質問

私は現在75歳で会社役員をしています。単身なので、今後を考えると老人ホームに入って、食事や掃除、洗濯といった家事全般の面倒も見てもらいたいです。
そういったことが可能なホームはありますか。

回答
西村 英記

現役で企業にお勤めされている方で、実際に老人ホームから通勤されている方もいらっしゃいます。
多様化する介護施設の中には、要支援・要介護認定を受けていない方でも入居できる老人ホームもあります。

具体的にどのような種類のホームでどのようなサービスがなされているのかをご紹介しましょう。①介護付有料老人ホーム、②住宅型有料老人ホーム、③サービス付き高齢者向け住宅 の3つが代表的な形態です。 西村 英記(介護保険の評価調査員/外部評価、第三者評価)

【目次】
  1. 1.自立の人でも入居できる老人ホームの種類と特徴は?
  2. 2.元気な間にしておくべきこと
  3. 3.自立している方が入居する時の注意点
  4. 4.納得できるホーム選びのために気をつけること
  5. まとめ

>自立の方が入居できる全国の施設


1.自立の人でも入居できる老人ホームの種類と特徴は?

 
それぞれのホームの特徴をまとめると下の表のようになります。

種類 特徴
介護付有料老人ホーム ○要介護認定を受けていない場合、自立サポート費という上乗せ金額が発生することがあり、かえって割高になることもある
○終の棲家として入居できる。介護スタッフが常駐しているので、最後まで24時間365日のサポートを受けることができる
住宅型有料老人ホーム ○介護認定を受けるまで介護サービスを利用しないので、費用(介護保険費用負担)が抑えられる
○介護が必要になったとき、受けた外部の介護サービス分だけ費用がかかる
○介護度が上がり常時見守りや認知症の進行、医療行為などが発生した場合、退去を求められるところもある
サービス付き高齢者向け住宅 ○居室にキッチン・浴室完備が多く、通常の賃貸住宅と同様に自立した生活が継続できる
○常時見守りや認知症の進行、医療行為などが発生した場合、退去を求められるところもある

>関連リンク:老人ホーム・介護施設の種類と特徴


2.元気な間にしておくべきこと

身体が元気であれば、実際にホームまで足を運んで自分の目でどんなところか確認することができます。自分が入居した後の生活をイメージするためにも、複数のホームを見学し、契約前には体験入居もしてみましょう。

ホームページやパンフレットでは分からない雰囲気や居心地の良さ、スタッフや入居者の様子を知ることで、自分に合うホームかどうかが判断できるはずです。

また、ご家族がいらっしゃる場合は、一度ご家族の間で、これからどんな生活を送っていくかを話しあう機会を設けてはいかがでしょうか。

>関連リンク:老人ホームの体験入居はした方がいいの?



3.自立している方が入居する時の注意点


①パンフレットや重説(重要事項説明書)をしっかり確認する

そもそも入居したいと思っても、「要介護」か「要支援」の方しか入居できないホームもあります。

入居条件は各ホームのパンフレットや重説に記載されていますので事前に確認しておきましょう。

また、介護認定を受けていない場合、自立サポート費といった費用が発生することもあり、介護度による費用面の違いを理解する必要があります。



②要支援・要介護状態になったときの対応を確認

老人ホームによっては、介護が必要になったときに退去しなければならないところや、居室移動(自立者向けの一般居室から介護居室への移動)が必要になる場合があります。

そのような場合の要件等を予め確認しておきましょう。(これも重説や管理規程に書かれていますが、見学時にホーム長などに直接確認されることをお勧めします。)

また、介護が必要になると、介護保険の自己負担分消耗品費(おむつなど)のような介護にかかる出費が増えますので、資金面での備えも必要です。




4.納得できるホーム選びのために気をつけること

現在元気な方にとっては、なかなか考えづらいことかもしれませんが、加齢とともに運動能力が低下していきます。病気や事故により突然要介護・要支援状態になる可能性も高まります。

誰しも「周りの人に迷惑をかけたくない」思われますが、特に単身の方の場合、家族の支援が受けられないため、お元気なうちから準備をしっかりしておくことが大切です。

もしも認知症になったら、もしも病気になったら、もしも終末期を迎えたら、という場合に備えて財産管理委任契約・任意後見契約といった法的な備えを行う専門家との連携も重要です。

老後の生活において何を重点に置くかは人それぞれ違います。

これまで自宅では出来なかったことも、ホームに入居することで趣味の時間を多く割くことが出来たり、他の入居者との交流ができるようになるなど、生活スタイルの変化や精神的なゆとりが生じることもあるはずです。

介護が必要になったときでも、これまで構築してきた生活習慣を壊さないようにして最後まで自分らしい生活を送ることが出来るホームを選ぶことが重要と言えます。 




まとめ

お元気な方が老人ホームを探す場合、居室面積や日当たり、アクセスの良し悪しなど、現在の元気な身体状態を基準に考えてしまいがちです。

しかし、将来的に要介護状態になることを想定すると、最初は広めの自立居室に入居し、途中から介護居室への住み替えが出来るような老人ホームであれば、住み替えの負担も最小限に抑えることができます。

一方で、要介護状態になると退去しなければいけなかったり、居室間の移動に高額な追加費用がかかるホームもあるので、入居条件や費用については事前によく確認しておきましょう。

まずはご自身がこれからどんな生活を送りたいのかをイメージし、そのうえで上記に挙げた種類のホームそれぞれの特徴を踏まえて、ご自身の望む生活にどのように近づけていくかを考えていきましょう。


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このQ&Aに回答した人

西村 英記
西村 英記(介護保険の評価調査員/外部評価、第三者評価)

かず総合コンサルティング研究所/エリアマネージャー
行政書士法人御池事務所/行政書士
これからの人生を楽しく過ごすための終活トータルサポートを行う。