【栄養士が解決】介護食の献立作りのポイント
毎日、毎食バランスのよい食事を完璧にするのは至難の業です。
しかし、ほんの少し意識をする取り組みなら意外とかんたんにスタートできるのです。
日々繰り返す小さな取り組みでも日を重ねれば長い年月となり健やかな食生活につながるものと考えます。
バランスのよい食事の基本
バランスのよい食事とは、大きな意味では主食(炭水化物=ご飯、パン類、麺類など)、おかず(たんぱく質=肉類、魚介類、卵類、大豆製品など)、野菜(ビタミン、ミネラル、食物繊維=野菜や果物、海藻など)をうまく組み合わせた食事であることです。
炭水化物、たんぱく質、ビタミン、ミネラル、食物繊維はそれぞれにからだに対して違う役割を持ち、働きかけています。
偏った食事ではいけない理由
私たちのからだは、食べ物から栄養素やエネルギーを補給して生きています。
例えば、おなかを満たすための「食事」としてとらえるとおにぎりだけでも十分な食事になりますが、栄養素ととらえると炭水化物だけになってしまいます。
前述しましたように食べ物にはそれぞれの栄養素が含まれ、それらがそれぞれの役割のもとに私たちの健康を守ってくれているのでバランスのよい食事をとることが大切なのです。
献立の立て方
かんたん・バランス献立づくり(1)
やむを得ない場合を除き、できるだけバランスのよい食事を習慣化していきます。
多くの方に見られる食事パターンはおもに朝食、昼食に偏りがみられ、単品で済ませる傾向があります。
表のようにステップ1から順にステップ3へと食材と栄養素を加えることでバランスのよい食事をスタートすることができます。
表のステップ3の献立が理想という訳ではありませんが、まずはステップ1からステップ3へと順に進み、できることからはじめ、からだによい食事の組み合わせを意識していくことが大切です。
このような小さな取り組みを重ねることで、バランスのよい食事がご自分でもかんたんにできるのだということに気づいていただきたいと思います。
かんたん・バランス献立づくり(2)
理想的な献立とは、例えばご飯、焼き魚、納豆、お浸し、煮物、汁物というイメージでしょうか。
しかし毎日、理想通りのバランスのよい献立とはなり得ません。外出でタイミングを逃すことも旅先でたくさん食べてしまうこともあります。
そんなときは、数日間の猶予をもって調整することもあり得ます。「昨日はうまくとれなかったので、今日は補おう」など微調整をしてみましょう。
献立や栄養の偏りをなくすには
大まかに、主となる食材スケジュールを立てておくと便利です。「今日は何にしよう」と毎日悩みだすと作るのがおっくうになりがち。
隔日に主菜の肉や魚を交互にする、あるいは曜日によって主菜の食材をおおまかに決めておくと好きな食材に偏らずに済みます。
決めた献立を絶対的に守るのではなくゆるい決まり事として参考にすれば、当日の変更も難しくありません。ご家庭によって様々な方法にてバランスのよい食事をとれるよう工夫してください。
まとめ
理想的なバランスのよい食事は大切ですが、日々の小さな積み重ねが食習慣となり、健やかな生活の基盤となります。
今日の食卓に「主食とおかずと野菜があるかな」と気に留めていただけたならすでに習慣が身についてきているのだと思います。小さな積み重ねを繰り返していきましょう。
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著者:徳田 泰子(「株式会社ヘルシーオフィスフー」代表取締役。管理栄養士・調理師)
病院での栄養管理業務に約10年間携わり、健康であるためには日々の暮らしにおいて「おいしく、楽しく」食事をとることが重要であると考え起業しました。
家族の在宅での介護・看取りの経験からグループホームをはじめ高齢者施設での栄養サポートを行い、安全・かんたん・おいしい食事づくりのご支援をさせて頂いております。
高齢者食支援専門サイト「スマイリーフード」http://foo.co.jp/管理運営。