おひとりさまの老人ホーム探しはいつから?6割が「介護が不要」な状態で検討を始める最新実態

近年、家族と同居しておらず一人で暮らす”おひとりさまの高齢者”は増加の一途を辿っており、高齢社会白書によれば2020年時点で671万人、2040年には1040万人に上ると推計されています。

そこで、LIFULL 介護では、サイトに寄せられるお問い合わせから入居予定者が一人暮らしの方(=おひとりさま)のデータを抽出し、施設探しの実態を調査しました。あわせて、従来の主流であった「子世帯と同居している」方のデータとも比較し分析しました。

介護施設は「家族による介護が限界を迎えた際に家族が入居先を探す」という探し方が一般的でしたが、調査データからは頼れる同居家族がいない、おひとりさま高齢者ならではの施設探しの傾向が伺えました。

【サマリー】

  • おひとりさま高齢者の介護施設への問い合わせは全体の約3割を占め年々増加傾向に
  • おひとりさま高齢者の施設探しは「本人」による問い合わせが最多。子世帯と同居する方の「本人」割合の2倍
  • おひとりさま高齢者の場合、約6割が介護のいらない「自立」状態で問い合わせを開始。年齢では70代までに検討する人が4割
  • おひとりさま高齢者は子世帯と同居の方に比べ高価格の施設に問い合わせる傾向に。月額15万円以上が4割

おひとりさま高齢者の介護施設への問い合わせは全体の約3割を占め年々増加傾向に

おひとりさま高齢者が増加している影響もあり、LIFULL 介護に寄せられる、入居予定者が「一人暮らし」の問い合わせも年々増加傾向にあります。LIFULL 介護へのお問い合わせのうちおよそ3割がおひとりさま高齢者からのお問い合わせとなっており、2024年6月と比較して最新のデータは3%以上増加しています。

おひとりさま高齢者の施設探しは「本人」による問い合せが最多。子世帯と同居する方の「本人」割合の2倍

入居者が「おひとりさま」の場合と、「子世帯と同居」している場合で、誰が施設の問合せをしているかを比較しました。おひとりさまは、ご本人による問い合わせが4割を超えており、割合としては「子世帯と同居」の2倍以上になっています。おひとりさま高齢者は周囲のサポートが限定的であるからこそ、現在の住まいに安心して住み続けられるか、といった将来への不安から、主体的に今後の住まいについて検討せざるを得ないと考えられます。 

おひとりさま高齢者の場合、約6割が介護のいらない「自立」状態で問い合わせを開始。年齢では70代までに検討する人が4割

問い合わせ時の入居予定者の介護度についても、「おひとりさま」と「子世帯と同居」で差が見られました。おひとりさまの場合、要介護3以上は4.5%に止まり、約6割が「自立」(介護が必要ではない)状態で問い合わせをしています。一方、子世帯と同居している方の場合、要介護3以上での問い合わせが21.0%と、おひとりさまと比較して4倍以上の割合になっていました。

おひとりさまの場合、介護が必要ではない状態のうちに施設などへの住み替えを先んじて検討していることがわかります。

入居予定者の年齢を比較してみると、おひとりさまの場合は70代までが4割を占めています。以前、LIFULL 介護が実施した調査(※1)では、老人ホーム入居時の年齢のボリュームゾーンは80代でした。それと比較すると、おひとりさまの場合は早期に施設検討をしていることがわかります。

おひとりさま高齢者は子世帯と同居の方に比べ高価格の施設に問い合わせる傾向に。月額15万円以上が4割

「おひとりさま」と「子世帯と同居」の方で、検討している施設の月額価格帯(※2)を比較したところ、おひとりさまの方が、比較的高価格の施設へ問い合わせている傾向が見られました。

おひとりさまの場合、15万円以上の施設におよそ4割が問い合わせていましたが、子世帯と同居の方の場合は10万円未満の施設に4割の問い合わせが集まっていました。

介護が不要、あるいは軽介護度の比較的お元気なうちに問い合わせをしているからこそ、より充実したサービスや設備があり、現在よりも利便性が高い、あるいはアクティビティなど生きがいを持って生活できる施設へのニーズが高いことが伺えます。 

※2 問い合わせ先施設の料金プラン中、最も安い月額費用をもとに施設の価格帯を決定

▼関連ページ

お元気な方向けに設備やサービスが充実した施設を、下記のページでご紹介しています。

■LIFULL 介護 編集長 小菅秀樹のコメント

今回の調査で見えたのは、老人ホーム探しが「介護のために入る場所」から、「生活の不安を解消し、自分らしく暮らす住まい」へ変わり始めているという点です。特におひとりさまの高齢者は、子どもに任せず、本人主導で情報収集し、将来を見据えて検討する傾向が表れました。

これまで老人ホームは、家族介護の延長線上で語られることが多くありました。しかしおひとりさま高齢者にとっては、介護だけでなく、日々の食事、孤立防止、住まいの安全性、急変時の対応まで含めた「これからの暮らしを考える選択肢」になっています。

すでに一部では、元気な高齢者に向けて、健康寿命の延伸や生活の質を重視した高齢者向け住宅もあり、注目が集まっています。一方で、早めに検討できる人ほど選択肢は広がります。反対に、倒れてから、退院が決まってから、家族が限界を迎えてから探す場合は、空室や費用、医療対応などの条件に縛られやすくなります。

高齢期の住まい探しは、困ってから始めるほど難しくなります。だからこそ、元気なうちに情報を集め、自分に合う住まい方を考えておくことが重要です。

おひとりさま高齢者の増加を受けて、おひとりさまの不安に応える老人ホーム・高齢者住宅の新潮流

おひとりさま高齢者は、施設への入居や、住み替えの場面で様々な課題を抱えます。それらに対応した介護施設、高齢者住宅をご紹介します。

身元保証人がいなくても入居が相談できる老人ホーム

一人暮らしで、頼れる方が近くにいない場合、老人ホーム入居のハードルとなるのが身元保証です。

近年は、身元保証人がいない方の入居に対応したサービスを実施しているホームが増加しつつあるようです。

例えば、シマダリビングパートナーズ株式会社が運営する施設では、一般社団法人シマダたよりの会と提携しており、身元保証人がない方でも安心して相談できる体制を整えています。

入居者同士のゆるやかな交流で孤立を防ぐシェアハウス

おひとり様高齢者の不安の一つとして、自身に何かあった時に誰にも発見してもらえないという点があります。そうした不安を解消できる住宅として、お風呂やキッチン、リビングが共有となっており、入居者同士でゆるやかな交流を持ち孤立を防ぐ高齢者シェアハウスが各地で広がっています。

塚田のなかにわでは、高齢者シェアハウスだけでなくカフェや福祉施設も併設されており、地域社会との接点も持てる住まいとなっています。

充実のサークル活動で、施設内で新たなコミュニテイとの接点が持てる老人ホーム

安心を求めて施設や高齢者住宅に入居したことで、地元のコミュニティから離れて人との繋がりが保てなくなってしまうリスクがあります。

そこで、入居先で人との繋がりが持てるようサークル活動やイベントを盛んに行っている老人ホームもあります。

サン・ラポール南房総では約30のサークル活動があり、さらに毎月イベントを実施。

施設内でロビーコンサートや納涼祭を実施しているほか、果物狩りバス旅行、花火大会観賞など

参加することで施設内で交流の幅が広がっていくとご入居者に好評です。

【調査概要】

使用データ:2026年2月1日~4月30日のLIFULL 介護に寄せられた掲載施設への問い合わせデータより、入居予定者が「一人暮らし」、「子世帯と同居」のデータを抽出して作成。

※「一人暮らし」の問い合わせ割合は2024年6月1日~2026年4月30日の問合せデータを集計し算出。

調査主体:株式会社LIFULL senior

※グラフは小数点第二位を四捨五入しているため、合計が100%にならない場合があります

※一部グラフは推移を分かりやすくするため、縦軸の目盛りを調整しております。

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