質問

要介護2の母と二人暮らしです。日中は訪問介護を利用し、私も仕事後は母の身の回りの手伝いをしています。近所に住む知人から「たまには近くの特養のショートステイを利用してみては」と言われましたが、どのように利用したら良いのでしょうか。注意点などもあれば教えてください。

回答
中村 真佐子

一人でお母さんの介護は大変ですね。ショートステイとは、短期間、介護施設で泊まり介護を受ける介護保険サービスです。質問者さまのように、子供が自宅で親の介護をしている場合、介護者の仕事や病気等で介護できない状態になるケースがあります。そうした時にショートステイを活用しましょう。また、介護者が介護疲れで休息をとりたいという時も、ショートステイを利用するのは有効です。
また、質問者さまのケースとは異なりますが、特養のショートステイの場合は、自宅での介護が難しい方で、特養の入居待機をしている方が連続でショートステイを利用することもありますし、一人暮らしの方が、年末年始の在宅訪問ヘルパーがどうしても手薄になる時期にショートステイを利用することも多いようです。 中村 真佐子(マイアドバイザー®登録FP)

【目次】
  1. 1.特養のショートステイの特徴
  2. 2.利用料はいくら?
  3. 3.特養のショートステイは人気なの?
  4. 4.ショートステイを利用する際に注意したい4つのポイント

1.特養のショートステイの特徴

特養のおよそ8割はショートステイを実施しています。最大の特徴は、やはり介護保険を使っての利用ができることです。有料老人ホームでもショートステイは利用できますが、介護保険外の利用としているところが多いです。医療的な処置が必要な場合は、老人保健介護施設や療養病床に併設されているショートステイを利用することになります。

ショートステイで利用できる部屋ですが、老人ホーム内にショートステイ用の居室が用意されています。空いているベッドを使用することもあります。

サービス内容は、特養だからと言ってほかの施設のショートステイとサービス内容は特に違うところはありません。老人ホームでの過ごし方、食事やお風呂のスケジュールはその施設のスケジュールに準じます。特養入所者が参加するイベントにも参加できます。

ショートステイを利用したいときは、まずケアマネジャーに相談しましょう。ケアプランに準じて本人の介護ケアにあった老人ホームを探して利用申し込みをしてくれます。初めてショートステイを利用する場合は、老人ホームの方と事前に面談を行います。

面談は必ずしも本人でなければということはなく、介護している家族だけでも可能です。面談では、家での様子や必要とする介護、投薬等を聞かれます。ショートステイ期間中は、面談内容に基づいて家でいる時と変わらず生活できるよう配慮してくれます。2回目以降の利用は、同じ施設であれば面談が省略されることもあります。



2.利用料はいくら?

ショートステイにかかる費用は、特養などの介護保険施設の場合は、介護サービス費、食費、宿泊費、そのほか日用品代がかかります。また、居室の種類(※)によりかかる費用は変わります。

年金などの収入が少なく、保有している金融資産も少ない場合は、宿泊費と食費が軽減されます。

※共有スペースであるリビングのある個室(ユニット型個室)、大部屋(多床室)、リビングのない個室(従来型個室)などがあります。

以下は、要介護3の方がユニット型個室で1泊2日のショートステイを利用した場合の大まかな金額です。


ショートステイ利用料の目安(要介護3 ユニット型個室 1泊2日の場合)

費用の内訳 特別養護老人ホームなど
(介護保険サービス利用)
有料老人ホームなど
(介護保険外サービス利用)
介護サービス費用 1,800円 1泊2日 
8,000円~20,000円
宿泊費 1,970円
食費 1,380円
合計 5,150円 8,000円~20,000円

※おおよその金額です。市区町村や有料老人ホームにより料金は異なります。

有料老人ホームなどが行っている、介護保険外のショートステイの場合は、全額自己負担となります。1泊2日など利用日数で料金設定がされていて、1泊あたり8,000円から20,000円程度となり、老人ホームにより金額は異なります。この費用の中には、宿泊費、管理費、食費、介護サービス費が含まれています。利用できる日数の限度は老人ホームごとに設けています。

特養などの介護保険施設での利用は、費用が安いこともあり予約が取りづらいことが多いようです。支払えるお金や緊急度、本人の状態などで利用できる老人ホームが変わってきます。ケアマネジャーとよく相談するとよいでしょう。



3.特養のショートステイは人気なの?

特養に限らず、ショートステイは利用者が多く2,3か月先まで予約がなかなか取れない施設もあるようです。介護者の旅行などあらかじめ予定がわかっている場合は、早めにケアマネジャーに連絡をして予約を入れてもらいましょう。

ただし、介護者の急な出張や、病気やケガなどにより緊急にショートステイの利用が必要になることもあります。

その場合の受け入れベッドは、自治体ごとに確保しています。緊急ショートステイといい、利用の要件は自治体ごとに定められています。例えば杉並区ですと、以下の3つの要件すべてに当てはまる場合に利用できます。

・介護する家族の病気やケガ、葬儀への参列などの急用により、介護が受けられない方
・介護保険サービスのショートステイに空きがなく、他に介護する人がいない方
・区内在住で、介護保険の要介護1以上に認定されている方



4.ショートステイを利用する際に注意したい4つのポイント


(1)予約をしていても利用できない場合がある

利用予定日の数日前から当日まで風邪などの感染症にかかっていたり、特養で対応できない医療処置が必要になったりした場合は、利用できない場合があります。また滞在中の体調の変化によっては、途中で迎えに行かなければならい事もあります。利用時に面談時より明らかに心身の状態が違う場合は、利用できないこともあります。


(2)ショートステイ用の持ち物に記名をしておく

ショートステイを利用するときは、本人の着替え等荷物が必要になります。持ち物にはすべて記名が必要です。緊急ショートステイを利用するケースもありますので、着替えは家族のだれもがわかるよう、記名済みのものをショートステイ用としてまとめておいておくとよいでしょう。


(3)お気に入りの施設を利用する

短期間でも宿泊して介護ケアを受けるのですから、本人や介護者にあった施設を選ぶことが大切です。自宅から遠い施設であれば介護者の送り迎えや緊急呼び出しの対応が大変です。本人と相性の良い介護職員がいたり、食事がおいしかったり本人が快適に過ごせることも重要です。また、サービス内容や料金など事前に説明が十分であるかも大切です。本人や介護者が気に入れば継続して利用できます。

1つの施設だけでなく予約が取れないこともありますので、複数のお気に入りの施設があるとよいでしょう。ただし、すべての特養などの老人ホームでショートステイが行われているとは限りません。余裕があれば見学をしてみるのもよいでしょう。


(4)利用日数の制限がある

特養に限らず、ショートステイは、利用日数が制限されています。介護認定期間(次の更新までの間)のおおむね半数は超えてはいけないことと、連続した利用は、30日までです。引き続き利用したい場合は、31日目を、介護サービスを使わない全額自己負担とすることにより、翌日から30日間はまた1割負担(所得により2割~3割)で、連続で利用できることになります。

また、要介護度や利用している他の介護サービスによりショートステイを利用できる日数は限られます。


質問者さまのように日々、働きながらの在宅介護は気の休まる時間が持てなくて疲労がたまりやすいかと思います。ショートステイは、介護する方にとっても介護される方にとっても有効に活用できる介護サービスです。

そうであるがゆえに、予約が取りづらいという問題もあります。上手に活用するには、ケアマネジャーと密にコミュニケーションを取り、お気に入りの施設をいくつか作っておくこと、介護者の先々のスケジュール管理が重要といえます。


このQ&Aに回答した人

中村 真佐子
中村 真佐子(マイアドバイザー®登録FP)

ファイナンシャルプランナーとして、住宅ローン・教育資金など、若い世代の普通の家庭におこりうるお金周りの相談は、生活者目線を大切にしています。
社会福祉協議会で生活支援員としての活動もしており、高齢者や障害者の介護、住み替え、成年後見制度分野の相談も得意としています。