質問

母が入居している老人ホームに面会に行っても、老人ホーム側から普段の生活の様子をあまり教えてくれないので不満に思っています。スタッフはいつも忙しそうにしているので、呼び止めることもできません。こちらから希望したり、相談しなければ、教えてくれないものでしょうか?

回答
竹内 恵子

入居者と家族の関係性が今後も保たれるためにも、入居者の生活の様子は、老人ホーム側から積極的に家族へ伝える必要があります。

ただし、ホーム側も義務ではありませんので、すべての老人ホームがそのように対応できているともいえないのが現状です。それぞれの老人ホームにより違いますが、こちらから教えてほしいと希望するか、相談しなければ教えてくれないようでは、入居者のことを第一に考えているホームとは思えません。

しかしながら、家族に入居者の様子を全て伝えることで、家族に精神的な負担が加わると考えて、老人ホーム側が躊躇している場合もあります。老人ホームのスタッフおよび管理者に「普段どのように生活しているのか教えてほしい。」と端的に確認してみましょう。 竹内 恵子(NPO法人あい・ライフサポートシステムズ/理事)

【目次】
  1. 1.家族に積極的に報告するホームと、そうでないホームの対応に差がある
  2. 2.入居者の生活の様子はホーム側からご家族へ伝えるべき内容
  3. 3.家族も老人ホーム側も「入居者の思い」を共有する
  4. 4.それでも改善されない場合の対応法
  5. 5.介護記録をもとに、入居者の状態を説明してもらう
  6. まとめ

1.家族に積極的に報告するホームと、そうでないホームの対応に差がある


老人ホーム事業者は、「常に入居者の家族との連絡を密に取り合って、入居者とその家族が交流できるように努めなければならない」と法令で決められています
(参照:老人福祉法第133号に基づく特別養護老人ホームの設備等の基準に関する条例「社会生活上の便宜の提供等」より)

しかし、これに反したとしても罰則規定はありません。なかなか話してくれないようであれば、職員・利用者・家族が集う「運営懇談会」などに参加し、直接ホーム側に問いかけるのも方法のひとつです。どのように不満を解決していったら良いか、広い視点で解説しますので、今後の参考にしてください。



2.入居者の生活の様子はホーム側からご家族へ伝えるべき内容


本来は、家族から聞かれなくとも、ホーム側から入居者の現況を伝えるべきです。なかなか面会に来れない家族もいらっしゃるので、「最近はどういった生活をしているのか」を知りたいと思うことは当然です。

老人ホームに入居したことで、家族との関係がとぎれないよう、老人ホーム側と家族とのコミュニケーションが大切です。普段の様子をあまり教えてくれないのなら、まずは、老人ホームの管理者に「なぜ、教えてもらえないのか?」を直接聞いてみてください。

そこで対応に不満が残る時は、老人ホームの「運営懇談会」などで直接問いかけることで回答を得られる場合もありますので、参加してみてください。




3.家族も老人ホーム側も「入居者の思い」を共有する


老人ホームのスタッフの前と、家族の前では違う態度をとる入居者もいます。本当はスタッフに対して不満があっても、家族には心配をかけないように本音を言わない方もおられるようです。

それはどのような状況でそういった行動をとるのか、そのとき入居者の心にどのような変化が起きているのかを、本人本位で考えて欲しいと思います。

入居者がどのような思いでいるのかは、スタッフ側、家族側からだけみていてもわかりにくいものです。両者で意見交換し、入居者の本当の思いや考えを共有できることが理想的と言えます。




4.それでも改善されない場合の対応法


聞きたくても聞けないという状況が余計に不安をあおり、家族も不安がたまってくるものです。相談しやすい環境が整っていないホームや、スタッフやホーム長に伝えても改善されないようであれば、運営会社の本部に苦情を申し立てる方法もあります。

本部の連絡先は重要事項説明書や老人ホーム内にも掲示していることがあります。

関連リンク>老人ホームに苦情を言いたい。苦情窓口や対応方法は?



5.介護記録をもとに、入居者の状態を説明してもらう


全ての老人ホームでは「介護記録」があり、利用者の介護内容や状態の変化、個々の話し言葉などが詳細に記載されています。

入居者本人が徐々衰えていくなど、身体状態の変化を素直に受け入れられない家族もいらっしゃいますが、介護の進行具合を正確に知ることで家族も冷静に受け入れやすくなるでしょう。

家族であれば介護記録を閲覧することができます。ホームのスタッフに確認してみましょう。




まとめ


老人ホーム側から入居者の普段の様子を家族に話すのは必要なことです。スタッフが忙しくて対応できないのであれば、他の面でも不適切な点があるのではないでしょうか。

まずは「なぜ、教えてくれないのか」「どうすればその時間を設けてもえるのか」をホーム長やケアマネジャーに確認しましょう。

また、介護記録は一人ひとりの言葉や言動、状態の変化を記録しているものです。老人ホームのケアマネジャーや生活相談員から、介護記録を基に正確な説明を受けることも大切です。
家族からも積極的に相談することで、老人ホーム側に家族の思いが伝わり、話しやすくなります。ホームのスタッフとコミュニケーションを密にとりましょう

それでも、老人ホーム側の対応に満足できず不安が残るようであれば、このことを「運営懇談会」に提唱してみることも方法のひとつです。

「運営懇談会」は、ホーム側からの参加依頼にもよりますが、地域のケアマネジャー、医療ソーシャルワーカー、地域包括支援センター職員などが参加される場合はアドバイスを受けることができ、今後の方針も見えてくるでしょう。

このQ&Aに回答した人

竹内 恵子
竹内 恵子(NPO法人あい・ライフサポートシステムズ/理事)

株式会社ATコンサルティング/取締役
金融商品仲介業
AFP
内部管理責任者、宅地建物取引士
介護保険の評価調査員/外部評価、第三者評価
資産運用相談、介護事業経営コンサル会社専任アシスタント