質問

70代の女性です。今は一人暮らしですが、ゆくゆくは老人ホームに入居をしたいと考えています。実際に老人ホームの資料を請求してみましたが、どの施設にもレクリエーションがあるようです。どんなことをするのでしょうか?内容や気分によっては、参加をしなくても大丈夫でしょうか。

回答
武谷 美奈子

老人ホームでのレクリエーションは、ゲーム、手芸、体操、歌など気軽に参加でき、他の方とのコミュニケーションのきっかけにもなり、暮らしに楽しさをプラスしています。
また、運動機能・認知機能の維持向上が図れ、意欲向上や生きがいにも繋がります。
参加は強制ではなく、気分や体調が優れない時は無理に参加する必要はありません。 武谷 美奈子(シニアライフ・コンサルタント)

【目次】
  1. 1.老人ホームのレクリエーションとは
  2. 2.レクリエーションの目的とは
  3. 3.レクリエーションの種類
  4. 4.老人ホームによる特徴の違い
  5. 5.レクリエーションには参加しなくてもよい?
  6. まとめ.レクリエーションでいきいき・元気!積極的に参加しましょう

1.老人ホームのレクリエーションとは

老人ホームでは、様々な趣向を凝らしたレクリエーションが企画されています。

楽しみながら身体機能向上や脳の活性化が期待できる内容が多く、手先を使う折り紙などの工作、漢字ゲーム、簡単な計算ドリル、カラオケ、体操などがあります。また、囲碁、将棋、麻雀や生け花、茶道など、趣味として嗜んできたものも多く取り入れられています。

講師はホームのスタッフやボランティアなどが担当することが多いですが、内容によってはプログラムそのものを業者に依頼したり、外部講師を招く場合もあります。また、師範クラスの腕前を持つ入居者自身が講師となることもあります。


2.レクリエーションの目的とは

老人ホームで行なうレクリエーションには主に4つの目的があります。

2-1.身体機能の維持向上

1つは身体機能の維持向上です。高齢になると自ら身体を動かすことが少なくなり、転倒リスクもあることから1人で運動することも制限されがちです。その結果、さらに筋力低下を招くことになります。

レクリエーションとしてみんなで身体を動かすことで、楽しみながら安全に、普段は使わない筋肉を動かしたりストレッチしたりすることができます。



2-2.脳の活性化

2つ目は脳の活性化です。手先を動かしたり、簡単な計算をしたり、いくつかの手順と段取りを必要とする料理などを行なうことで、認知症予防になります。

また、歌を歌ったり楽器を演奏したりする音楽療法や直接土に触る園芸療法、動物と触れ合うアニマルセラピーなどは、老人性うつや落ち込みからの認知症対策に有効です。



2-3.他の入居者とのコミュニケーション

3つ目は他の方との交流・コミュニケーションを図ることです。老人ホームは共同生活ですので、他の入居者の方との人間関係はそこでの生活の質に大きな影響を与えます。

レクリエーションはスムーズなコミュニケーション、良い関係構築に一役買うでしょう。



2-4.生きがいの創出

4つ目は他者から認められたいという承認欲求を満たして生きがいを創り出すことです。

共同作業を伴うレクリエーションでは、与えられた役割を果たすことで人の役に立っているという実感を持つことができます。

また、作品を作り終えた後の達成感は意欲向上に繋がっていきます。


3.レクリエーションの種類

レクリエーションの種類は、大きく分けて次の4つになります。

(1)体操、運動、身体を使うゲーム

(2)脳トレ、クイズ、頭を使うゲーム

(3)音楽、歌、楽器演奏

(4)創作(手芸、工芸、料理など)

3-1.体操、運動、身体を使うゲーム

ラジオ体操やボールやセラバンドを使った体操、また楽しみながら自然に身体を動かせるものとして、輪投げやボウリングなどがあります。

ボール運びや玉入れなどは、身体を動かす以外に、チームで協力しあうことで自然にコミュニケーションが生まれるというメリットがあります。

3-2.脳トレ、クイズ、頭を使うゲーム

普段はあまり使わない脳の部分を活性化し、認知症予防も兼ねて、クイズ、漢字やことわざの問題、簡単な計算を実施します。

パソコンゲームやクロスワードパズルなど単独で行なうものや、囲碁、将棋、麻雀など対戦を楽しむものもあります。

3-3.音楽、歌、楽器演奏

懐メロや童謡、時にはクラッシック音楽を歌ったり、リズムを感じながら打楽器を演奏したり、演奏会を楽しんだりします。

歌を歌うことは肺機能を高め、懐かしいメロディーは幼い頃や若い頃を思い出し、脳の活性化、認知症予防、精神状態の安定などが期待できます。

3-4.創作(手芸、工芸など)

塗り絵、折り紙、編み物、ちぎり絵、生け花(フラワーアレンジメント)、書道、絵手紙などがあります。手先を使うことは脳への刺激になり認知症予防になります。

また、作品を作り上げることの達成感やオリジナリティーを表現する楽しさを感じることができます。


4.老人ホームによる特徴の違い


レクリエーションはそれぞれが楽しみながら参加できることを大前提にしていますので、そのレベルに合わせて、運動機能や認知機能の維持向上を望めるものが提供されます。

従って、老人ホームでも入居者の身体状況や介護度によって、レクリエーションの内容は変わってきます。また、レクリエーションにかける予算によっても、講師や材料にかける費用や頻度などに違いがあるでしょう。

4-1.お元気な方が多い老人ホーム(自立型有料老人ホームなど)

お元気な方が多い老人ホームでは、運動機能や認知機能の維持向上を望めることと「元気である」「若々しい」という自尊心を保てる要素が求められます。

囲碁、将棋、麻雀などルールを覚えないとできないもの。パソコンを利用した創作、華道・茶道など流儀の知識が必要なもの。短歌・俳句・川柳など高尚な趣味として知られている知的好奇心をくすぐるもの。運動であればヨガ、ストレッチ、各種エクササイズ、ウォーキング、スイミングなど、若い人がやっていることをレクリエーションに取り入れることで、自信につながり意欲を引き出します。

4-2.介護度の重い方が多い老人ホーム(特別養護老人ホームなど)

介護度の重い方が多い老人ホーム(特別養護老人ホームなど)では、脳トレでも難易度の低いものや、車椅子や麻痺がある方でも参加できる運動などが企画され、それぞれの身体状況に合わせてグループ分けをして、誰もが楽しんで目的を達成できるように配慮しています。


4-3.高価格の有料老人ホームの場合

高価格の有料老人ホームでは、入居者は社会的地位の高い方や富裕層の方が多く、レクリエーションにも求められる内容が高いため、講師は外部から専門家を招き、材料にも費用をかけ質の高いものを揃えるなど、全体的に一流レベルのものが提供されています。介護度が高い方に対しても同様で、予算に応じたレベルでレクリエーションを行なっています。


4-4.低価格の老人ホームや介護保険施設の場合

低価格の老人ホームや介護保険施設(特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、療養型病床)では、ボランティアやスタッフが講師となり、限られた予算内で目的を最大限に達成する工夫が見られます。

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5.レクリエーションには参加しなくてもよい?

レクリエーションの参加は強制ではありません。体調やその日の気分、あるいはレクリエーションの内容によっては気が進まないこともあるでしょう。

その場合はご本人の意思が尊重されます。引きこもりがちになっている場合など、レクリエーションに参加して気分転換を図ったほうが良いと判断したときは、スタッフが強く参加を勧める場合もありますが、無理強いすることはありません。

しかし、レクリエーションは単なる娯楽ではなく、上記のように目的に沿って企画されています。余程の理由がない限りは積極的に参加されることをお勧めいたします。


まとめ.レクリエーションでいきいき・元気!積極的に参加しましょう

老人ホームで行なうレクリエーションは、身体機能や認知機能の維持向上を目的にし、リハビリや介護予防に一役買っています。

特にお元気なうちから入る自立型有料老人ホームでは、お元気な状態をなるべく長く保つためのプログラムがたくさん用意されています。

筋トレやリハビリも、仲良しの友人達と一緒に行なえば苦なく続けることができ、転倒予防に繋がります。

今までやったことがないことでも、お膳立てができていれば気軽に挑戦でき、好奇心の幅が広がり、楽しみながら脳の活性化が図れ、老人性うつや認知症の予防にも繋がっていきます。何歳になっても笑顔で前向きに生きたいですよね。そのためにもレクリエーションを積極的に活用しましょう。


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このQ&Aに回答した人

武谷 美奈子
武谷 美奈子(シニアライフ・コンサルタント)

学習院大学卒 福祉住環境コーディネーター 宅地建物取引士
これまで高齢者住宅の入居相談アドバイザーとして約20,000件以上の高齢者の住まい選びについての相談を受ける。 「高齢者住宅の選び方」「介護と仕事の両立」等介護全般をテーマとしたセミナーの講師をする傍ら、テレビ・新聞・雑誌などでコメンテーターとして活躍。 また日経BP社より共著にて「これで失敗しない!有料老人ホーム賢い選び方」を出版。