【入居者100人に聞いた】グループホームで共同生活を送る良い点・悪い点

認知症を発症した高齢者のための介護施設があります。

それが、「グループホーム」。知っているようで知らないグループホームの実際を、利用者の家族の声から見ていきましょう。

特徴と入居条件

グループホームは、認知症を患っている高齢者が、専門の介護スタッフの援助を受けながら、少人数のグループで共同生活を送る施設です。


別名、「認知症対応型老人共同生活介護」と呼ばれ、入居者の能力に応じて、料理や掃除などを役割分担し、自立した生活を送ることを目的としています。自宅で過ごすのと同じような雰囲気で、家族の団らんを楽しんで生活できる場です。

一方、看護師の配置義務がないため、多くのグループホームで医療ケアは行われません。

入居後に「インスリンの注射」や「たんの吸引」といった医療ケアが必要となった場合、退去しなければならないケースもあります。

入居には、一定の条件が必要となってきます。

  • 認知症と診断されていること
  • 65歳以上で要支援2、または要介護1以上の介護認定を受けていること
  • 施設と同じ自治体に住民票があること

この3つの条件に合致すれば、地元のグループホームに入居可能です。


グループホームは、認知症についての正しい知識を持ったスタッフが常駐しているので、自宅介護では難しかった自立支援を目的とした介護サービスを受けることができます。

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ご家族の声

グループホームでの実際の生活はどのようなものでしょうか?
ご家族がグループホームに入居している方からお聞きしました。

良い点もあれば悪い点もあります。それぞれの声を聞いてみてください。

良い点

  • 「家に居た時は不安でいっぱいそうでガタガタ震えたり、よく転んだり、自分でご飯を食べられなかったり、歩く事も出来なくなって車椅子に乗っていたけれど、今では自分でご飯を食べて自分で歩いてトイレにも行けるし、楽しそうでとっても元気に過ごしている」(50歳)
  • 「施設の方々が随時行動を見て補助介護を行ってくれるので安心できる。温暖差がなく身体に負担がかからない」(59歳)
  • 「同世代の人が多くいると思うので話し相手ができたりとかしていいと思う」(48歳)
  • 「一人住まいだったので、誰ともしゃべらない日が何日も続いていたが、今やいやでも毎日話す。このことはボケに対するとてもいい刺激になっていると実感する」(51歳)
  • 「グループホームもさまざまなイベントがプログラムされており、本人も楽しそうだった点。施設の人がとても親切で、どんな相談にも乗ってくれる」(47歳)
  • 「自分で洗濯ものをたたんだり、スタッフと一緒に料理を作ったりと和気あいあいとして過ごしている」(51歳)
  • 「一人暮らしだった認知症の老人は、施設の方が、身の回りの世話など行き届いて良い。常に誰かいるので、本人が寂しく感じない」(64歳)

要介護の認知症を患った高齢者が、グループホームという場で共同生活を送ることで、他者との接触が良い刺激になります。

認知症の進行を和らげることも目的の一つですが、なかには自立した生活が徐々にできるように認知症の症状が改善された入居者もいます。

施設の運営方針、スタッフの対応、入居者同士の交流などがうまく絡み合えば、認知症の緩和にもつながることが、実際の声からよくわかります。
 

悪い点

  • 「周りの入居者と必ずしも仲良くできるとは限らない」(52歳)
  • 「施設がオープンなので、他の入居者が個室に出入りすること」(63歳)
  • 「スタッフの人柄が良くないと、本人が不安定になる」(64歳)
  • 「他の入居者とのトラブル」(59歳)
  • 「医療スタッフが居ないので、万が一の際の迅速な対応が多少不安」(56歳)
  • 「プライベートが守られない」(46歳)

グループホームの悪い点であがったのは、「入居者同士のトラブル」「スタッフの質」「プライバシー」に関するものがほとんどでした。

入居者やスタッフとの人間関係は、グループホームだけではなく、どの老人ホームや介護施設でも共通するものですが、グループホームで特に多かったのが、入居者個人のプライバシーに関する声でした。

ホームの特性上、どうしても入居者のプライバシーが守れない環境にあるのは仕方ないことですが、それでも最低限の個々人のプライバシーは守られることを、多くの人は望んでいます。

そして、こんな声もありました。「本人にとって幸せか疑問に思う(51歳)」。ご家族の複雑な心境が垣間見えます。

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認知症の進行抑制に効果のあるグループホームでの生活

認知症の進行により、外出の機会が減少する高齢者もいます。外の世界との関係性が閉ざされることで、認知症はより進行する傾向にあります。

グループホームは、数名の認知症高齢者が共同生活する施設です。

他の入居者との交流や、ホーム職員との日常交流、あるいは、日常生活での自立支援などにより、認知症の進行を和らげる効果は、自宅介護に比べて高くなっています。

その反面、個人のプライバシーへの配慮が欠けていたり、ときには他の入居者とのトラブルがあったりするというデメリットもあります。

このように、メリットとデメリットを見極めた上で、入居の検討を行った方がいいでしょう。そのようなときの判断材料のひとつとして、利用者での声が役立ちます。

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