質問

脳梗塞で入院中の母親の老人ホーム入居を検討中です。医者からはリハビリ次第では回復の見込みがあると言われています。入居後体調が回復し、また在宅に戻る方もいると聞きますが、老人ホームはそういった使い方をしても良いのでしょうか。

回答
竹内 恵子

老人ホームの入居・退去は自由です。ご質問のように、脳梗塞の後遺症で身体にマヒが残り老人ホームに入居。その後リハビリに励み、身体状態が回復したら自宅に戻る。そうした利用方法も特に問題はありません。

ただし、リハビリによって全ての人が劇的に回復するわけではないことは覚えておきましょう。
また、全ての介護施設で積極的にリハビリを行っているわけでもありません。
このページではリハビリという観点から、介護施設を探すうえで注意しておきたい点を解説します。 竹内 恵子(NPO法人あい・ライフサポートシステムズ/理事)

【目次】
  1. 1.脳梗塞で入居後、リハビリをしてくれる介護施設
  2. 2.在宅復帰に向けた入居者の支援体制
  3. 3.介護老人保健施設と有料老人ホームの特長と注意点
  4. まとめ

1.脳梗塞で入居後、リハビリをしてくれる介護施設


リハビリができる介護施設としては、介護老人保健施設(以下、老健)か有料老人ホームが適しています。老健はリハビリの専門士が常駐しているため、病院で治療後、麻痺の症状がある場合などに入居し、リハビリをしながら在宅復帰を目指します。

また、有料老人ホームの中にも、専門的なリハビリが受けられるところが増えています。在宅復帰に向けて手厚いサービスが受けられるかなども、選ぶ際のポイントになります。


在宅復帰を目的とした「老人保健施設(老健)」

老健は、病院で治療後、麻痺の症状がある場合などに入居し、リハビリをしながら自宅へ戻ることを目的とします。

そのため、終身入居ではなく、基本的に3ヶ月という短期間の入居で集中的にリハビリを行い、退去することが前提となります。


多彩なサービスや料金プランが選べる「有料老人ホーム」

有料老人ホームでは「入居金なし(0円プラン)」を設けるホームの増加が見られます。

また、一ヶ月や三か月といった短期契約の「ミドルステイ」に対応したホームの増加により、短期間で入退去する利用者も増えています。昔に比べ有料老人ホームの数が増え競争も激しくなってきました。

空き室ができると運営にもに影響するので、老人ホーム側も多彩な料金プランを設定し使い勝手を良くするなど工夫しています。

長期入居が前提の有料老人ホームが大半ですが、そこでお世話になったとしても、入居者本人が元気を取り戻し自宅に帰るということは、決して後ろめたいことではありません。あくまでご本人の生活に合った住まい選びをしましょう。


2.在宅復帰に向けた入居者の支援体制

老健は在宅復帰を目的としているため、多くの入居者はそれに向けてリハビリに励んでいます。
有料老人ホームは長期間利用する入居者の割合が多いため、入居契約前に「元気になったら在宅復帰したい」という考えをホーム側に伝え、どのような内容や順序でリハビリを進めるべきか相談しましょう。

リハビリができる環境か

理学療法士や作業療法士などの有資格者が常駐し、入居者へのリハビリに積極的なホームが理想ですが、そういった体制を整えているホームは決して多くはありません。

有料老人ホームの中には、機能訓練指導員や看護師が日常生活の動作を手伝いながらリハビリに変えていく「生活リハビリ」を提供し、実績を出しているホームもあります。


リハビリの実績も確認しよう

「リハビリをしているかどうか」だけではなく、効果のあるリハビリを行い回復した実績があるかどうかも重要です。また、個別のリハビリには別途費用がかかる場合もあるので、入居後のトラブルとならないよう、どの程度の費用が必要となるか確認しておきましょう。

一方で、老健や有料老人ホームの中でも、病状や身体状態によっては入居できるホームと、そうでないホームがあります。もしも病院で行うような専門的な医療を必用とする場合は、それに対応できるスタッフが施設にいるのかなども、入居前によく確認しましょう。



3.介護老人保健施設と有料老人ホームの特長と注意点


介護老人保健施設(老健) 有料老人ホーム
特長 ・リハビリが充実
・医療ケアが充実
・多床室など利用料が安い
・入居一時金が必要ない
・手厚い介護・医療を提供
・個別リハビリ対応ホームもある
・レクリエーションが多彩
・施設が多く、サービス内容や料金が選べる
・長期入居も可能
注意点 ・原則三か月の短期入居施設である
・古い建物は多床室(2~4人部屋)が多い
・レクリエーションやイベントは少ない
・入居条件として「要介護1~5」と限定的
・重症患者の受入ができないホームもある
・対応できる医療行為は施設によって差がある
・個別のリハビリには別途費用が発生する場合もある

*脳梗塞の症状に対応できる専門士のいるホームは少ないが、介護対応型では、車イスでも寝たきりでも日常生活になるべく支障がでないように日々介護を受けることは可能。

リハビリについて確認しておきたいこと

・退院直後でもすぐに入居可能で、間を空けずにリハビリが開始できるか
・脳梗塞の個人症状には差異があるので、(麻痺や言語障害の後遺症、再発の可能性)、退院後の方針を決めたり、入居する施設選びにおいて入院先の医師や医療ソーシャルワーカーの判断も必要
・有料老人ホームの場合、リハビリにより回復・在宅復帰した実例などを確認しておく

以上の注意点を考慮しながら、ご自身に適したホームを探しましょう。



まとめ

・脳梗塞のリハビリをしながら、在宅復帰を目指す介護施設の選択肢として、老健と有料老人ホームがあります。

・老健は、満室のところもあるため、退院後スムーズに入居できるかどうかは早めに確認しておく必要があります。

・有料老人ホームの場合、脳梗塞のリハビリを行えるかどうかが選ぶポイントになります。入居後に在宅復帰を目指すために支援してくれるのか、利用者個々の状態に対応した手厚いサービスを提供しているか、退居後も継続してリハビリをホームで行えるか(デイケアでのリハビリなど)、見学時に行認しておきましょう。


このQ&Aに回答した人

竹内 恵子
竹内 恵子(NPO法人あい・ライフサポートシステムズ/理事)

株式会社ATコンサルティング/取締役
金融商品仲介業
AFP
内部管理責任者、宅地建物取引士
介護保険の評価調査員/外部評価、第三者評価
資産運用相談、介護事業経営コンサル会社専任アシスタント