子どもがおらず、二人暮らしの将来に不安を抱えていた阪本清さん・静代さんご夫妻。清さんの体調悪化を機に、介護付き有料老人ホーム「さくらの杜」へ入居しました。24時間の支援のもと、清さんは歩行器で歩けるまでに回復。ご夫妻はそれぞれ好きな活動を選び、入居者も準備から加わる多彩なイベントを楽しんでいます。今では「ここに来てよかった」と語るお二人に、入居を決めた経緯と安心を得るまでの歩みを伺いました。



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酸素ボンベと車椅子の生活から、歩行器で歩ける元気な日常へ


──ご入居のきっかけを教えてください。

静代さん:私たちには子どもがいないので、「いつかは施設に入らないといけない」と考えていました。二人で暮らしていましたが、料理や毎日の買い物もだんだん大変になっていました。

静代さん:そんな中、2025年1月に夫が結核で倒れ、入院することになりました。退院後は自宅に帰ってこられるとばかり思っていたんです。でも、それは難しいと分かって。以前からお付き合いのあるケアマネジャーさんに相談し、こちらを探してもらいました。どんな施設がよいか、ゆっくり考える余裕もありませんでした。

清さん:私は昭和8年生まれで妻は昭和12年生まれです。3人兄弟で、上の二人はもう亡くなっています。妻と二人で暮らしていましたが、身近に頼れる人がいなかったので、心配は大きかったです。

──急に決まったご入居だけに、不安も大きかったのではないでしょうか。

静代さん:入居当初夫は酸素ボンベをつけて車椅子に乗っていました。それまで元気だった人なので、そんな姿を見るのは初めてで、とても心配でした。初めての施設での暮らしも不安でいっぱいでしたが、その不安はスタッフのみなさんの対応によってやわらいでいきました。

ここに来てよかったのは、何より安心できることです。24時間、何かあればスタッフさんが駆けつけてくださる。それが何より心強かったです。

清さん:入居した頃は車椅子を使っていましたが、ベッドからトイレまで手すりを設置してくれて、スタッフさんが付き添って歩く機会をつくってくれました。そのうち、もっと歩きたいと思うようになり、歩行器を使った訓練を始めました。

──最初から長い距離を歩かれたのですか。

清さん:いえ、少しずつです。最初は自分の部屋からエレベーターの前まで歩いて、そこから食堂までは車椅子で移動していました。

当時はまだ酸素ボンベを使用していて、少しの運動でも息切れしていました。そこでスタッフさんが歩行のたびに体調の変化を確認してくれました。次第に息切れしなくなり、歩ける距離も延びて、部屋から1階の食堂まで歩行器で移動できるようになりました。歩いても酸素の数値が下がらなくなって、お医者さんと相談して酸素ボンベも外すことができました。

──入居当時と比べると、ずいぶんお元気になられました。

清さん:入院したときは、結核と聞いて本当に驚きました。まさか自分がそんな病気になるとは思っていませんでした。でも、今はもう元気です。

現在も食堂と部屋の間を歩行器で移動し、日中にはスタッフさんと一緒に廊下を歩いています。まだ一人で自由に行き来できる段階ではありませんが、少しずつできることが増えています。

静代さん:入居した頃を思うと、ここまで元気になるとは想像できませんでした。みなさんの努力と優しさに、本当に感謝しています。


好きな活動を自分で選び、二人がそれぞれの時間を楽しむ


──ご夫婦は、同じお部屋で暮らしているのですか。

静代さん:同じフロアにいますが、部屋は別々です。それぞれ自分の部屋があるので、好きなように過ごしています。一緒に参加する催しもありますが、興味のあるものが違えば別々に参加します。私はレクリエーションが好きなので、いろいろ参加しています。イベントがあるときはスタッフさんと一緒にいろんなものを手作りしますし、フラワーアレンジメントも楽しんでいます。

清さん:私は習字を楽しんでいます。この年になって初めて真面目に取り組んでいますが、やればやるほど面白くなってきました。

静代さん:ずっと一緒にいなくても、同じフロアに夫がいると分かっています。お互いに自分の時間を過ごしながら、会いたいときにはすぐに会える。私たちには、この暮らし方が合っているように思います。

──入居前から続けている習慣もありますか。

静代さん:私は昔から通っている美容院へ行っています。施設内にも訪問美容はありますが、やっぱり長くお世話になっている美容師さんにお願いしたいので、介護タクシーを使って出かけます。かかりつけの病院への通院も続けていますし、買い物や自宅へ行くこともあります。施設に入ったからといって、外へ出られなくなったわけではありません。

清さん:私には、夕食前に焼酎を飲みます。医師の許可をもらって、毎日ショットグラスに1杯だけ飲んでいます。少しの量ですが、それが毎日の楽しみなんです。施設に入っても、以前から好きだったお酒を楽しめるのはうれしいです。

静代さん:施設長さんも「施設に入ったら終わりではなく、そこから自分たちの生活スタイルを築いてほしい」と話してくれました。どうすれば自分たちの好きなことができるかを考えてくれるので、本当にありがたいです。

夫は夫の楽しみを、私は私の楽しみを持ちながら、同じ場所で安心して暮らしています。二人でいても、それぞれが自分らしく過ごせることが、ここでの暮らしの心地よさにつながっています。

入居者も準備から加わり、みんなで楽しむイベントの数々

──こちらでは、さまざまなイベントが行われているとお聞きしました。

静代さん:いつもイベントを楽しみにしています。夏祭りでは、かき氷やたこ焼き、綿菓子が並んで、射的やヨーヨー釣りもありました。お正月には館内に神社までつくるんです。スタッフさんが巫女さんの衣装を着て、本当の初詣のように楽しませてくださいました。

清さん:父の日にはカラオケ大会がありました。会場にミラーボールまで用意されていて、本格的でした。スタッフのみなさんも一緒になって盛り上げてくださるので、本当に楽しかったです。

静代さん:ハロウィーンやクリスマスには、スタッフさんが衣装を着たり、メイクをしたりします。とても似合っている方もいれば、思わず笑ってしまうような格好の方もいて、それも楽しみの1つです。夏には、駐車場から狭山池の花火も見ました。狭山池は地域のみなさんに親しまれている場所で、施設のすぐそばにあるんです。2階の談話室からも池がよく見えるんですよ。

──イベントは、スタッフのみなさんが準備されるのですか。

静代さん:スタッフさんだけではなく、私たちも飾り付けや道具作りを手伝います。用意されたものを見るだけではなく、準備から一緒に参加できるんです。ここは何でも手作りなのがいいと思います。みんなで少しずつつくり上げていくので、当日を迎えるのが楽しみになります。

清さん:入居者もスタッフさんも一緒になって楽しんでいます。スタッフさんが本気で取り組んでいるから、私たちも自然と楽しい気持ちになれます。

──スタッフのみなさんとは、普段どのように接していますか。

静代さん:みなさん、いつもニコニコしていて気持ちがいいです。忙しいときでも嫌な顔をされたことがありません。何かをお願いしたときも、きちんと話を聞いてくださいます。介護をするだけでなく、入居者が安心して暮らせる雰囲気をつくることも大切にされています。

清さん:私も、みなさんにはよくしてもらっています。家族がいたとしても、ここまで頼りにできるだろうかと思うほどです。

静代さん:「さくらの杜にいるのよ」と友人に話したら「あそこはいい施設よね」と言ってくれて、自分たちまで褒められたようでうれしくなります。

急に入居が決まったときは、夫の体のことも、これからの暮らしのことも不安でいっぱいでした。でも今は、夫も歩けるまでに元気になり、お互いに好きなことをしながら、季節の行事も楽しんでいます。何かあればいつでも頼れる方がそばにいてくださるので、毎日安心して過ごせます。夫と二人で、「ここに来てよかった」と思っています。