熊本県の高齢者の住みやすさ
時点の情報
熊本県は九州の中央に位置し、全面積の約6割が森林です。県北部には比較的緩やかな山地が広がり、東から南にかけて標高の高い山々に囲まれています。西エリアは有明海や八代海があり、海も山もある自然豊かなエリアです。
熊本県内には多くの病院が点在しているため、万一のときにも迅速な対応ができます。また、高齢化に伴う急激な医療・介護ニーズが増加することを想定し、「熊本県地域医療構想」を策定。
医療・介護従事者などの人材や施設が限られている中でも、各地域の関係者が連携することで、切れ間のないサービスを提供できるよう体制を整えています。
新幹線や高速道路が整備されていることで、九州各県の主要都市はもちろん、本州への交通アクセスの良さも魅力です。高齢者の家族が、休日を利用してお見舞いに訪れる際にも便利でしょう。
熊本県の老人ホームの特徴
時点の情報
熊本市を中心に、県内には施設などに入居して介護を受けられる施設が500施設を超え、うち特別養護老人ホームは300施設以上、介護老人保健施設は90施設以上あります。
視覚障害を持つ高齢者のための養護老人ホームもあり、求めるサービスに応じて施設選びが可能です。ただし、施設によっては空室がないケースもあるため、希望する施設に入居するためには待機しなければならないケースもあります。
また県内には、高齢者にふさわしい設備やサービスを兼ね備えたサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)が120施設以上あります。月の家賃は1万5,000円~23万円程度。共益費やサービス費などを含めると3万円~30万円ほどと、施設によって費用負担が異なります。
熊本県における有料老人ホームなどの相場は、全国相場と比べると安い傾向にある点が特徴です。
出典:熊本県「熊本県内の有料老人ホーム一覧等について(有料老人ホームをお探しの方へ)」
出典:熊本市「熊本市有料老人ホーム一覧」(PDF)
監修

- 小菅 秀樹(LIFULL 介護 編集長)
-
老人ホーム、介護施設の入居相談員として1500件以上の入居相談に対応。入居相談コールセンターの管理者を経て現職。
詳細プロフィール・監修記事一覧
熊本県の高齢者の生活に向けた取り組み
時点の情報
「長寿・安心・くまもとプラン」の策定
熊本県では、熊本県高齢者福祉計画・介護保険事業支援計画を策定しており、通称「長寿・安心・くまもとプラン」と呼ばれています。「高齢者が住み慣れた地域で健やかに暮らす」、「皆で支え合う」、「長寿で一人ひとりが輝ける」ことが目標です。
熊本県での介護サービス需要や介護サービスに伴う給付費は年々増加傾向にあります。その一方で介護保険料はほとんど変わりません。そのため介護を必要とする高齢者に、質の高いサービスを必要量提供するとなると、課題に目を向けて解決する必要があるのです。
この「長寿・安心・くまもとプラン」を実現するために、高齢者が活躍する社会の実現や自立支援の推進、認知症施策の推進や在宅医療の充実など重点分野を6つ設けて取り組んでいます。
出典:熊本県「第9期熊本県高齢者福祉計画・介護保険事業支援計画(長寿・安心・くまもとプラン)を策定しました」
認知症の医療・介護体制の整備
「長寿・安心・くまもとプラン」の重点分野に、認知症に対する施策の推進があります。高齢化が進むにつれて認知症の方が増える可能性が高く、熊本県においても認知症の高齢者が増えるでしょう。
そこで「介護」、「医療」、「地域支援・社会参加」の3つの柱を立てて、総合的に認知症施策を進める方針が取られています。介護においては、介護職員向けの研修を充実させ、認知症介護基礎研修や認知症対応型サービス事業開設者研修などを実施。医療では、認知症疾患医療センターを運営し、医師の対応力向上研修などが行われ、地域社会においては、認知症サポーターの養成や相談窓口の運営などが行われる予定となっています。関係各所が相互に連携し、早期に「発見・診断・対応」できる仕組みづくりを目指しています。
出典:熊本県「第9期熊本県高齢者福祉計画・介護保険事業支援計画」
多様な住まいやサービスの提供
高齢者一人ひとりが自分らしく生涯を過ごすには、住居環境も大切です。住み慣れた地域で希望通りの介護サービスを受けたいと思っていても、中山間などに住んでいる方は地域の特性上難しいこともあるでしょう。
熊本県では高齢者が住み慣れた地域で、地域の実情に合わせて必要な介護サービスを受けられるように施設や居住系サービスの整備を推進。高齢者向け住まいの拡充も予定しています。また、老朽化した施設や耐震化されていない施設もあるため、必要な改築が支援される計画となっています。
出典:熊本県「第9期熊本県高齢者福祉計画・介護保険事業支援計画」
在宅医療や介護の連携
住み慣れた地域で、安全にそして安心して生活するためには、適切に医療や介護を受けられるような基盤が整っていなければなりません。熊本県では、訪問診療や訪問看護の在宅医療体制の充実を推進しています。
具体的には、日常の療養支援では高齢者やその家族を支える観点から、在宅医療や介護サービスを提供。在宅療養者の急変時には、往診や訪問看護を行い、救急と情報を共有します。入院はもちろん退院する際も、入院医療機関と在宅医療機関、介護サービス機関と相互に連携・情報共有できる体制にし、サービスやケアをスムーズに提供。人生の最期についても、「自身がどうしたいのか」本人の意思を尊重した看取りができるように体制が整えられています。
出典:熊本県「第9期熊本県高齢者福祉計画・介護保険事業支援計画」
介護サービスの質の向上
地域包括ケアシステムをより充実させて広めるためには、介護人材を確保しなければなりません。ただし、人材を集めるだけではサービスの質にバラつきが出てしまいます。
熊本県では、高齢者などに適切かつ質の高い介護サービスを提供するために、さまざまな施策を実施。介護支援専門員に対する研修やキャリアアップ支援など、各種研修が充実しています。また、介護サービスの生産性をアップさせるために、介護ロボットやICTの導入を支援。介護施設に立入検査を行うなど、適切なサービスを提供しているのかをチェックする機会を設けています。
出典:熊本県「第9期熊本県高齢者福祉計画・介護保険事業支援計画」