【専門家が回答】老人ホームの面会│誰でも気軽に会えるの？面会の頻度は？

1.面会前に事前連絡した方が無難

最近、介護施設で外部の人間が侵入する事件が明るみに出るなどし、施設側の更なるセキュリティの必要性が高まりました。

そのため、スタッフ一丸となって不審者はいないか、入居者にとって安全が確保されているか、常に気を配る状況を作っています。ご家族以外の訪問の際には事前に連絡していただくほうが無難と言えるでしょう。

2.基本的に面会者に制限はない

面会時間であれば、面会は誰でも可能と言えます。老人ホームは感染病が流行りやすい場所でもあります。

そのため、体調を崩されている方、赤ちゃんや高齢者の方など免疫力が弱い方にはあまり頻回面会に来ることはおすすめしません。

感染病の流行源とならないよう面会時には手指消毒を、施設から病気をもらってこないよう、帰宅後にはうがい・手洗いを徹底していただきたいです。

3.覚えておきたい面会のルール

 入居者へ好きな食べ物の手土産を持っていきたい場合は、入居者に糖尿病などの持病がないか、食事制限はないかを施設スタッフに確認しておいたほうがいいでしょう。

持病がある入居者に対して施設では栄養管理をしているので、施設での食事やおやつ以外にカロリーを摂ってしまった場合、内服薬の投与や食事の管理調整をしなくていけません。

そのため、食べ物を持っていきたいときは、施設スタッフに一度声をかけた方が無難でしょう。

4.面会時に職員へのお土産は不要

時折、施設スタッフに対してのお心配りとして手土産を持ってきて くださる方がいます。

しかし、介護スタッフは入居者の人生の最期までの生活援助をさせていただく身であり、お返しをすることができない仕事でもあります。

何より、 社会通念上いわゆる「ワイロ」にあたってしまう場合があります。なので、施設スタッフには一言でも「ありがとう」と言っていただければ、それが一番のお心配りになります。

また、入居者の普段の生活についてですが、介護施設スタッフには「居室担当者（担当ヘルパー制）」というポジションがあります。

基本的に、施設スタッフは入居者のことを全般的に把握するよう努めていますが、より詳しいことが知りたい場合、居室担当者の介護スタッフに聞くのが一番と言えます。

しかし面会時間内に、該当スタッフがいるとは限りません。事前に施設にお問い合わせいただければ、入居者の生活状況をまとめておくことも可能です。

5.面会の頻度は負担にならない程度に

それでは、家族はどのくらいの頻度で面会にいくものなのでしょうか？LIFULL介護で行ったアンケートを見ていきましょう。

介護者に聞きました：介護施設への距離と訪問頻度

 LIFULL介護では、要介護者の介護に深くかかわっている全国の30～69歳400名（うち在宅介護のみ経験者200名、施設入居の経験者200名）を対象に、「介護施設に関する意識調査」を行いました。

調査結果（7ページ：介護施設への距離と訪問頻度）では、約8割の方が自宅から30分以内で行ける距離に施設があることもあり、一番多い面会頻度は週に2～3日という結果でした。ただ、月に1日程度以下の方も2割程度いらっしゃいます。

ご家族の面会に関して、頻度に決まりはありません。ご家族がストレスを感じない程度に面会に来てくださるのが一番だと考えています。介護ストレスを軽減するために入居したのに、無理に面会で顔をあわせて喧嘩をしたり、手を挙げてしまう家族も中にはいました。

入居者やご家族が笑顔で過ごしていただくために介護スタッフや施設があります。そのため、施設スタッフを頼っていただき、面会では家族団らんの時間を楽しく過ごしていただくことが大切だと考えています。

※詳しくはこちら「介護施設に関する意識調査」

まとめ

面会時間であれば、どなたでも基本的には面会可能です。ただし、感染病対策など入居者の状況によっては面会時間に制限を設けている場合もあります。

介護施設には閉鎖的な印象がありますが、面会についてや入居者の普段の生活など少しでも疑問に思ったことを施設にお問い合わせください。

そういったやりとりが施設とご家族とのコミュニケーションとなり、信頼関係の構築にも繋がります。

面会に難しいルールはありません。勿論、面会時間や持ち込みの食べ物を入居者の持病の確認をすることはあります。

でも、せっかく家族や知人で水入らずの時間を過ごす時間ですから、入居者の一日の状況、話をするのが気になるなら空いているスペースやお部屋を提供することもできる施設が殆どなので、面会のことで何か困ったことがあれば、是非施設スタッフに相談して下さい。