高齢期の糖尿病4つの特徴!予防は日頃の生活習慣にあり

糖尿病は様々な合併症を引き起こす怖い病気ですが、生活習慣の見直しで予防することもできます。ここでは、はじめての方でも分かりやすい糖尿病の基礎知識と、年を重ねるほど糖尿病患者さんが増える理由について解説します。また実際に血糖値が高いと言われた場合の、糖尿病にならないための予防法も紹介していきます。ぜひ参考にしてみてください。

糖尿病ってどんな病気?まずはおさらい

糖尿病とは膵臓からのインスリンの分泌が減ったり、インスリンは分泌されているものの効きにくくなることで糖が正常に細胞に取り込めなくなる病気です。

糖が細胞の中に取り込めなくなると、高血糖が続き、血管を傷つけはじめます。それにより体のさまざまな部分で合併症が起き始めます。

また糖尿病は一度かかると一生つきあわなければいけないと言われており、完治することが難しい病気としても知られています。

糖尿病には1型糖尿病や2型糖尿病などの種類があります。糖尿病患者の5%前後を占める1型糖尿病は、小児~思春期の発症が多くインスリンの分泌が低い人です。

一方、2型糖尿病は全体の90%を占め、中高年に多いという特徴があり、原因は生活習慣によるものです。自覚症状がないまま進行することが多く、気づいたときには重症化しています。
 

加齢とともにインスリンの分泌が減っていく

老化により運動機能や心臓の機能、呼吸の機能が低下するのと同じで、膵臓の機能も低下します。これにより分泌されるインスリンも減少し、血糖値が下がりにくい状態となり糖尿病を引き起こします。

また通常は血液中の糖分は運動することで筋肉に取り込まれていきますが、高齢になることで運動量も筋肉量も減るため、血糖値が下がりにくい状態になります。それに加え、インスリンの働きの邪魔をする内臓脂肪が増えているため血糖値を下げるインスリンの効果が得られにくくなることも一因です。
 

高齢者糖尿病の特徴

糖尿病の特徴として、多くの人がはじめは無症状のため自覚がなく、気づかないうちに悪化しているというパターンが多く見られます。

高齢者の場合は頻尿や体重減少などの糖尿病の症状が出ても、体の老化のせいだと思いこんでしまい糖尿病を疑うことはほとんどありません。そのため若い人以上に血糖値に敏感になる必要があります。

高齢者は体調を崩して病院へ運ばれ、検査をして初めて血糖値の異常に気付くという人が若い世代よりも増えてきます。


 

糖尿病と診断された高齢者に表れる4つの特徴

糖尿病と診断されて治療を始めると、高齢者特有の症状が表れることがあります。それが以下の4つです。

①自律神経の機能低下で低血糖の症状が出にくい

糖尿病を診断され、薬物治療を始めた人に見られることがあるのが低血糖。これは高齢になり腎機能や肝機能が低下することにより、血糖値を下げる薬が効きやすくなることで低血糖が続いてしまう状態です。自律神経機能が低下していると、低血糖状態が続いていることにも気づかず、脳が正常に働かなくなることもあります。

②ほかの病気を持っていることも多く、薬が管理しにくい

高齢者は何かしらの疾患を抱えてる人が多く見られます。糖尿病の治療薬のほかにも、高血圧や高コレステロールなどですでにほかの薬をのんでいることが多いため、毎日、大量の薬をのむことに。特に糖尿病の薬は食前、食後など、のむ時間が決められていることが多いので高齢者にとって薬を管理することが難しい状況です。

③認知機能の低下により自己管理が難しく悪化する

糖尿病は食事、運動、薬をしっかり管理することで血糖値が安定します。しかし、高齢者の場合、認知機能が低下している人も多く、決められた食事や運動、薬をのむことができないこともあり、症状が悪化しやすくなります。

④肝臓、腎臓の機能の低下で症状が悪化する

高齢者は肝臓、腎臓の機能が低下しているため、血糖を下げるための薬をのむと効きすぎて低血糖になる可能性が高いといわれています。

悪化するとコワい合併症に

血糖値が高い状態が続くと、血管が傷つきさまざまな合併症が現れます。

細い血管が傷つく障害を細小血管障害といい、太い血管が傷つく障害を大血管障害といいます。他にも起こりうる合併症について以下で紹介します。

細小血管障害

血管が細ければ細いほど障害を受けやすくなります。特に末梢の神経、腎臓、眼の網膜に合併症が出やすくなります。

糖尿病性神経障害
おもに両手足の末梢神経が障害されます。これにより、感覚が鈍くなりつねに何かに触れているような感覚が続いたり、熱い冷たいが感じにくくなる症状が現れます。
糖尿病腎症
腎臓には血液から尿をつくるためのろ過装置となる糸球体という毛細血管のかたまりが約100万個あるといわれています。高血糖が続くと、この毛細血管が障害され、ろ過機能が低下。それにより体内に老廃物や水がたまりむくみやすくなります。
糖尿病性網膜症
眼球の真裏に位置し、外の光を受け止め脳に情報を伝達する網膜。ここには網膜細小血管という極めて細い血管が走っています。高血糖が続くとこれらの血管が詰まったりするために新しい血管が作られますが、不完全な血管のため破れて出血し、網膜が剥離し、視力が低下してきます。

大血管障害

高血糖が続くと動脈硬化が進み、脳梗塞や心筋梗塞などの原因となります。

高齢者の糖尿病を予防するには?

高齢者の糖尿病は気づきにくいことが多いため、定期的な健康診断をうけ、血糖値をチェックすることが大切です。自宅では体重、血圧を測ることを習慣化させ、適切な値に保つことを心がけましょう。

高齢者は若い世代とは違い、認知機能の低下、身体機能の低下、ほかの疾患を併発しやすいなどの理由から高齢者独自の血糖コントロール目標が設定されています。

食事で予防

  • 1回の食事の分量を決め、食べすぎを防ぎましょう。
  • 長年親しんでいる味や食習慣を変えるのは難しいのですでに塩分やカロリー計算されている宅配食などに切り替えましょう。
  • もったいないから食べるという習慣をやめましょう。
  • 「食が細くなった」と感じている人は適切なカロリーをとるようにしましょう。

運動で予防

  • 筋肉が減らないように毎日、無理のない範囲で運動しましょう。歩くだけでもいいので1日30分程度、外に出て近所を散歩しましょう。

まとめ

高齢になるほどかかりやすく、自覚症状がわかりにくくなるといわれる糖尿病。定期検診は必ずうけ血糖値をチェックするようにしましょう。

高血糖と言われなくても、1日30分程度の散歩を生活にとりいれたり、食事を食べすぎないようにするなど生活習慣を整える心がけが大切です。

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イラスト:坂田優子

この記事の制作者

橋本 優子

著者:橋本 優子(看護師編集者)

大学卒業後、出版社にてビジネス誌の編集に携わる、その後、出産をきっかけに看護師資格を取得。病院勤務後、「看護」「医療」の知識を活かした情報発信をするため、現在は健康に関する記事の企画、取材、執筆、編集までを行う。

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監修者:原田 剛史(かがやき内科・糖尿病クリニック院長)

日本糖尿病学会糖尿病専門医
日本内分泌学会内分泌代謝科専門医・指導医
日本内科学会総合内科専門医・内科認定医
日本消化器病学会消化器病専門医

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