足がむくむ原因と自宅でできるリハビリ体操

むくみは放置しておくと重篤な症状につながるということをご存知でしょうか?

身近な症状で日常的に見られるため、大丈夫と思う方もいらっしゃるかもしれません。

むくみの原因や、その対処法について解説します。

膝から下が特にむくみやすい

むくみとは、皮膚の下の組織に余分な水分が溜まった状態のことを言います。

特徴としては指先で押すとブヨブヨとしていて、押した部分に凹みがつくと「むくみ」と判断されます。原因は水分で重力の影響を受けるため、立っている状態であれば下肢、特に膝から下にたまりやすくなります。また、横になった状態では背中にたまりやすい点が特徴です。

むくみの3つの原因

①病気によるもの

心臓や静脈、リンパ管や腎臓・肝臓など、血流に関わる臓器の病気が原因のものが考えられます。具体的には心タンポナーデやうっ血性心不全、糖尿病、肝硬変などの病気があげられます。

これらの病気は両足のむくみが特徴ですが、病気によっては片足にむくみが出る病気もあります。深部静脈血栓症やリンパ浮腫がこれらにあたります。

いずれの病気にしても、詳しく検査しなければわからないものばかりです。自己判断はやめて、まずは病院に受診しましょう。

②薬によるもの

降圧剤や向精神薬、一部の漢方薬には副作用としてむくみが出るものがあります。そのため、「薬を飲み始めてからむくんだ」という方は、処方された病院に必ず相談しましょう。

③その他に考えられる原因

長時間立ちっぱなしや歩きっぱなしで、足がむくんだ経験を持つ方も多いと思います。

これは筋肉の疲労に伴うむくみで、他にも睡眠不足などの自律神経の乱れ、暴飲暴食や飲酒、ストレスなどといったものもむくみの原因となります。

この場合は病気とは関係なく、血流が悪くなることでのむくみです。正常な場合、血流は片足のみが悪くなるということはあまりないので、病気が原因でないむくみも両足に出ます。

むくみの治療

上述した通り、むくみは皮膚の下の組織に溜まった水分が原因です。しかし、それを対処する方法がそれぞれ違います。

①病気が原因のもの

病気が原因のものであれば、その病気を治療していくことがいちばんの治療方法になります。

血流を良くするお薬や、詰まった血管を広げる治療など、その病気にあわせた治療をしていく必要がありますので、医師の指示を仰いでください。

②薬が原因のもの

この場合、薬を止めればむくみが治る可能性が高いです。

もし、薬の内容を変更できそうであれば、医師に相談しましょう。そうでない場合には、足の筋肉をしっかりと動かしたりほぐしたりすることで、血流を促してください。

③その他の原因のとき

まずは生活習慣を整え、ストレスや過度の飲酒・暴飲暴食を控えることが大切になります。生活習慣を変えることで、血流をコントロールする自律神経が整い、むくみの改善につながる可能性があります。

また、立ちっぱなしによるむくみは、足の筋肉を動かしたりほぐしたりして、足全体の血流をよくすることがむくみの治療になります。

今日からできるむくみの予防方法

むくみを予防する方法は、皮膚の下の組織に水分がたまらないようにすることです。

例えば弾性ストッキングと呼ばれる、ふくらはぎをギュッと締めつけるストッキングや、同じような特徴のある靴下を履くという方法が最も簡単な予防方法です。

また、血流を促してあげることも大切です。筋肉は動かすことでゴムのように伸びたり縮んだりします。その伸び縮みがポンプのように作用して血流を良くしてくれるので、筋肉を動かすような体操も良い予防になります。

その他、同じ姿勢を取り続けないことも重要です。立ちっぱなしや寝たきりでは、重力の影響で下へ下へと水分が移動し、むくみにつながるので、ときどき姿勢を変えるように意識しましょう。

以上が簡単にできる予防方法ですが、もし急激な息切れや動悸、しびれなどの症状を伴うむくみの場合は何かしらの病気の可能性があります。その時には無理をせず、病院に受診してください。

むくみが与える日常生活での悪影響

むくみは見た目が変化するだけではありません。実は、さまざまな影響が日常生活で生じます。

足首の動きが悪くなり歩きにくくなる

大きなむくみは、それだけ水分が溜まってしまっているので、水分が足首の動きを邪魔して足首の動きが悪くなります。

足首はバランスを取る上で重要な関節なので、動きが悪くなることで転倒のリスクが高くなります。高齢者にとっては重要な問題です。

菌が侵入すると悪化する

むくんでいる状態ではリンパ液の流れも悪くなっています。リンパ液は侵入してきた菌を排除する役割がありますが、この流れが悪いと役割を果たせません。万が一むくんだ足が傷ついた場合、菌が侵入するとその菌を排除することができず、炎症が大きくなってしまう可能性があります。

体の冷えにつながりやすい

血行が悪くなるとむくみにつながります。結果、冷え性など体内の冷えにもつながり、体全体の動きを悪化させてしまう可能性があります。

【動画でわかる】自宅でできる!むくみ予防体操

むくみを自宅で対処するためには、マッサージやリハビリ体操をすることが大切です。

特に太ももやふくらはぎといった大きく、血流に関わる筋肉を動かすことや、むくんでいる部分の筋肉を動かして血流を良くすることが重要です。そのための体操を紹介します。

アキレス腱マッサージ

  • ① 椅子に座って、アキレス腱を親指と人差し指ではさみます。
    ② そのまま10秒ほどもみほぐしましょう。
    ③ 左右10秒×2セット行います。

膝裏のマッサージ

  • ① 椅子に座って、両手で膝を挟むようにして持ちます。
    ② 両手の人差し指から小指全体を使って、10秒ほどマッサージします。
    ③ 左右10秒×2セット行います。

足のつけ根のマッサージ

  • ① 椅子に座って、両手の親指を足(太もも)のつけ根に当てます。
    ② 指圧の要領で、両親指で足をほぐしていきます。
    ③ 左右10秒×2セット行います。

足の外側のマッサージ

  • ① 椅子に座って、両手のひらを外くるぶしに当てます。
    ② そのまま手のひらを足の外側を膝に向かってさすります。
    ③ 左右10秒×2セット行います。

足から腰のマッサージ

  • ① 椅子に座って、両手のひらを太ももの外側に当てます。
    ② 膝から足のつけ根に向かってさすっていきます。
    ③ 左右10秒×2セット行います。

以上のマッサージのコツは、気持ちが良い範囲でやることです。痛ければ良いというものではないので、気持ち良いと思う範囲で行いましょう。

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  • 決して無理はせずに、継続できる範囲内で実施してみてください。もしも痛みなどが生じた際は体操を止め、医師の診断を受けましょう。

かかと上げ

  • ① 膝が90度になるように椅子に座ります。
    ② そのまま両足のかかとをしっかりと持ち上げます。
    ③ 5回×2セット行います。

足首の運動

  • ① 両手で椅子を持ち、片方の膝を伸ばします。
    ② 伸ばした側の足首を手前に4秒曲げて、その後つま先を4秒伸ばします。
    ③ 手前に曲げる4秒とつま先を伸ばす4秒を両方×2セット行います。

足を弾ませる運動

  • ① 足首を動かしやすいように椅子に座ります。
    ② ジャンプをするように、リズミカルに両足を弾ませます。
    ③ 10秒×2セット行います。

足の指の運動

  • ① 靴を脱いで椅子に座ります。
    ② 足の指に力を入れて、指を曲げるグーと指を伸ばすパーを繰り返します。
    ③ 5回ずつ×2セット行います。

運動のコツとしては、ゆっくり大きな範囲を動かすことです。

狭い範囲で早く動かしても、筋肉のポンプ作用が小さくなるので、血流の改善につながりにくくなります。

目的は筋肉を鍛えることでなく、血流を良くすることなので、ゆっくり大きく動かすようにしましょう。

また、マッサージにしても体操にしても、毎日継続することが重要です。

むくみの改善・予防のためにも毎日の体操を

むくみは、さまざまな原因がありますが、共通していることは水分の流れが悪くなっていることです。

筋肉を動かすことで筋肉がポンプのように働き、むくみの改善・予防につながります。

足首の動きの悪さは、そのまま転倒リスクに繋がりますし、万が一菌が侵入したら悪化する可能性もあります。

無理のない範囲で毎日体操を行い、むくみを予防していきましょう。

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イラスト:安里 南美

この記事の制作者

福田 翔馬

著者:福田 翔馬(理学療法士)

広島県の整形外科クリニックにて理学療法士として勤務して7年目。患者様の痛みや生活動作を改善するために、何が原因で症状を出しているのかを考えながら日々精進しています。

森 裕司

監修者:森 裕司(介護支援専門員、社会福祉士、精神保健福祉士、障がい支援専門員)

株式会社HOPE 代表取締役 
11年医療ソーシャルワーカーを経験後、介護支援専門員(ケアマネジャー)として相談援助をする傍ら、医療機関でのソーシャルワーカーの教育、医療・介護関連の執筆・監修者としても活動。最近では、新規事業・コンテンツ開発のミーティングパートナーとして、企業の医療・介護系アドバイザーとしても活躍。
https://www.hope-kawagoe.co.jp/mori/top

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