【入居者100人に聞いた】老人ホームの満足している設備&欲しい設備は?
最近の有料老人ホームは設備が充実しています。特に高級有料老人ホームでは、入居者とご家族の両方から高い満足度を得ているところが多いです。
では、実際にホームの設備で嬉しかったものはなんでしょう? また、欲しい設備はなんでしょう?
アンケートから浮かび上がってきた入居者の声をご紹介します。
入居者とそのご家族が満足している設備・不満に思う設備
設備で満足している所・不満な所
入居者が満足している設備トップ5
有料老人ホームに入居されている方と、そのご家族が満足している設備を満足度順に並べると、次のとおりになりました。
- 居室 80%
- 食堂・リビング 67%
- トイレ 54%
- 浴室 48%
- エレベーター 39%
意外にも、有料老人ホームならではの特別な設備でなく、どこのホームにもある基本的な設備ばかりが上位を占めているということに気がつきます。
「この設備があってよかった」というものよりも、日常生活で頻繁に利用する「居室」「食堂・リビング」が上位にきていることでわかるように、利用者が求めるものは、特別な設備ではなく、居心地のよさである、ということがわかります。
そして事業者側もそのようなニーズに沿って、居心地のいい空間作りをしていることが、このような結果につながっているようです。
設備をしいてあげるなら、トップ5に入っていない「理・美容室」が13%という回答を得ていますが、最近の有料老人ホームでは、「理・美容室」があるところは珍しくないので、これも特殊な設備というわけではありません。
比較的高級な有料老人ホームでは特別な設備、例えば「老舗寿司店からの出張料理」「一流フレンチ料理が提供される会員制ラウンジ」「ゴルフ練習場」など……、豪華なサービスを居住者に提供するホームもあります。
しかし、多くの入居者が高い満足度を得ているのは豪華な設備よりも、「快適に生活できる日常に必要な設備」であることが、アンケート調査にはっきりと出てきました。
入居者が欲しいと思う設備 トップ5
「現在のホームに無いが、あれば良かった設備」に関するアンケート結果は以下のとおりです。
- 売店 18%
- 理・美容室 14%
- ゲストルーム 13%
- 医務室 8%
- リハビリルーム 7%
一番得票を集めた「売店」でも、2割弱の人しか「あれば良かった設備」として投票していないのです。
実は、このトップ5には入れませんでしたが、最多得票を集めた回答がありました。それは、「あれば良かったと思う設備はない」の37%です。
この数字からわかるのは、現在入居している方とご家族は、現状のホーム設備に満足している方が多いということです。
高級老人ホームだからといって、豪華なサービスを求めていないことと、現状設備への満足度が高いことは、入居者が求める有料老人ホームへのサービスとはなにか、ということに対する、ひとつの答えではないでしょうか?
特別な設備よりもホームの快適さ重視
豪華さを追求する高級有料老人ホームの中には、フロアごとに異なる種類の浴室があったり、温泉設備を完備していたりするところもあります。
そのような設備は、確かに施設のアメニティを充実させますが、入居者がそれ以上に望んでいるのは、生活空間としてのホームの快適さです。
スタッフの対応、医療設備の充実、介護のきめ細やかさ…このような形の見えない快適さを、多くの人は望んでいるのです。
有料老人ホームをセカンドライフの場にするために
有料老人ホームの入居者とその家族ともに、ホームを文字通り「家」として考えたいという人が増えているようです。
「家」ならば、生活空間の充実は大切です。しかし、それ以上に大切なのは、高齢者の自由の効かなくなる身体や精神を、きめ細やかにケアしてもらえるソフト面ではないでしょうか?
今回のアンケート調査からわかったことは、有料老人ホームが高齢化社会におけるセカンドライフの担い手になるためには、施設・設備などのハード面の充実以上に、「家」で生活しているかのような、さりげない、しかしきめ細やかな生活面におけるケアという、ソフト面の充実が求められています。
これから有料老人ホームへの入居を考える際には、施設のハード面と共に、サービスなどのソフト面をしっかりと見ていくことが大切です。