- 質問
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一人暮らしの母は、拘縮予防のため医療保険で訪問マッサージを受けています。ただ要介護状態のため、介護付き有料老人ホームへの入居を検討しているのですが、入居後も同様のマッサージを利用できますか?
(50代・主婦)
- 回答
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介護付き有料老人ホームに入居後も、医師の指示があれば医療保険の訪問マッサージを継続可能です。また施設に常勤する機能訓練指導員が「揉みほぐしによる拘縮予防や緩和」などを提供しているケースもあります。
その場合、現在受けている訪問マッサージと施術内容が異なるため、入居を検討している老人ホームへ確認しましょう。
- 【目次】
1.老人ホームでマッサージを受ける場合は
有料老人ホームや特別養護老人ホームなどの施設サービスで受けられるのは「マッサージ」ではなく「機能訓練」です。
そのため、老人ホームでマッサージを受ける場合は、医師の指示のもと、医療保険での訪問マッサージを利用する必要があります。両者は類似していますが、提供元の保険が異なります。
ちなみに、老人ホームで受けられる「機能訓練」とは、「揉みほぐしによる拘縮予防や緩和」などを目的に機能訓練指導員が実施するもの。機能訓練指導員とは、日常生活で必要な身体の動きを維持・改善するための訓練を行う職員です。各老人ホームに1人以上配置されています。
いずれの場合も、入居するホームのサービス体制や提供サービスの内容を事前に確認するとよいでしょう。
保険 | 施術者 | |
---|---|---|
訪問マッサージ | 医療保険 | あん摩マッサージ指圧師 |
機能訓練 | 介護保険 | 機能訓練指導員 |
2.訪問マッサージを受ける場合の注意点
入居したホームで訪問マッサージを受ける場合は、まず施設に相談してみましょう。施設が懇意にしているマッサージ業者があるようなら、紹介してもらうとスムーズです。
自宅で依頼していたマッサージ業者を継続したい場合も、必ず事前に施設側へ相談します。
付き合いのない事業者の利用を好まないホームもあるため、当該事業者の訪問マッサージを受けたい理由をしっかりと説明しましょう。
3.訪問マッサージに医療保険は適用される?
治療上マッサージが必要だと医師が認めた場合は、医療保険が適用されます。
なお、利用の際は自宅で訪問マッサージを受けてるケースと同様に、事医師に同意書や診断書を書いてもらう必要があります。
単なる疲労や腰痛、肩こりなどの場合は医療保険の対象外で自費利用になるので注意しましょう。
施設入居後は主治医をホーム提携医療機関の医師に変更するケースが多いです。しかし中には、マッサージ治療の必要性についての判断の難しさから同意書を作成しない医師もいます。
訪問マッサージの利用希望がある場合は、同意書を作成してもらえるかを入居前に確認しましょう。
4.他にもある、老人ホームの訪問サービス
老人ホームによっては訪問サービスとして「理美容、ネイル、化粧、アロマテラピー、リフレクソロジー」などを受けられる施設もあります。
これらのサービスは、レクリエーションの一環として提供されたり、または個別に自費利用したりすることもできます。
理美容についてはプロの訪問理美容師のサービスが受けられます。
外部サービスやボランティアが多数訪れているホームは、交流機会が多く風通しのよいホームとも言えます。新しい方とコミュニケーションを取る機会は、入居者ご本人にとってもリフレッシュになるでしょう。
まとめ.事前に施設に相談し、外部サービスを上手に利用しましょう
有料老人ホームの施設サービスでは機能訓練を提供しており、マッサージを受けるには医療保険の訪問マッサージを別途受ける必要があります。医師の同意書がある治療目的のマッサージであれば医療保険の対象。
まずはホームに相談してみましょう。
老人ホームに入居すると、どうしても外出の機会が減ってしまいがちです。訪問マッサージやアロマテラピーなどの利用は、外部との交流機会にもなります。上手に活用をして、気分転換を図るとよいでしょう。