した場合は、所有し続けるために手続きや管理費用が必要となります。共有で不動産を相続したときは「だれと共有なのか、持ち分割合は」という情報も書いておきます。

被相続人(亡くなられた方)が賃貸物件のオーナーだった場合は管理会社も忘れずに記入します。なぜなら、賃貸物件には入居者がおり、その方々の生活に支障がないように、物件の管理もしていかなければならないからです。

こういった情報を常に最新のものに見直しエンディングノートに書いてあることで、あなたに万が一のことが合ったときに、相続人となる方が相続財産の調査をする際に所有している財産をスムーズに見つけることができます。

【Point!】相続財産調査とは

相続が発生したときに、どんな遺産(相続財産)があるのか、遺産の手続きを行なう前に調査をします。相続財産には大きく分けて「不動産、預貯金、金融商品(投資信託、株式など)」などがあります。

所有している共有不動産
所在地 共有名義人の有無及び持ち分 管理方法
1
2
3

不動産を相続したときは下記のことを確認しておきます。

家・土地に関係すること
現状と予定 必要な手続き
●相続登記がされていない
●建物登記がされていない
●相続財産が未分割
相続登記
●家族に相続させる(贈与する) 遺言書の作成
隣地境界等
(境界標の有無、境界上の塀やフェンスの所有者)
土地家屋調査士への依頼
死後住まいの遺産分割、事務手続きについて 信託契約、死後事務委任契約の締結
不動産を売却する予定がある 登記簿確認、隣地境界の確認
立て替えの制約がある(再建築不可物件)
接道状況の有無(道幅)
立て替えの場合はセットバック、
接道していない場合は隣地購入
専用道路の権利(私道の権利)
道路の維持管理
所有者の承諾

3.お墓・納骨について見直すとき

● お墓・納骨堂の契約・購入をした

● 代々墓(実家のお墓)を承継した

● 改葬や墓じまいをした

● お墓や納骨に対する考え方が変化した

4.家族へのメッセージを見直すとき

● 気持ちが変化したとき

● 伝えおきたいことが変わったとき

● 謝りたいことができたとき

● お世話になった方への感謝をつたえたいとき

書いた後は家族に伝え安全な場所へ保管する

エンディングノートは書くことが目的ではありません。書いてからがはじまりです。

1. エンディングノートの存在を家族に伝える

家族にはエンディングノートの存在を伝えておきましょう。伝えておかなければ書いていないのと同じです。話しにくい場合は、自分の最後を託したいという人にだけ伝えておけば足りるでしょう。

重要なことを、直接エンディングノートに書いてある場合は、取り扱いにも注意が必要です。また、家族へのメッセージは自分の死後に開封してもらいたいときは手紙にして封をしておきエンディングノートの中に入れておく方法もあります。

2. 安全な場所へ保管する

内容の重要性からすると鍵のかかる場所に保管することが望ましいと思います。金庫に保管する人もいますが、解除する際の番号を伝える等といったことでまた1つ手間がふえるのでケースバイケースですね。

【Point!】エンディングノートの保管場所は?

  • 鍵のかかる場所
  • 食卓のテーブル等いつでも手に取れるところ
  • 冷蔵庫
  • 防災リュック
  • 貴重品入れ
  • 床下収納

エンディングノートは未来を輝かせるツール

「エンディングノートは誰のために書くのでしょう?」

筆者はエンディングノートの書き方セミナーを開催しており、受講生に必ず投げかけるのがこの質問です。

受講生からの回答はさまざま。残された家族のため、遠方に住む娘のため、家事か全くできない夫のため、フリーターの息子のためなど多岐に渡ります。

「エンディングノート=終活」というやや後ろ向きなイメージがあるかもしれません。

しかし私は「未来ノート」に転換し、"自分の未来を輝かせるツール"として使ってほしいという想いがあります。

そして、受講後早々にノートを書き上げる人は次の行動へ進むのも早いのです。

疎遠だった家族と久しぶりに話した。

避けていたお墓や葬儀のことを調べてみた。

資産確認を始めた、などがあります。

ノートは持っているだけでは意味がありません。まずは書いてみることが重要です。

この先、後悔の少ない人生を送るためにも、是非エンディングノートというツールを有効活用しましょう。

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この記事の制作者

馬渡 初代

著者:馬渡 初代(1級ファイナンシャルプランニング技能士・AFP)

ファイナンシャルプランナーとして、一人暮しの高齢者の方の傾聴ボランティアと見守り活動をしています。人生100年時代。自分らしい老後を過ごすための終活セミナーやエンディングノート書き方ワークショップを実践中。
「独居老人を一人にさせない」をモットーに社協の方と連携で地域福祉を推進しています。

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