質問

独居の母が老人ホームに入居が決まりました。老人ホームへの荷物の搬入は家族だけで行うのでしょうか?何をもっていけばいいのかもわかりません。みなさんどうしていますか。

回答
髙杉 雅紀子

老人ホームへの引越しは、荷物の量によって家族だけで行う場合と、引越し業者に頼む場合があります。例えば、入居先に収納が少ない場合は整理ダンスなどが必要となります。自家用車での搬入が難しい場合は業者に依頼したほうがスムーズです。何を持参するのか整理してみましょう。

また、老人ホームには着替えや内履き、歯ブラシ、お薬など入居日から必要とするものがあります。逆に危険物など持ち込んではいけないものもあります。

ここでは入居時に必要な持ち物やあると便利な物。また引越しの際の注意点について解説します。入居の準備をするときに参考にしてください。 髙杉 雅紀子(AFP・2級ファイナンシャルプランニング技能士)

【目次】
  1. 1.入居時に必要なもの、持ち込んではいけないもの
  2. 2.老人ホームへの引越し方法
  3. 3.病院からそのまま老人ホームへ移り住む場合
  4. まとめ

1.入居時に必要なもの、持ち込んではいけないもの

入居時に最低限必要なもの、逆に持ち込んではいけないものについては、入居先のホームの規程を確認し、直接担当者に確認してみましょう。介護ベッドや照明のように、最初から備え付けの物もありますし、施設の規定で購入しなければならない物もあります。


下記は、持ちこんで良いもの、禁止しているものを簡潔にまとめたものです。入居時の参考にしてみてください。

1 最低限必要なもの

●衣類・下着
●室内用の靴・外用の靴
●タオル類(フェイスタオル・ハンドタオル・バスタオル)
●シーツ
●洗面用具・衛生用品(歯ブラシ・石鹸・爪切りなど)
●整理ダンスや収納ケース
●消耗品(ティッシュ・トイレットペーパー・おむつ)
●保険証等(介護保険証・障害者手帳など)
●お薬・お薬手帳
●かかりつけ医の診察券
高齢者の場合、体調が急変し医師の治療が早急に必要となる可能性があります。治療がスムーズにできるように保険証等は老人ホームで保管を求められる傾向です。

2 あると便利なもの

●手鏡
●娯楽などの趣味用品
●老眼鏡
●化粧品など保湿ケア
●加湿器
●電気ケトル
必要かどうか個人差はありますが、自宅にいる時によく使用していたものを持参しておくといいでしょう。

3 持ち込み禁止なもの

●火器類
●刃物類
発火するような、電子レンジやライターなどは持ち込みできません。また、仏壇は持ち込み可能ですが、ろうそくや線香も基本的には持ち込みできません。火をつかわないLEDタイプのろうそくを利用しましょう。

※あくまで一例であり、各ホームによって異なります。

家族としては、「せっかくだから新しいものを揃えてあげよう」と思っていても、入居する本人にとっては「使い慣れたものが良い」と言われる場合もあります。ご本人の希望を出来る限り尊重しましょう。

また、入居してからも「今度来るときにあれを持ってきて」と言われることはよくあります。一度にすべて揃えようとせず、必要と思った時にその都度持ち込むようにしましょう。


2.老人ホームへの引越し方法


少々の荷物であれば、ご家族がクルマや軽トラックなどを運転し身内だけで引越しすることも可能です。しかし、運搬時にホームの壁や床に傷をつけてしまうと補償問題になることもあります。そういったことが不安であれば、プロの引越し業者に任せる方が良いでしょう。


老人ホーム向けの引越しサービスを活用する

一般の引越し業者に依頼しても問題ありませんが、最近では老人ホームなど介護施設への引越しを得意とする引越し業者もあります。こういった業者の場合、家財道具の荷作り・搬出・輸送、設置といった部分にとどまらず、不用品の処分、家事代行、各種手続きの代行まで含めて、一貫したサポートをしているところもあります。


同居か別居かで家財整理の手順も変わる

専門業者への依頼が必要なのかどうかは、入居前にご本人と一緒に暮らしているかどうかで大きく変わります。同居していれば、必要な荷物は何か、どこを探したら必要な物が出てくるのかなど、引越しの主導権を家族が握ることができるため、比較的容易に手続きが進みます。

しかし、一緒に住んでいなければ、家族にはどこに何が置いてあるのかわかりません。早い段階から家財整理に取り掛かることが必要です。書類や印鑑等の重要物の置き場所を確認し、要る物と要らない物の仕分けに時間を割かなければなりません。


トランクルームを活用する

居室の面積は必ずしも広いとは言えません。一般的な個室の場合18㎡(11畳)程度となります。よほど豪華な老人ホームでない限り、居住スペースは引越し前より狭くなりますので、荷物の取捨選択が必要です。

また、本人の同意なしに自宅の物を勝手に処分すると、トラブルの原因になります。狭い居室に荷物を多く持ち込めない方や、入居に合わせて自宅を処分する予定だがすぐに荷物を処分できないのために、トランクルームやレンタル倉庫のようなサービスを利用し、一時的に預けるという方法もあります。


3.病院からそのまま老人ホームへ移り住む場合

病院から退院を促され、切羽詰って老人ホームへ入居をしなければならない方もいらっしゃいます。自宅へ戻らず、病院から直接老人ホームへの入居準備を行います。一般的に、この場合も家族が引越し手続きを行います。

老人ホーム側が移送してくれることも

病院から老人ホームへのご本人の移送を、これから入居する老人ホーム側が対応してくれる場合もあります。病院からの距離や時間を予め確認しておくとよいでしょう。

退院時・入院時の手続き

また、病院の退院手続きと同時に、老人ホームの入居手続きが必要となります。手間を省けるよう、提出書類の作成など出来る手続きから早目に済ませておきましょう。

入院中の看護状況をそのまま引き継ぐために、入居の際には「健康診断書」や「診療記録」といった書類の提出が必要になります。これらは病院に依頼してから入手するまで相応の時間がかかります。入居に向けて検討する際、早めに入院先の病院に依頼しておきましょう。



まとめ

老人ホームに持ち込めるもの、持ち込めないもの、そして引越し方法についてみてきました。

老人ホームの入居を決める経緯は、様々なケースが考えられます。急いで入居の手続きをするときは、手続きを見落として、余分な費用や労力を費やしてしまうこともあります。

例えば、手続きに必要な書類で取り寄せが必要な印鑑証明や住民票・健康診断書などがあります。慌てていると提出書類を取り寄せすることを見落としてしまうかもしれません。その場合、再提出するため数回老人ホームに行くか郵送する手間が必要になります。

親が入院し、退院後も介護が必要と予想されるときには、早めに入居準備を始めましょう。また、同居・別居にかかわらず、家財整理をスムーズに対処できるように日頃から親とコミュニケーションをとっておくことが大切です。



このQ&Aに回答した人

髙杉 雅紀子
髙杉 雅紀子(AFP・2級ファイナンシャルプランニング技能士)

生命保険会社を約8年勤務後、住宅建築の建設会社に16年勤務。現在も建設会社で住宅取得資金や住宅ローンアドバイスを実施。さらに、ファイナンシャルプランナーとしてライフプランをもとに教育資金や自営業者の老後資金、保険見直しなどのアドバイスを行う。親の介護、義父母との同居の経験を活かし、相談業務や執筆活動をしています。また、子育て支援団体やひとり親支援など地域活動にも積極的に参加しています。