みなさんは、老人ホームと聞いてどんな光景を思い浮かべますか?

もしも、入居者がぼうっとテレビを眺めているような寂しいイメージをお持ちでしたら、ぜひ埼玉県入間市にある介護付き有料老人ホーム『SOMPOケア ラヴィーレ入間』を訪ねてみてください。

そこでは、入居者同士が明るく談笑し、散歩や詩吟、フラワーアレンジメントなどのレクリエーションを楽しむ姿が見られるでしょう。元気な入居者が多く「本当に老人ホームなの?」と疑ってしまうかもしれません。

家族だと思って接すると、心が通じ合う瞬間がある

【自分らしく過ごせられる、居心地のよい共同空間】

この雰囲気の良さは一体どこから来るのでしょうか。ホーム長の須田慶子さんにお話を伺いました。

【自分らしくいられる空間づくりを熱く語るホーム長の須田さん】

——ホームを拝見しましたが、とても和やかな雰囲気ですね。入居者のみなさんの明るい表情が印象的でした。

須田さん:見学にいらした方からも「ホームの雰囲気がとても良くて驚きました」とよく言われます。老人ホームに対し多少なりともネガティブな印象があるかもしれませんが、実際に暮らしている方の様子を見ることで、「ここなら親を任せられる」と安心されるようですね。

玄関横のラウンジで寛がれていた入居者のみなさん。話しかけると、にこやかな笑顔を向けてくれました。

【ラウンジで寛がれていた入居者のみなさんが、にこやかな笑顔を向けてくれました】

——どうやったらこの雰囲気が生まれるのでしょうか。

須田さん:日頃のコミュニケーションの積み重ねだと思います。そのひとつが入居者様のお話を傾聴すること。すべての入居者様に対して、何がお好みで何が苦手なのかを聞き取り、可能な範囲で個別対応しています。時にはうまくいかずにお叱りを受けることもありますが、その経験を次に活かし、入居者様の快適な生活やストレス軽減となるように努めています。

——具体例があれば教えてください。

須田さん:たとえば、認知症をお持ちの入居者様がいらっしゃいます。ある方は入居して間もない頃、5分おきに「家に帰りたい」と仰り、ホームの外に出ようとされていました。

環境の変化により不安になる方は多くいらっしゃいます。そこで、帰りたいと仰られる度に一緒に外出しお話を聞くということを毎日繰り返しました。その結果、次第にお気持ちも安定し私たちスタッフとも笑顔で話をしてくださるようになりました。

入居者様の穏やかな姿を見る度に、「真摯に向き合ってよかった」と嬉しくなりますね。

【庭に飾られた盆栽は入居者がご自宅から持ってきたもの】

入居者を”家族”と思い親身な対応を心掛ける

——個別に外出するなんて、効率を考えると中々できないことだと思います。

須田さん:正直に申しまして、価格だけで比べるとここラヴィーレ入間よりも低価格な有料老人ホームはたくさんあります。その中で、入居者様やご家族様は何を期待してここを選ばれたのかを考えます。

やはり、「本人らしい生活」や「尊厳を持った生活」を送ることを望まれて選んでくださったと思います。その期待にきちんと応えるためにも、個別対応を重要視しています。自分の親や大切な人だったら、効率を優先するようなことはしませんよね。

だからスタッフには常に、「自分の身近な人に置き換えて接してください」と話しています。

入居者から孫のように可愛がられている若手のスタッフもいるようです。

【若いスタッフは入居者から孫のように可愛がられているとか】

——スタッフと入居者が楽しそうに話をされていて、いい人間関係ができているんだなと感じました。

須田さん:スタッフに対しては「手間を惜しまないこと」をよく指導しています。例えば、食事のときは車いすの方にもダイニングのいすに移乗していただきます。

正直なところ、車いすのまま召し上がっていただくほうがスタッフの負担は少ない。でも、移乗することは入居者様にとっても運動になり、他の入居者様と同じように座って食べることが、気持ちの面でもいい刺激になりますからね。

豊富なレクリエーションで毎日を楽しく

——レクリエーションの時間も大事にされているそうですね。

須田さん:「レクリエーションの豊富さは日本一!」と自慢できるくらいです。毎朝実施しているのが体操と青空散歩。カラオケや演奏会など日替わりのものもあり、1日に5つ以上のメニューを用意しています。

介護度は人によって差がありますが、体操なら難しいものと簡単なものとで2種類に分けるといった工夫をしています。

入居者様ご自身がレクの講師となっていただくこともあるんですよ。人に何かを教えるのは、自信につながりますよね。老人ホームに入居すると社会との接点がなくなると思われがちですが、できるだけ広く人と関わる機会をつくれたら、と思っています。 

ラヴィーレ入間で実施しているレクリエーションのひとつ、アート教室。

【ラヴィーレ入間で実施しているレクリエーションのひとつ、アート教室】

——一方的にプログラムを提供するのではなく、自分で好きなものを選択したり、誰かに教える機会があることはいいですね。

須田さん:『SOMPOケア ラヴィーレ入間』はオープンして3年が経ちますが、その間、入居者様の平均介護度はほとんど変わっていません。それは、レクを積極的に取り入れているからではないかと思っています。

毎朝決まった時間に起きて朝日を浴び、適度に運動してよく食べ、しっかりとコミュニケーションをとる。それが身体機能の維持や、認知症の進行を遅らせることに役立つと考えています。

また、近くの古民家カフェで食事をしたり、バスで鎌倉まで足を伸ばすこともあります。外出は様々なリスクも伴いますが、ご自宅で暮らしていたら外出するのは当たり前のことですよね。「ホームだからできない」と閉塞感を感じるようなことは極力少なくしたいんです。

入居者様も「一週間後の外出に向けて体調を整えよう」と楽しみにしてくれています。目標ができると、生活にメリハリが生まれますからね。

−−レクリエーションを通して入居者同士の仲も深まりそうですね。

須田さん:現在90名入居されていますが、それぞれコミュニティをつくって楽しんでくださっています。お元気な方が車いすの方にコーヒーを持ってきてあげるなど、自主的に助け合っている一面もあります。

——敷地内に日本庭園や菜園があるところも素敵だなと思いました。

須田さん:天気のいい日はみなさん日光浴されて、四季折々の花や緑を楽しんでいます。菜園で育てたブロッコリーを料理に使ったり、ハーブ教室を開いたりもするんですよ。

庭の花壇には四季折々の花が植えられています。植物好きの方には嬉しい環境ではないでしょうか。

【四季折々の緑と花が彩る菜園】

未経験からの介護業界、そしてホーム長へ

——須田さまはいつからこちらのホームにいらっしゃるのですか?

須田さん:私はラヴィーレ入間がオープンしたときに事務職員として入ったんです。それまではフィットネスクラブの事務をしていました。全くの未経験からヘルパー二級(現:介護職員初任者研修)を取得し、系列ホームで責任者を務めた後、2015年10月にここへホーム長として戻ってきました。

——すごいスピード出世ですね。

須田さん:SOMPOケアネクストはスタッフの”想い”を大切にしている会社なんです。もちろん経験や技術も大事ですが、入居者様が快適に生活していただけるようにという強い想いを持ちながら日々努力してきました。私は未経験でまっさらな状態で入ってきたので、前任のホーム長の想いや姿勢を素直に受け入れることができました。そこも良かったのかもしれません。

【ご入居者と心の通じ合う、心地よい生活の場をつくるため工夫する毎日】

——介護施設を選ぶ際のポイントはどこだと思いますか?

須田さん:私の場合、ホームのスタッフを見ると思います。挨拶ができているか、話すときに目線を合わせているか、車いすを押すスピードは速すぎないか。とにかく、対応が事務的になっていないかを注意して見ます。

そして、入居者様の表情です。ソファで一人ぽつんと過ごしていないか。誰かと一緒にいたとしても、暗い顔をされていたら満足はしていない、ということだと思います。

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——男性入居者の場合は、中々コミュニティに入れないことも多いのではないでしょうか。

須田さん:そうですね、女性は積極的に友人をつくる方が多いですが、男性はそれが難しい方もいらっしゃいます。でも、無理にコミュニティに入れることはしません。

一人で過ごしてきた時間が長い方もいますし、静かに読書をすることが好きな方もいます。そういう方に仲間作りを強いると、逆に負担になってしまいますから。そのため、新しく入居された方にはできるだけ私が寄り添って、どんな暮らしを望んでいるのかを見極めるようにしています。

1月末に入居した方は将棋が好きだということがわかったので、スタッフの子どもが遊びにきたとき、一緒に将棋をしてもらったんです。そうすると、ほかの入居者様も集まってきて、その子と交代して将棋をさしたりして。そうやって自然な形で溶け込んでもらうことが一番いいと思っています。

【”日本一の雰囲気のよい施設”に向け、日々邁進する須田ホーム長】

——今後の展望があれば教えてください。

須田さん:日本一雰囲気の良いホームでありたいですね!そのために常に考えているのは、「もし自分の親をこのホームに入れるとしたら」ということ。そういう意識があるかないかで、日々の仕事の仕方は全く変わってくると思います。忙しいときこそ原点に立ち返る、それに尽きると思います。

SOMPOケア ラヴィーレ入間の取材を終えて

須田ホーム長のお話を伺い、スタッフのみなさんが家族に接するように入居者に接しているからこそ、この和やかな雰囲気が生まれるんだなと実感しました。「老人ホームを検討したいけど不安...」という方にこそ、ぜひ見学していただきたい老人ホームだと思いました。

(記事中の内容や施設に関する情報は2016年10月時点の情報です)