質問

私はアメリカ国籍を持ち、現在アメリカ在住の70歳です。主人は既に亡くなっており一人で暮らしています。晩年は故郷の日本で暮らしたいと考えています。
日本国籍でない私が、日本の老人ホームに入居するにはどうすればよいでしょうか。

回答
西村 英記

基本的な老人ホームへの入居手続きとしては、日本人の場合と特段変更は同じです。入居を希望する老人ホームに申し込みをし、必要書類の準備や体験入居を経て、正式に本契約を締結する流れは変わりません。

今後も長年外国に住み続け外国籍を取得した方や、日本での生活が長くなり老後も日本で過ごすことにした外国人も増えてくることが予想されます。
ここでは、日本国籍以外の国籍を持つ高齢者が、これから暮らしていく中でどんなことに気をつければよいのか、という点を中心に見ていきたいと思います。 西村 英記(介護保険の評価調査員/外部評価、第三者評価)

【目次】
  1. 1. 条件を満たせば外国人も介護サービスを受けられる
  2. 2. 外国人が日本の老人ホームに入居するときの手続き
  3. 3. 外国人が入居する際に気をつけるポイントとは?
  4. まとめ

1. 条件を満たせば外国人も介護サービスを受けられる

適切な手続きに則り、「3か月を超えて在留する40歳以上の外国人(中長期在留者等)」は介護保険の被保険者となります。(以前は、1年以上滞在、外国人登録をした適法滞在者が被保険者)。

この条件にあてはまれば、日本人と同様の介護保険制度下のサービスを受けることができるとともに、日本人と同様に介護保険料を納めなければなりません。

参照:厚生労働省「介護保険制度の被保険者となる外国人住民の取扱いに関するQ&Aについて」より

また、外国人登録をして日本国内に居住する外国人は、医療保険料・介護保険料を支払えば、日本人と同様のサービスを利用することが出来ます。



2. 外国人が日本の老人ホームに入居するときの手続き

ホームごとに手続き方法

に違いがあるので、まずは入居を希望する老人ホームに直接手続きの流れを確認しましょう。
ホームの見学や体験入居など実際にホームに足を運んで入居後の生活イメージをつかむこと、また入居契約書重要事項説明書等を確認し、費用面やサービス面の詳細内容をしっかり把握することが主なポイントとなります。

また、自治体によって個別の対応がなされている場合もあるので、自治体の介護保険課等に確認が必要です。



3. 外国人が入居する際に気をつけるポイントとは?

では、実際に入居する際に気をつけるポイントとしては、どのようなものがあるのでしょうか。

入居者とスタッフのコミュニケーション

これは老人ホームのスタッフにも、他の入居者にも言えることですが、言葉の微妙なニュアンスをどこまで理解できているかが重要になります。

本当にサービス内容を理解しての受け答えなのか分かりづらかったり、言葉の意味を誤解して行動してしまうこともあるでしょう。もちろん入居者の国籍に関わらず、ホームのスタッフの方が対人コミュニケーションスキルを高めることも必要です。


生活習慣の違い

各入居者がこれまで過ごしてきた生活の中で価値観や判断基準が形成されますので、老人ホームに入居する年齢になると、個人個人の価値観は千差万別になります。

とりわけ、外国での生活が長い方は、本人が思っている以上に文化や慣習に違いがあります。「郷に入れば郷に従う」ではありませんが、日本式の生活習慣をどこまで受容できるか、どこまで分かろうとするか、が重要になってきます。

入居前からのコミュニケーション

入居相談でホームに足を運んだ際に、自分の生い立ちのこと、これまでの生活スタイルのこと、そして自分がどういったことに興味や関心を持っているのか、といった情報について予め開示することも必要です。

こうした入居前からのコミュニケーションが、実際に入居してからの円滑なやりとりに効果を発することになります。

例えば、レクリエーションで自分の馴染みのある遊びを取り入れてもらうことや、自分の好みに合う食事を考案してもらうなど、これまでの生活に近い暮らしを送ることができるかどうかを入居前に相談してみましょう。



まとめ

入居者の国籍によって、老人ホーム内で行われるサービス内容が異なることはありません。
また、多少の手続き上の違いはありますが、入居にあたっての流れもほぼ同じと考えて構いません。むしろ重要なのは、入居してからどのように過ごしていくかではないでしょうか。

ホームの職員や他の入居者とのコミュニケーションをいかに円滑にとることができるかがポイントとなるでしょう。そのためには、入居前からホーム担当者と密に連携をとり、入居にあたっての不安材料を解消していくことが重要です。

こういったことは、入居者すべてに該当することではありますが、これまでのなじみの文化を知ってもらうことや入居後のコミュニケーションを考えると、慎重に進めていく必要があります。過度に意識せず、しかし着実に準備を進めていきましょう。


このQ&Aに回答した人

西村 英記
西村 英記(介護保険の評価調査員/外部評価、第三者評価)

かず総合コンサルティング研究所/エリアマネージャー
行政書士法人御池事務所/行政書士
これからの人生を楽しく過ごすための終活トータルサポートを行う。