高齢者は一人暮らしできる?限界はいつ?困ることや対策など独自調査を交えて解説

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高齢者一人暮らし

高齢者の一人暮らしは健康状態次第で十分に可能ですが、リスクも伴います。一人暮らしを継続できる状態でも、施設入居などサポートのある暮らしを検討される方は少なくありません。本記事では、高齢者の一人暮らしについて、独自の調査データも交えて、困ることや限界のタイミング、対策などを解説します。いつまでも自分らしく安心して生活するためのヒントとして、ご活用ください。

高齢者は一人暮らしできる?

健康状態が良好で、身の回りのことをご自身で行える場合、高齢者でも一人暮らしは十分に可能です。住み慣れたご自宅で過ごす自由度の高い生活は、心の穏やかさにもつながるでしょう。ただし、「このまま一人暮らしを続けても大丈夫だろうか」と、不安を覚える人が多いのも事実です。

以下のグラフは、「LIFULL 介護」に寄せられたお問い合わせのうち、入居される方が一人暮らし、いわゆる「おひとりさま高齢者」が全体の何割を占めるかを集計したデータです。2024年6月時点で26.1%だった割合は、2026年4月には29.5%まで上昇。一人暮らしの状態から、ご本人やご家族が施設入居を検討するケースが増えている実態が伺えます。

tayorini「おひとりさまの老人ホーム探しはいつから?6割が「介護が不要」な状態で検討を始める最新実態」

高齢者の一人暮らしの限界はいつ?

年齢

何歳が限界という明確な線引きはありません。一方で、一人暮らしの場合の方が、子と同居している方よりも早期に住み替えを決めていると言えるデータをご紹介します。

以下のグラフは、「LIFULL 介護」に寄せられたお問い合わせのうち、入居する方が一人暮らしの場合と、子と同居している場合で、入居する方の年齢分布を比較しているデータです。一人暮らしの場合、70代までが41.0%を占めており、子世帯と同居している場合(25.1%)を大きく上回っています。一人暮らしの高齢者は同居世帯の高齢者よりも、早期に住み替えを検討している傾向があるようです。

tayorini「おひとりさまの老人ホーム探しはいつから?6割が「介護が不要」な状態で検討を始める最新実態」

要介護度

要介護度に関しても明確な定義はないものの、早期に検討される方が多いようです。以下のグラフは「LIFULL 介護」の問い合わせデータから、入居対象者が一人暮らしの場合と、子と同居している場合で、要介護度の分布を比較したものです。

入居対象者が一人暮らしの場合、自立状態で問い合わせているケースが45.5%と半数近くを占めています。要支援1・2を含めると7割超となり、本格的な介護が必要になる前に動き出す方が多いと見られます。

出典:tayorini「介護のための同居「したくない」が子世代は約6割、親世代は約8割を占める。同居介護への意識調査」

高齢者の一人暮らしで困ること

・病気や怪我の際に迅速な対応ができない
・身の回りのことに手が回らない
・お金の管理に不安が残る
・交流機会の減少
・犯罪に巻き込まれるリスクの増加

高齢者としてこれから一人暮らしを続けていくにあたって、知っておくべきリスクにはたとえば次のようなものが挙げられます。

病気や怪我の際に迅速な対応ができない

急な体調不良や自宅内での転倒事故などが起きた際、すぐに対応できない点は単身生活における大きな不安要素です。自力で動けない状態に陥ると発見が遅れ、手遅れになる可能性も生じます。

実際に「LIFULL 介護」が実施したアンケートでも、一人暮らしの高齢者が抱く最大の不安として、「自宅で倒れても誰にも気づかれない」ことが挙げられ、66.3%もの方が懸念する結果に。同居世帯と比較しても、危機感の高さが浮き彫りになっています。

出典:tayorini「65歳以上で住み替えの意向がある人は全体の3割。一人暮らしの人は同居の人と比べ住み替え意向が高い」

身の回りのことに手が回らない

掃除や洗濯を始めとする、身近な家事に少しずつ手が回らなくなってくる点も、高齢者の一人暮らしが抱えるリスクのひとつです。加齢や怪我、病気などにより身体機能が衰えてくると、これまで当然のようにできていた家事も、より大きな負担に感じる場面が増えてきます。

それにより、家や身の回りの清潔を保つのが難しくなったり、無理に動こうとして転倒などの事故につながったりする危険性が高まるのです。また、家が整理整頓できていないと、災害時の避難等にも支障が出る恐れがあります。

お金の管理に不安が残る

一般的な傾向として、人は高齢になると思考能力や判断能力が落ち、お金の適切な管理が難しくなる点も、知っておきたいリスクの一つです。これから年齢を重ねていくことで、衝動買いが増えたり、家賃や光熱費の支払いを失念したりするなど、自分で家計を管理する難しさを実感する場面が少しずつ増えてくると考えられます。

認知症を発症すると、自分でも気が付かない間に無茶なお金の使い方をしてしまうことや高額な消費者被害に遭うこともあるでしょう。

交流機会の減少

人との関わりが減ることによる「孤独」も、高齢者が健康で充実した生活を送るうえでの大きなリスクになります。東京都健康長寿医療センターの調査では、他者との交流頻度が少ない高齢者は、そうでない高齢者に比べて、認知機能の低下に起因する死亡リスクが高くなるという結果が出たそうです。

また、かつて内閣府が行った意識調査から、近所づきあいなどをしておらず、社会的に孤立している状態が長く続いた人には、生きがいを喪失したり、生活に不安を感じたりする傾向があることもわかっています。

出典:内閣府「第1章 第3節 3 (1)高齢者の社会的孤立がもたらす問題点」

犯罪に巻き込まれるリスクの増加

周囲との交流が減りがちな高齢者の一人暮らしでは、特殊詐欺などの犯罪に関する情報や注意喚起に触れる機会が少なくなりやすい点にも注意しなければなりません。知識があれば気付けた手口に引っかかってしまったり、「おかしいな」と思っても周囲に相談できる人がいなかったりして、結果的に犯罪に巻き込まれる危険性を高めてしまうためです。

特殊詐欺被害者の9割弱が65歳以上というデータもあることから、一人暮らしの高齢者にとって、犯罪被害は日常に潜む身近なリスクであると言えるでしょう。

出典:内閣府「4 生活環境」

高齢者の一人暮らしに必要な費用

総務省が2022年に行った家計調査によると、65歳以上の一人暮らしにかかる費用の平均は、1か月あたりおよそ14万3千円。これは食費や家賃などの“消費支出”のみ計上した金額であるため、税金や社会保険料などの“非消費支出”も含めると、約15万5千円が毎月必要になる計算です。

なお同調査では、65歳以上で無職の単身世帯における平均収入は「約13万5千円」という結果も出ています。つまり、高齢者の一人暮らしでは平均して約2万円の赤字が毎月発生すると考え、あらかじめ貯蓄や投資などの対策をしておく必要があるでしょう。

出典:総務省統計局「家計調査報告家計収支編 2022年(令和4年)平均結果の概要」(PDF)

高齢者が一人暮らしを安心して送るための対策

・生活支援サービスを利用する
・介護サービスを利用する
・自由度の高い施設に入居する

身体能力の衰えを実感する場面も増えてきた今、これからも無理のない一人暮らしを続けていくためには、身体の状況に応じて次のような対策を講じることが必要です。

生活支援サービスを利用する

生活支援サービスとは、栄養改善を目的とした配食や、家事・外出の支援、見守り・安否確認など、高齢者が「いつまでも自分らしく元気に暮らしていく」ために受けられる、さまざまなサポートのことです。地域ごとに、介護事業者や住民ボランティア、NPO等が主体となって提供しています。

自立した生活は送れるものの、少しずつ一人暮らしに不安や困りごとが出てきたときに、利用を検討してみるのがよいでしょう。

介護サービスを利用する

介護サービスとは、要介護や要支援の認定を受けた人が、介護保険を利用して受けられるサービスの総称です。

特別養護老人ホームなどの施設へ入居する形のサービスもありますが、介護サービスのうち「居宅サービス」に分類されるものなら、現在の住まいを移さずに、訪問でプロの介護を受けることができます。

買い物や掃除、食事、排せつ、入浴などに人の助けが必要になったものの、できる限り一人暮らしを続けたいと考えている人におすすめです。

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自由度の高い施設に入居する

「介護サービスで生活の不便や不安は解消したいが、自由な一人暮らしをやめたくない」というケースでは、サポートを受けながら自立した生活が送れるサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)や住宅型有料老人ホームなどの施設を選ぶのもおすすめです。

いずれも、自分に合った支援を受けつつ、一人暮らしやそれに近い自由な生活を送ることができます。

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有料老人ホームの種類とサービス

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高齢者の一人暮らしからの住み替え先としておすすめの施設

出典:tayorini「65歳以上で住み替えの意向がある人は全体の3割。一人暮らしの人は同居の人と比べ住み替え意向が高い」

一人暮らしの高齢者が住み替えを決断した際、住み替え先は複数あります。「LIFULL 介護」の調査では、希望する住み替え先として「シニア向け賃貸住宅(34.2%)」や「サービス付き高齢者向け住宅(27.2%)」が上位を占めています。安全面が整った環境で、一人暮らしの自由さを保ちながら生活したいと望む方が多い実態が読み取れます。それぞれの特徴やサービスの違いを把握して、最適な住まいを判断しましょう。

高齢者向け賃貸住宅

高齢者向け賃貸住宅とは、介護を必要としないシニア層が安心して生活できるよう配慮された住まいの総称です。室内はバリアフリー化されており、転倒などの不慮の事故が起こりにくくなっています。

物件によっては、サ高住のような安否確認や生活相談などのサービスが提供されているケースも。一人で自立した生活は送れるものの、身体状態により今の住まいは暮らしにくくなってきた、と感じている人におすすめです。

サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)

サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)とは、スタッフによる安否確認や、生活相談などのサービスが受けられる賃貸住宅です。これまで通りの自立した生活を送りつつも、見守り等のサポートにより、高齢者の一人暮らしに潜むリスクを軽減できる点が大きなメリットとなっています。

必要に応じて、食事提供などのオプションや、外部事業者による介護サービスなどを別途契約することも可能です。

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シニア向け分譲マンション

シニア向け分譲マンションとは、自立した生活が送れる高齢者を対象としたバリアフリーの分譲住宅です。民間事業者が販売・運営しており、物件によって、安否確認や生活支援を始めとするさまざまなサービスが受けられます。

室内を自分好みにリノベーションしたかったり、「資産になる持ち家で一人暮らししたい」と考えていたりするケースで選択肢に含められるでしょう。中には、温泉やフィットネス施設などの設備が整っている特徴的な物件もあります。

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住宅型有料老人ホーム

住宅型有料老人ホームとは、有料老人ホームの中でも比較的一人暮らしに近い自由な生活が送れる高齢者向け施設です。専用の個室がある生活空間で食事や洗濯などのサポートが提供されるほか、必要に応じて外部の訪問介護や通所介護などのサービスを利用することもできます。

日常的にレクリエーションやイベントを実施している施設が多いため、スタッフや入居者との交流が生まれやすい点も魅力のひとつです。

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まとめ

高齢者の一人暮らしにはさまざまなリスクがあり、安心して暮らしていくためにはそれなりの対策が必要です。特に周囲との交流が減ることにより生じる問題は少なくないため、できれば人との接点を確保できるような住環境をあらかじめ準備しておくのがよいでしょう。

高齢者向けの住宅や施設には、一人暮らしの自由さと生活をサポートしてもらえる安心感を兼ね備えているところが多くあります。「LIFULL 介護」でもお元気な方向けの物件を多数掲載していますのでぜひ探してみてください。

この記事の制作者

山本 武尊

監修者:山本 武尊(主任介護支援専門員・社会福祉士)

地域包括支援センター 元センター長。介護現場の最前線で業務をすると共に、介護業界の低待遇と慢性的な人手不足の課題解決のため介護に特化した社会保険労務士として開業。現在は介護関連の執筆・監修者、介護事業所向け採用・教育・育成や組織マネジメントなど介護経営コンサルタントとしても幅広く活躍中。

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