有料老人ホームに入居した年齢は?

有料老人ホームに入居した年齢を調査してみました。入居者の54%が80代でホームに入居しています。この結果から、利用者がこれからの有料老人ホームに求める2つの役割が見えてきました。「介護」と「セカンドライフ」。アンケート結果からわかった老人ホームの「いま」と「これから」を考えます。

全国の有料老人ホームの半数が「住宅型有料老人ホーム」

有料老人ホームとは、入居者に食事や洗濯、掃除、入浴介護や健康管理などのサービスを提供する高齢者のための住まいであると、老人福祉法で定義されています。平成29年度の厚労省調査によると、全国に有料老人ホームは約12,000件以上あります。

その半数程度が、特定施設入居者介護の指定を受けない「住宅型有料老人ホーム」です。つまり、必ずしも介護を受けるためだけに入居する高齢者ばかりではない、ということが伺えます。

この数字を裏付けるような結果が、アンケート調査でも出ています。ご家族が有料老人ホームに入居されている方に行った、アンケート結果を紹介しましょう。

住宅型有料老人ホーム

Q. ご家族が有料老人ホームに入居された年齢を教えてください

結果は、次のようなものになりました。

入居時のご年齢

入居時の年齢グラフ

70歳代で入居された方が33%。80歳代で入居された方は54%になっています。その入居者の26%が「介護経験なし」…すなわち通常の生活を営める健康状態で、ホームに入居していると思われます。

ここからわかるのは、有料老人ホームに期待されるものが2種類ある、ということです。すなわち、「介護」と「セカンドライフとしての場」。質の異なるこの2つの役割について見ていきます。

介護の負担は『する方』『受ける方』双方を疲弊させる

有料老人ホームを利用される方の7割以上は、やはり日常的に介護が必要ということがわかります。息子・娘が親を入居させている割合が40%と多く、その子供の年齢層は、40代後半から50代中頃が多数を占めています。 この40代後半から50代中頃というのは、自分たちにもお金と手間のかかる思春期前後の子供がいる年代です。 つまり、子供の世話と親の介護へのダブルの負担がのしかかる年代層と言えます。

子供の世話と親の介護は、どちらにも経済的・精神的・肉体的に負担がかかります。そのようなプレッシャーが、家族の絆にひびを入れることも、十分あり得ます。介護負担の解消が、親と子の間に、憂いのない親子関係を築くきっかけになるという意味でも、今後、有料老人ホームが担う役割は、ますます大きくなっていくでしょう。

『人生を最後まで楽しむ』積極活用派も

一方、積極的に有料老人ホームを、第二の人生(セカンドライフ)の出発点と捉える人もいます。その割合は、年々増加傾向にあります。今回の調査では、26%の人が介護を必要としないで有料老人ホームに入居しています。その何割かは、積極的なセカンドライフの場として、ホームを選択しているのでしょう。

福祉先進国のスウェーデンでは、仕事をリタイアした後、自ら全国に点在する老人施設に入居し、そこから新しい人生をスタートさせることが普通のことになっています。日本とは社会保障制度が異なるので一概に比較できませんが、高齢化社会が本格的に到来した日本でも、今後老人ホームでセカンドライフを楽しむというライフスタイルが増えていく可能性があります。

実際、有料老人ホームに入居しながら、自室で塾を開いて生徒を教えたり、自分が外にお稽古事に出かけたり、趣味でサークルを作ったりして、新しい人生を楽しんでいる方が増えています。また、最近では、様々なアクティビティを提供するワンランク上の高級老人ホームなども日本で出てきています。北欧のように、自分の趣味・嗜好を判断基準の一つとして老人ホームを選び、セカンドライフを楽しむための環境も少しずつ整っているといえるでしょう。

アンケートから見えてきたのは有料老人ホームが果たす役割への期待

介護を任せるため、セカンドライフの出発点とするため…どちらの選択にしろ、北欧のようなきめ細かい高齢者介護を日本では有料老人ホームが担っているのが現状です。そして有料老人ホームが担うその役割は、今後大きくなることはあっても、小さくなることはないでしょう。

今回の「入居年齢」アンケート調査から見えてきたのは、有料老人ホームは、「介護」と「セカンドライフ」という2つのキーワードで、お年寄りの自己実現を手助けする存在になっていくだろうという、未来イメージです。

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