東急田園都市線・用賀駅から徒歩12分、東京・世田谷の閑静な住宅街に佇む「ウェルケアヒルズ馬事公苑」は、フジサンケイグループのサンケイビルウェルケアが運営する住宅型有料老人ホームです。

温もりあふれるサービスやホテルライクな館内、2人部屋も用意されたバリエーション豊富なお部屋など多くの魅力を備えていますが、ご入居者の間で特に評判になっているのが料理のおいしさだと言います。

魚は豊洲市場の仲買人から仕入れるなど、高級店並みのこだわりで作られる料理について、料理長の堀越研児さん、栄養士の山下沙織さんにお話を伺いました。


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高級店で腕を振るった料理長、栄養士の最強のタッグ


──はじめに、お2人の経歴と現在のお仕事についてお教えください。

堀越さん:私は就職してから20年以上、日本料理の料理人として仕事をしてきました。ホテルの日本食レストラン、赤坂の料亭、銀座の日本料理店などで料理を提供し、3年前に社会福祉施設などにフードサービスを提供する株式会社LEOCに入社。料理長として「ウェルケアヒルズ馬事公苑」の厨房を任され、ご入居者のお食事をおつくりしています。

山下さん:私は栄養士の資格を取った後に株式会社LEOCに入社し、最初は介護施設で調理の仕事をしていました。その後、約10年前から栄養士として介護施設の食事メニュー作成に携わり、「ウェルケアヒルズ馬事公苑」の担当に就いてからは1年ほど経ちます。



──山下さんにお聞きします。栄養士として、高齢者の食事の重要性をどのように捉えていらっしゃいますか?

山下さん:高齢で食が細くなると低栄養に陥り、筋力低下などが起きてしまいがちです。まずはそういった事態を予防すべく、バランスの良い食事をしっかり召し上がっていただくことが重要だと考えています。

ただ、いくら栄養バランスの良い食事でも、召し上がっていただけなければ、健康効果も期待できません。ですのでメニュー考案の際は、食欲の湧く見た目になることも意識しています。また、可能な範囲で、お一人おひとりの嗜好も個別に反映するよう心がけています。

──料理のご提供にあたり、お2人はどのように連携していらっしゃいますか?

堀越さん:山下のメニューの栄養面には全幅の信頼を寄せていますから、それをいかにおいしく、美しく仕上げるかに心を砕いています。盛り付けは、ある程度、現場の裁量に任せてもらっているので、「赤色があるときれいだな」と感じたらニンジンの飾り切りをプラスするなどの工夫はよくやっています。

山下さん:私が気づかないところを堀越が気づいてくれて、2人で相談しながらメニューをブラッシュアップしていくこともあります。密にコミュニケーションを取っていますので、盛り付けを変えたときも写真などを見せてもらうのですが、それが本当にきれいで……。

毎回、「私が考えたメニューが高級料理になっている!」と感動します(笑)。堀越は都心の高級日本料理店で腕を振るっていたので、素材の目利きも料理のスキルも素晴らしいんです。野菜の飾り切りひとつとってもレベルが高く、合わせる器にもセンスの良さが感じられます。

ご入居者の声を反映し、和食が中心。鮮度抜群のお刺身も大好評

──食材のこだわりについてお聞かせください。

山下さん:可能な限り、新鮮な国産食材を使います。冷凍ものは味が落ちやすく栄養面でも劣るので、原則として使いません。

堀越さん:魚はほぼ毎日、豊洲市場の仲買さんからその日の夜や翌日に使う分を仕入れており、今夜は鯛をお出しする予定です。もちろん、野菜も市場から取り寄せます。

──豊洲からのお魚、おいしそうですね。お刺身も出るのでしょうか?

山下さん:はい。衛生面を懸念して積極的に出さない高齢者施設も多いですが、ここは鮮度の良いものを入れていますから、夏以外は頻繁にメニューに登場させています。お刺身の盛り合わせや海鮮丼などが人気ですね。


堀越さん:ご入居者は魚料理がお好きな方が多いんです。お肉も国産で厳選したものをお出ししますが、お肉が続くと少し疲れるとのお声も耳にしますので、魚料理の頻度が高くなっています。


──食を楽しんでいただくために工夫なさっていることはありますか?

山下さん:ご入居者は洋食よりも和食を好まれる方が多いので、メニューは日本料理中心にしています。

堀越さん:料理長の私がメニューをつくる月に1度のイベントメニューも、クリスマスなど以外は日本料理中心でご用意します。ただ、季節を先取りした食材や高級食材を使うなどして、特別感を味わっていただけるように配慮しています。ほか、目の前で天ぷらやお寿司をおつくりするライブパフォーマンスも好評をいただいています。

またイベントメニューのときは、私がダイニング内の各テーブルをラウンドして皆様とおしゃべりさせていただくこともあります。レストランではよくあるサービスですからご入居者も外食気分で楽しんでくださいますし、私たちも感想を伺えて励みになっています。

──今のお仕事で、大切にしている思いをお聞かせください。

山下さん:ご入居者の健康寿命が長くなるメニューをおつくりしたいという思いは、非常に強いです。そのためにもお声を反映しながら、ご入居者に寄り添ったメニューを作成したいと考えています。

堀越さん:ご入居者は、毎日3食、私たちの料理を召し上がってくださる特別な存在です。お一人おひとりの健康状態や嗜好もわかってきて家族のような思い入れもあり、「全力で、より良いお料理をお出ししたい」という気持ちで毎日仕事をしています。料理は空間の雰囲気や居心地も大事だと思うので、今後も全てのスタッフさんとともに笑顔で楽しく仕事をし、その楽しさが伝わる和やかな食事の時間をご提供したいです。

ここの料理は、いろいろな施設を経験した人たちの間で評判です


最後に、ご入居者の宮下さち子さん(91歳)に「ウェルケアヒルズ馬事公苑」の食事の魅力を伺いました。宮下さんは都内のご自宅にお住まいでしたが、ご主人と一緒に「ウェルケアヒルズ馬事公苑」にご入居。その後、伊豆の施設に転居され、1年前に再び「ウェルケアヒルズ馬事公苑」に戻っていらっしゃいました。

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──宮下さんは1年前、「ウェルケアヒルズ馬事公苑」に再入居されたそうですね。その理由をお聞かせください。

宮下さん:再入居のきっかけは、娘から「自宅からアクセスのいい施設に戻って欲しい」といわれたことでした。でもそれだけでなく、1回目の入居で感じたスタッフさんたちの朗らかで温かなお人柄、おいしいお食事も、戻ってくる大きな理由になりました。

──お食事は、どんなところを気に入っていらっしゃるのでしょうか?

宮下さん:和食が多く、お魚、特にお刺身がおいしいことです。そもそも高齢者施設でお刺身が出ることが貴重だと思います。それも、ちょっと出すのではなく、盛り合わせなどのメイン料理として出してくださるんですよ。味も素晴らしいです。


──もともと食べることがお好きなのでしょうか?

宮下さん:ええ(笑)。若い頃から、出されたものは、苦手なもの以外は全部いただくほうです。今もダイニングに行って3食きちんといただきます。夜は和食ですが朝はパン、お昼は麺類をいただくこともあります。

──91歳でしっかり召し上がれるほどお元気な秘訣は何なのでしょうか?

宮下さん:ここは和食中心のメニューで食べやすいですし、何より、おいしいからだと思います。私は主人と一緒にいくつかの高齢者施設に住んだ経験があるのですが、「ウェルケアヒルズ馬事公苑」のお食事はレベルが違うと感じます。


同じように複数の施設を経験されて、ここの食事を高く評価している方は多いですよ。ご入居者の間で、そういう評判って広まるんです(笑)。おいしくて栄養面も十分に考えられているのですから、スタッフさんには本当に感謝しています。ここにいれば、これからも食事が楽しい幸せな毎日を過ごしていけると思っています。


(記事中のサービス内容や施設に関する情報は2023年4月時点の情報です)