質問

遠方で一人暮らしをしている要支援2の父親が心配です。
同居を打診しましたが、住み慣れた土地を離れたくないという意思が強いため、将来的に介護度が重くなったら老人ホームへの入居も選択肢として考えています。
その場合、老人ホーム探しはいつごろから始めればよいのでしょうか?

回答
中村 真佐子

入居するご本人が、納得し、満足度が高い老人ホームに入居するためのタイミングは、本人が元気なうちです。

元気なうちというのは、自分の足で老人ホームの見学に行くことができ、ホーム側の説明もしっかり理解できる事を意味します。 中村 真佐子(マイアドバイザー®登録FP)

【目次】
  1. 1.元気なうちに老人ホームを探す理由
  2. 2.老人ホーム探しのタイミングは親が元気なうちに
  3. まとめ

1.元気なうちに老人ホームを探す理由


老人ホームは、入居する本人の生活の場となるので、できれば本人主導でホーム探しをすることが理想です。老人ホーム探しで重要なのは、「見学」と「体験入居」です。そのホームが入居者本人に合っているかの良し悪しを判断するためには、複数の老人ホームを見学し比較する必要があります。

また、見学の際は、設備、介護体制、居室、費用、入居条件等、ホーム側の説明は多岐にわたります。老人ホームからの説明を理解することも見学の際には必要となります。
老人ホーム探しは、内部を見学し、説明を聞くということの繰り返しとなりますので、このようなことをこなせるのは、やはり「入居する本人が元気なうち」なのです。


2.老人ホーム探しのタイミングは親が元気なうちに


子ども主導での老人ホーム探しも親が元気なうちが望ましいです。ただ、いきなり親に「老人ホーム探しをしよう」といっても、親は納得して一緒に行動を起こしてくれるでしょうか。

親とのコミュニケーションと資産管理

老人ホームには様々な種類があります。まず何から始めればよいのか悩む方も少なくありません。具体的にどこの老人ホームにするかということよりもまずやっておくべきことは、「親子のコミュニケーション」「親の資産の確認」です。

信頼関係を築くためにコミュニケーションを密にする

親の身体が元気で、自宅での生活に不自由がないうちは、老人ホーム探しといってもなかなか実感がわかないもの。

特に、自宅での生活を望んでいる場合、子どもが親へ老人ホーム探しを促すのは難しいでしょう。

子どもが遠方に住んでいて、親の介護を担えない場合は、老人ホーム選びを先に話題にするのではなく、将来のことについてよく話をすることから始めましょう。

例えば、介護が必要となった時に「どこで」「誰に」介護をしてもらうのか?という希望を引き出します。

また、配偶者が亡くなった後、一人暮らしは大丈夫なのか?という疑問も解消しておきましょう。老人ホームの中には、介護をメインに行うところだけではなく、身の回りのことを自分でできる方が入居する老人ホームもあります。

このように、不安を解消するための手段として、老人ホームという選択肢を伝えるとよいでしょう。親子のコミュニケーションが良好なら老人ホーム探しもスムーズに進む可能性が高くなります。

老人ホーム探しをする前に資産を確認

老人ホーム探しをする前に、本人の年金や資産を確認します。老人ホームでのくらしには、相応の費用が掛かります。そのため、親の資産で費用負担がどの程度できるのかを確認しましょう。

老人ホームにかかる費用は、大きく分けて「初期費用」と「月額費用」の二つに分かれます。初期費用はまとまった資金(入居一時金)が必要なところと、かからないところ(入居一時金なし)があります。

月額費用は年金で賄えることが理想ですが、足りない場合は、預貯金などの資産を取り崩していくことになります。親の年金や資産が乏しい場合、子どもが援助できるのかどうか検討も必要です。

このように、年金や資産に見合う老人ホームを優先することで、探す効率が良くなります。


2-2.本人が納得する老人ホーム探しを

子ども主導での老人ホーム探しは、親が元気なうちが望ましいです。親子で老人ホーム探しを一緒にすることは、親にとっても安心でしょう。本人が納得することが一番です。

本人が理解しづらい細かな契約の内容などは、子どもがフォローし、親にわかりやすく説明をしてあげましょう。親が抱いている疑問や不安は老人ホーム側に確認するとともに、親が言葉にしづらいことなども、子どもがフォローしましょう。

あくまで親が住む場所ですので、親の想いを尊重し、子どもの意向や都合を前面に出すのは控えましょう。このように親の意思や判断力がしっかりしていること、すなわち元気なうちが老人ホーム探しのタイミングとしては望ましいのです。


まとめ


実際の所、親が病気やケガで入院したことをきっかけに、「親の老人ホームを探さなければならなくなった」というケースは少なくありません。住み慣れた地域で老人ホームに入居することが望ましいのですが、場合によっては「遠方の老人ホームにしか空きがなかった」ということもあります。

退院後に家に帰ることができず、見知らぬ地域の老人ホームに直接入居するとなると不安も大きくなるでしょう。そのため、元気なうちに親の意向を確認し、老人ホーム探しを一緒にしておくことで、いざという時に慌てずに済みます。

自宅周辺で条件に合う老人ホームがないということが事前にわかっていたら、少し地域を広げて探すこととなります。病気やケガで体調が弱っているときに、いきなり見知らぬ土地へ行くよりは、早い段階で下調べをしておくことで親の不安も軽減されるでしょう。

本人が納得し、満足度が高い老人ホームに入居するためには、本人が元気なうちから施設探しをすることです。日頃から親子のコミュニケーションを図り、親子とも納得のいく老人ホーム探しを進めていきましょう。

関連リンク>意外とかかる!入居までの流れ

このQ&Aに回答した人

中村 真佐子
中村 真佐子(マイアドバイザー®登録FP)

ファイナンシャルプランナーとして、住宅ローン・教育資金など、若い世代の普通の家庭におこりうるお金周りの相談は、生活者目線を大切にしています。
社会福祉協議会で生活支援員としての活動もしており、高齢者や障害者の介護、住み替え、成年後見制度分野の相談も得意としています。