質問

独居の母が老人ホームへ入居することになりました。老人ホームへの引っ越しは家族だけで行うものでしょうか。

また、母の自宅は処分する予定ですが、すぐには捨てられない物も沢山あります。皆さんどうされているのでしょうか。

回答
西村 英記

引っ越しの際に運び入れる荷物の量によって、「家族だけで行う場合」と、「引っ越し業者に頼む場合」があります。また、転居時にすぐに物が捨てられない場合は一時的に「トランクルーム」等に預ける方も増えています。

入居する老人ホームが決まると、入居の準備を始めますが、実際に引っ越す際には周りの方の協力も必要となります。

ここでは引っ越しをする際に、どんな点に注意すべきか解説していきます。 西村 英記(介護保険の評価調査員/外部評価、第三者評価)

【目次】
  1. 1.老人ホームへの引っ越しの方法とは
  2. 2.居室に持ち込んでよいもの、いけないもの
  3. 3.病院を退院して、そのまま老人ホームへ入居する場合
  4. まとめ

1.老人ホームへの引っ越しの方法とは

少々の荷物であれば、ご家族がクルマや軽トラックなどを運転し身内だけで引っ越しすることも可能です。しかし、運搬時にホームの壁や床に傷をつけてしまうと補償問題になることもあります。そういったことが不安であれば、プロの引っ越し業者に任せる方が良いでしょう。


老人ホーム向けの引っ越しサービスを活用する

一般の引っ越し業者に依頼しても問題ありませんが、最近では老人ホームなど介護施設への引っ越しを得意とする引っ越し業者もあります。こういった業者の場合、家財道具の荷作り・搬出・輸送、設置といった部分にとどまらず、不用品の処分、家事代行、各種手続きの代行まで含めて、一貫したサポートをしているところもあります。


同居か別居かで家財整理の手順も変わる

専門業者への依頼が必要なのかどうかは、入居前にご本人と一緒に暮らしているかどうかで大きく変わります。同居していれば、必要な荷物は何か、どこを探したら必要な物が出てくるのかなど、引っ越しの主導権を家族が握ることができるため、比較的容易に手続きが進みます。

しかし、一緒に住んでいなければ、家族にはどこに何が置いてあるのかわかりません。早い段階から家財整理に取り掛かることが必要です。書類や印鑑等の重要物の置き場所を確認し、要る物と要らない物の仕分けに時間を割かなければなりません。


トランクルームを活用する

居室の面積は必ずしも広いとは言えません。一般的な個室の場合18㎡(11畳)程度となります。よほど豪華な老人ホームでない限り、居住スペースは引っ越し前より狭くなりますので、荷物の取捨選択が必要です。

また、本人の同意なしに自宅の物を勝手に処分すると、トラブルの原因になります。狭い居室に荷物を多く持ち込めない方や、入居に合わせて自宅を処分する予定だがすぐに荷物を処分できないのために、トランクルームやレンタル倉庫のようなサービスを利用し、一時的に預けるという方法もあります。


2.居室に持ち込んでよいもの、いけないもの

居室内に持ち込んでよいもの、逆に持ち込んではいけないものについては、入居先のホームの規程を確認したり、直接担当者に問い合わせてみましょう介護ベッドや照明のように、最初から備え付けの物もありますし、規則で購入しなければならないとされているものもあります。

下記は、持ちこんで良いもの、禁止しているものを簡潔にまとめたものです。入居時の参考にしてみてください。

【入居に最低限必要】

 →衣類、タオル、シーツ、洗面用具、整理タンスなど

【持ち込み禁止】

 →火器類、刃物類など

【備え付けとして多いもの】

 →照明、エアコン、介護ベッド、寝具など

【入居後に入居者が購入するもの】

 →消耗品類(歯ブラシ、おむつ、ティッシュ、トイレットペーパーなど)

※あくまで一例であり、各ホームによって異なります。


家族としては、「せっかくだから新しいものを揃えてあげよう」と思っていても、入居する本人にとっては「使い慣れたものが良い」と言われる場合もありますので、ご本人の希望を出来る限り尊重すべきです。

また、入居してからも「今度来るときにあれを持ってきて」と言われることも想定されますので、一気に全て揃えようとせず、必要と思った時にその都度持ち込むようにしましょう。


3.病院を退院して、そのまま老人ホームへ入居する場合

病院から退院を促され、切羽詰って老人ホームへ入居をしなければならない方もいらっしゃいます。そういった場合、自宅へ戻らず直接老人ホームへの入居準備を行いますが、自宅から老人ホームへ入居する場合と同様に、家族が引っ越し手続きを行うのが基本です。

病院から老人ホームへのご本人の移送を、これから入居する老人ホーム側が対応してくれる場合もあります。予め確認しておくとよいでしょう。

また、入居手続きと同時に、退院・退所の手続きも必要となりますので、手間を省けるよう出来る手続きから早目に済ませておきましょう。

入院中の看護状況をそのまま引き継ぐために、入居の際には「健康診断書」や「診療記録」といった書類の提出が必要になります。これらは病院に依頼してから入手するまで相応の時間がかかります。入居に向けて検討する際、早めに入院先の病院に依頼しておきましょう。



まとめ

「荷物の整理・梱包、不用品の処分、清掃、荷物を預ける」など、引っ越すまでに沢山の手順が必要ですが、このような手続きをワンストップで対応する専門業者もあります。

引っ越しはご本人だけでなくご家族にとっても心身ともに負担となります。少しでも負担軽減となるように、専門業者を活用してみてはいかがでしょうか。

引っ越しはこれからの生活のスタートであると同時に、これまでの生活の流れを継続させるものでないといけません。

住み慣れた場所を離れることで体調を崩したり、ストレスを抱える方も多く見受けられます。ご本人が新しい生活に慣れるまでは、できるだけ訪問したり、一緒に外出して食事をするなど、ご家族ならではの精神的なサポートをしてあげましょう。

このQ&Aに回答した人

西村 英記
西村 英記(介護保険の評価調査員/外部評価、第三者評価)

かず総合コンサルティング研究所/エリアマネージャー
行政書士法人御池事務所/行政書士
これからの人生を楽しく過ごすための終活トータルサポートを行う。