医薬品副作用被害救済制度の特徴と申請方法

「医薬品副作用被害救済制度」とは、薬を正しく使ったにもかかわらず起きてしまった副作用で健康被害を受けたときに、その治療費などの給付を受けられる制度です。

処方薬と市販薬どちらにも副作用は起こる可能性があります。

ここでは、制度のしくみや、対象となる副作用、請求のしかたと注意点、給付が受けられるかどうかのチェック方法などを紹介します。薬の副作用を怖がらずに、安心して治療に向き合うためにもお役立てください。
 

医薬品副作用被害救済制度の給付は7種類ある

薬の副作用により入院が必要なときや死亡した場合など、給付には7種類あります。2014~2018年度に請求されたうち82%に支給が決定されました。しかし、この制度の認知率は29.7%にとどまっており(2018年)、世間ではあまり知られていないのが実情です。

給付の種類
入院治療を必要とするくらいの健康被害で医療を受けたとき ①医療費 副作用による病気の治療費
②医療手当 治療に伴う医療費以外(入院時の食事代など)の負担
日常生活が著しく制限されるくらいの障害があるとき ③障害年金 副作用により障害の状態にある人(18歳以上)の生活補償
④障害児養育年金 副作用により障害の状態にある人(18歳未満)の生活補償
死亡したとき ⑤遺族年金 生計を維持する人が副作用により死亡したとき遺族の生活の立て直しが目的
⑥遺族一時金 生計を維持する人以外の人が副作用により死亡したとき遺族に対して見舞いが目的
⑦葬祭料 副作用により死亡した人の葬祭を行う出費

どんな人に重い副作用が起こりやすいのかは想像できません。医薬品を使うすべての人が、起こる可能性はゼロでないと思うことが大切です。

期限内に請求しないと無効に

上記表の③障害年金、④障害児養育年金をのぞく5種類には請求できる期限が設けられているので、これを超えてしまうと請求は認められません

医療費・医療手当の請求期限
入院治療が必要な健康被害で医療を受けたときに請求するものが「医療費」と「医療手当」。この期限は、支給の対象となる費用を支払ったときから5年以内です。
ただし、健康保険や生命保険などからの給付額は差し引いた、あくまでも自己負担した実費分について給付されます。
遺族年金・遺族一時金・葬祭料の請求期限
死亡したときに請求するものが「遺族年金」「遺族一時金」「葬祭料」。この期限は死亡時から5年以内に遺族が請求します
ただし、死亡する以前に「医療費」「医療手当」「障害年金」「障害児養育年金」の支給が決定していた場合は、死亡時から2年以内となるので注意しましょう。

  

制度対象となる薬の副作用

これまでに支給が決定されたもののうち、副作用を起こした身体の部位は、スティーブンス・ジョンソン症候群(皮膚眼粘膜症候群)などの皮膚や皮下組織への障害がもっとも多く、次いで、神経系への障害、肝臓・胆道系への障害の順です。

薬の種類は、てんかん治療薬や解熱鎮痛剤などの中枢神経系の薬がもっとも多く、次いで、抗生物質製剤、ホルモン剤の順です。

医薬品は処方薬も市販薬も一部をのぞきほとんどが対象ですが、カラーコンタクトなどの医療機器は対象になりません。また、再生医療等製品(医薬品等)は2014年11月から請求の対象になりました。
 

請求方法|本人や家族が書類を提出しPMDAに請求する

健康被害を受けた本人またはその遺族が直接、PMDA(独立行政法人 医薬品医療機器総合機構)に請求します。この請求自体に費用はかかりません。

請求に必要な書類は「医師の診断書」や「投薬・使用証明書」、「受診証明書」などがあります

こうした書類をもれなく揃える必要があるので、専門知識がない人にとって難しく感じるかもしれません。そんなときには調剤薬局の薬剤師に相談してみましょう。

ある調査では、請求手続きに関わったことのある医療従事者のうち、薬剤師が10.8%でもっとも多かったといいます。

また、請求に関する情報や請求用紙は、PMDAに問い合わせてみましょう。電話やインターネットから簡単に手に入れることができます。

 

PMDA(独立行政法人 医薬品医療機器総合機構)

  • 「救済制度相談窓口」0120-149-931
  • https://www.pmda.go.jp/kenkouhigai_camp/index.html

 

給付対象か見分ける4つのチェックポイント

給付が受けられると思って請求したのに不支給(対象外)となる場合があります。実際に、請求したうち18%は不支給だったというデータもあるのです。その理由とは何でしょうか。

支給対象となるか、次の4つをチェックしてみましょう。

①原因はその医薬品だと確信が得られるか

副作用の原因と思っていた薬のほかに、サプリメントや健康食品などをとっていたり、薬を飲んだ時期と副作用の時期がずれていたりすると、本当にその薬が原因で起こった副作用なのか判定しにくいことがあります。

また、持病の悪化によって起こった二次的な病気なら副作用とは言えませんし、提出した書類に不備やあいまいな点があると「判定不能」とされることがあります。

そこで、普段から気をつけることは、初めての薬を飲むときは、サプリメントや健康食品などを同時に飲まないないことです。ま

た、副作用は出始めたらすぐに受診するのが基本ですが、どうしても受診が難しいときには症状を記録したり、その様子を画像などにおさめ、さらに悪化したときはすぐに受診して医師にその経過を見てもらいましょう。

②副作用は重症か

入院を必要としない軽い副作用や、決められた障害の等級にあたらないときは給付の対象になりません。

③使用目的や使用方法が正しかったか

不支給のおよそ6人に1人は、使用目的や使用方法が誤っていたことが理由です。

これはひとつの例ですが、ある調査では「残った痛み止めの湿布の使い道」について調査したところ、約50%が「家族が必要になったときにあげる」、約40%が「別の症状で貼りたいときに使う」と答えたそうです。

このように、使用した薬が患者本人のものでなかったり、ちがう目的による原因で生じた副作用は対象外となります。

ほかにも、定められた検査がなされていなかったり、徐々に用量を増やす必要のある薬なのに調節がなされていなかったりする場合も支給対象にはなりません。

そこで、普段から気をつけられることは、かぜ薬や睡眠導入剤など、薬の効く時間が一時的なものであっても、人からもらったりあげたりしないことです。

不支給のおよそ6人に1人は、使用目的や使用方法が誤っていたことが理由です。
これはひとつの例ですが、ある調査では「残った痛み止めの湿布の使い道」について調査したところ、約50%が「家族が必要になったときにあげる」、約40%が「別の症状で貼りたいときに使う」と答えたそうです。このように、使用した薬が患者本人のものでなかったり、ちがう目的による原因で生じた副作用は対象外となります。
ほかにも、定められた検査がなされていなかったり、徐々に用量を増やす必要のある薬なのに調節がなされていなかったりする場合も支給対象にはなりません。

そこで、普段から気をつけられることは、かぜ薬や睡眠導入剤など、薬の効く時間が一時的なものであっても、人からもらったりあげたりしないことです。
 

不支給のおよそ6人に1人は、使用目的や使用方法が誤っていたことが理由です。

これはひとつの例ですが、ある調査では「残った痛み止めの湿布の使い道」について調査したところ、約50%が「家族が必要になったときにあげる」、約40%が「別の症状で貼りたいときに使う」と答えたそうです。このように、使用した薬が患者本人のものでなかったり、ちがう目的による原因で生じた副作用は対象外となります。

ほかにも、定められた検査がなされていなかったり、徐々に用量を増やす必要のある薬なのに調節がなされていなかったりする場合も支給対象にはなりません。

そこで、普段から気をつけられることは、かぜ薬や睡眠導入剤など、薬の効く時間が一時的なものであっても、人からもらったりあげたりしないことです。

④対象外の医薬品ではないか

対象になっていない医薬品は次のとおりです。

対象外の医薬品

  • 抗がん剤や免疫抑制剤
  • 動物用医薬品
  • 医薬品をつくる過程だけに使われる特別な医薬品(製造専用)
  • 体外診断用医薬品(身体に直接ふれずに検査につかうもの)
  • 法定予防接種(請求先が別になるため)

薬を飲むことを過度に恐れる必要はありません。しかし、副作用で健康被害という万が一のときために、この制度について知っておくとよいでしょう。

自分だけでなく、副作用で悩んでいる人がいたらぜひ伝えてあげてください。

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イラスト:安里 南美
 

この記事の制作者

曽川 雅子

著者:曽川 雅子((株)リテラブースト代表取締役、薬剤師)

東北薬科大学(現・東北医科薬科大学)を卒業後、薬剤師として調剤薬局に勤務。2017年にセルフメディケーションサービスを展開する「株式会社リテラブースト」を設立。
処方せん薬に偏ることなく、予防医療やヘルスリテラシーの在り方、そのサポーターと連携の意識を分かち合うため、薬局だけでなく、健康経営を掲げる民間企業へのセミナーも積極的に行っている。

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