大好きだったお茶が誤嚥の危険のため飲みにくくなったら?

大好きだったお茶が誤嚥の危険のため飲みにくくなったら?わんこさま

「水分をしっかりとりましょう!」とアドバイスをいただくものの、喉が渇かないのでほしくない、飲みたくてもうまく飲めないという経験はありませんか?

今まで普通にできていたことが、うまくいかなくなる。はじめは気のせいかな?と思って普段通りの生活をして、また、ある時小さな変化に気づき、急に不安になることがあります。

私たちが普通に飲んでいるお茶などの水分も高齢者の方の機能が低下した場合 “飲みにくいもの”“とりにくいもの”になることがあります。

勝子さんのエピソード

岡田勝子さん(仮名)は76歳。

ご自分でも「私、水太りなのよ」とおおらかに笑う少しぽっちゃりさん。数年前は帰宅したら真っ先に冷蔵庫を開けて冷やしておいたお茶をゴクゴク・・・と飲むのが習慣になっていました。

勢いよく飲んだからか、むせて咳き込んでしまうことが何度かありましたが、さほど気にしていませんでした。しかし、最近では普段でも飲みものが喉にひっかかるような感覚を覚えて気になり出し、診察時にかかりつけのドクターに相談。

現在治療中の高脂血症(脂質異常症)について食事の相談をする際に水分についても管理栄養士にアドバイスを受けることになりました。

岡田さん:先生、最近お茶が喉につっかかるような感じがするんです。

岡田さんは、冷たいお茶をゴクゴク飲んだ時にむせたこと、最近では普段でも飲みにくくなってきたこと、水分をあまり欲しいと思わなくなってきたことを管理栄養士に話しました。

岡田さん:一気に飲んだせいですかね?もしかしたらゴエンっていうやつですか?

岡田さんのいう“ゴエン”とは誤嚥性肺炎のことを指しています。なんらかの原因で誤嚥したものが肺に入って炎症を起こすことを誤嚥性肺炎といいます。

テレビのニュースなどで流れる、誤嚥性肺炎で亡くなる可能性があるという話にショックを受けていました。

管理栄養士:岡田さん、水分は1日にどれくらい飲みますか?

岡田さん:食事の時にお湯のみに入れたお茶とお薬を飲むときに水を飲みます。お風呂上りは冷たいお茶を。

どうやら岡田さんは、飲みこむ力が低下して大好きなお茶がうまく飲みこみにくくなっているようです。そのため今までのように積極的にお茶を飲むことも怖がっているかのようにも思えます。

岡田さんの1日の摂取水分量は、汁物やお料理に含まれる水分量を加えても1リットルにも満たない量ですが、目標として1.5リットルは摂取してほしいところです。

高齢者の場合、喉の渇きを感じにくく水分の摂取不足は、脱水状態になることも心配されます。1日の水分摂取量が極端に減ってしまうと、口の中が渇き、口の中での細菌も増えやすくなります。同時に誤嚥にもつながりやすくなるのです。

もしも、飲食物の誤嚥が起きた場合は、口の中の細菌が肺へ流れ、肺炎になる可能性もでてきます。

それに、岡田さんは、コレステロール値と血圧が高めのぼっちゃりさん。嚥下機能の低下と深い関係のある脳血管障害への関係も心配されます。

管理栄養士のアドバイス

岡田さんのご様子から、飲み込む力が低下しているようです。誤嚥を防ぐための対策と水分摂取量が不足しないように気をつけることが大切です。

誤嚥を防ぐための注意点

まずは、冷たいお茶を一気に飲むことは避けて、ゆっくり飲む。それでも喉にかかるようならば水分などサラサラした飲みものなど気管に入りやすいので少しとろみをつけて飲みやすくしてはいかがでしょうか。 

水分不足を防ぐための注意点

毎日の水分をどれだけ摂ったかを計るのはとても面倒です。

でも、飲んだ量の目安がわかれば便利ですね。事前に飲み物をペットボトルやクーラーポットなどに入れておくと、どれだけ飲んだかひと目でわかります。

また、毎回お茶を入れるのが面倒で水分不足になってしまうことを防げます。冷たいお茶は、ゼライスを加えてやわらかく崩したゼリーにするとのど越しがよく、水分補給にもなります。見た目が変わると飲んでみようといく気持ちも生まれます。

太り気味の岡田さんは、生活習慣病をコントロールして脳血管障害を予防することも大切です。日頃から嚥下体操などの予防も取り入れることをおすすめします。

大好きなお茶は、ゆっくり味わって飲む習慣の方が安全でご負担にならなくてよさそうですね。

著者

徳田 泰子

徳田 泰子(「株式会社ヘルシーオフィスフー」代表取締役。管理栄養士・調理師)

病院での栄養管理業務に約10年間携わり、健康であるためには日々の暮らしにおいて「おいしく、楽しく」食事をとることが重要であると考え起業しました。
家族の在宅での介護・看取りの経験からグループホームをはじめ高齢者施設での栄養サポートを行い、安全・かんたん・おいしい食事づくりのご支援をさせて頂いております。
高齢者食支援専門サイト「スマイリーフード」http://foo.co.jp/管理運営。

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