介護食の基本的なつくり方

基本的な介護食のつくり方

高齢期になると生活習慣病や身体機能の低下で、食事を楽しめられなくなることがあります。

弱った身体機能を補いつつ充実した食生活を送るためのひとつに介護食があります。

身体機能が低下しても、制限すべき栄養素が増えてきても「おいしい!」と食事を楽しめられる介護食づくりについて考えてみましょう。

介護食づくりについて

食事を楽しみとされる方が多い中で高齢期になると様々な食べる機能が低下してしまいます。

弱った機能を補いつつ充実した食生活を送るためのひとつに介護食があります。介護食はかむ力が低下しているならば、やわらかさを調整した食事、飲みこむことが難しいのならば、まとまりやすく、飲みこみやすくするなど個々の食べる力によって工夫や配慮が必要となります。

万一、食べる機能が低下しても「おいしい」と味わうことが健やかに生きるために大切な食事といえます。

一緒に食べよう

介護食を特別なものととらえるとつくることが負担となってしまう場合があります。

そうならないためにも通常、家族や周囲の方が口にする「いつもの食事をアレンジする」くらいの気持ちで取り組んでいただければと思います。

介護食づくりは喜んで食べてくれる笑顔が作り手の励みになります。
 

介護食づくりのポイント

介護食を家族とは別メニューで1から作ることは、特別なメニュー、特別な日を除いてはあまり合理的とは言えません。

できれば家族と同じ素材、それに近いものを召し上がっていただきたいと思うのです。なぜなら介護食は、介護する側にとってもされる側にとっても日々日常なのです。

しかし、咀しゃく、嚥下状態によっては別途作る、あるいは市販品(介護用食品を含む)を活用する方法もあります。

介護食を作ってみよう

家族と同じ食事からのアレンジで
みんなと一緒の食事ができるようアレンジメニューで対応しましょう。
手間をかけすぎない
あれこれ手をかけすぎるよりも「ひと手間」程度で習慣化をめざしましょう。
食べたいものを食べられるように
「食べたい」「食べさせてあげたい」という思いからアイデアを生み出しましょう。
介護用市販食品を活用する場合は、飽きないよう一工夫を
市販食品の場合、味や形状に多くの工夫がされていますが、使用頻度によっては飽きてしまう場合もあるようです。ソースや盛り付けなどを工夫してみましょう。

食べられるものばかりに献立が偏ってしまうと栄養バランスが崩れることがあります。様々な食材を選び、食材の特性を知って食べやすくなるよう工夫することでバランスのよい食事づくりを目指しましょう。

咀しゃくしやすい介護食にするために

咀しゃくしやすくするための工夫

食材を選ぶ際の注意点

• 硬い繊維の野菜(例:ごぼう、たけのこ、葉野菜の茎部分など):穂先や葉先などわらかい部分の活用を。
• 弾力のあるもの(例:こんにゃく、干ししいたけ、イカ、タコなど)は、安全に食べられるよう切り方や調理の工夫を。

調理のポイント

• 野菜は、比較的繊維が多くかみ切りにくいため、繊維を切って下処理しましょう。
• 繊維を切るとは:野菜の繊維は一方向に走っていますので、横から断つように包丁を入れると咀しゃくしやすくなります。
• 弾力のあるものは食材により調整が必要で、薄く切る、切り込みを入れる、隠し包丁を入れるなどの下処理をしましょう。
• 細かく刻み過ぎると口の中でバラけるので、個人の咀しゃくと嚥下状態に合わせて切り方の工夫をしましょう。

飲みこみやすくするために

口の中でかみ砕いた食べ物をバラけるのを防いでとりまとめ、食べ物が喉を滑りやすく調整することで飲みこみをサポートします。

食材を選ぶ際の注意

まとまりがないもの、パサつきやすいものは(例:ひき肉、焼き魚やパンなど)安全に食べられるよう調理の工夫を。

調理方法の工夫

食べたものを口の中でまとめやすくする方法として以下の方法があります。

• とろみをつける:口の中でまとまりやすいように片栗粉や市販のとろみ剤などでとろみをつける。
• 喉の滑りをよくする:ゼラチンや寒天でぷるぷる状態に固め、食材の喉の滑りをよくする。
• 油脂類を活用する:マヨネーズや植物油などの油脂は、適量使用すると食材をまとめ、食べやすくする。
• つなぎを入れる:はんぺん、卵、豆腐、小麦粉、片栗粉、長芋のすりおろしなどをつなぎに使うことで食材をまとめ食べやすくする。
• 適度な水分を加える:パサついているものは、だし汁などの水分を加え、しっとりさせるとまとまりやすい。
 

とろみ剤を使う

とろみ剤とは、食べ物や飲み物に加え、混ぜることで食べ物にとろみをつけたり、飲みこみやすくすることができる粉末状の食品をいいます。

おもに溶ける温度に影響を受けない、溶けやすさ、ダマになりにくい、とろみの持続性がある、唾液の影響を受けにくい、素材の色や味を変えにくいなど原料や商品によって特徴に違いがあります。

また、包装状態(個包装など分包タイプやパックに入った容量の多いものなど)、使用頻度、価格、入手方法などを考慮した上で選ぶようにしましょう。

まとめ

介護食づくりは、ご本人はもちろんご家族、またその周囲の方々が不安とともに戸惑いながら作っておられることでしょう。

身構えることなく、できるだけ通常の食事から介護食へ展開して習慣化していくことが長く続けるポイントだと思います。周囲の方々とも情報交換しながら介護食づくりを楽しんでみてください。

著者

徳田 泰子

徳田 泰子(「株式会社ヘルシーオフィスフー」代表取締役。管理栄養士・調理師)

病院での栄養管理業務に約10年間携わり、健康であるためには日々の暮らしにおいて「おいしく、楽しく」食事をとることが重要であると考え起業しました。
家族の在宅での介護・看取りの経験からグループホームをはじめ高齢者施設での栄養サポートを行い、安全・かんたん・おいしい食事づくりのご支援をさせて頂いております。
高齢者食支援専門サイト「スマイリーフード」http://foo.co.jp/管理運営。

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