【入居者100人に聞いた】介護老人保健施設(老健)からどのくらいで在宅復帰できた?

高齢者が怪我や病気で身体機能を麻痺させてしまう例は事欠きません。適切なリハビリをしないと、そのまま寝たきり状態になってしまいます。

理学療法士や作業療法士がいる老人保健施設への入居は、通常介護と共に身体機能を向上させるリハビリを行います。

そのような老人保健施設から、高齢者が在宅復帰するまでに、どのくらいの期間が必要なのでしょうか?

介護老人保健施設の性質とは?

介護老人保健施設は、介護保険による施設サービスのひとつですが、通常の老人ホームとは異なる性質の老人介護施設です。

一番の特徴は、入居者を家庭での日常生活に復帰させるお手伝いをすることを目的とした施設である、ということです。

介護付き有料老人ホームの場合、入居者の多くはホームを終の住処と考え生活しているため、リハビリに積極的な施設は決して多くありません。

各施設において「機能訓練指導員」は一名以上在籍していますが、その担当者が国家資格の「作業療法士」や「理学療法士」取得者であるかは必須ではないのが現状です。

一方、介護老人保健施設は、入居者の日常復帰を目的としているため、医師や看護師、作業療法士、理学療法士、管理栄養士、支援相談員、ケアマネジャーなどの様々な専門スタッフが協力して、居住者の身体機能回復のためのリハビリ・ケアを行います。

もちろん、介護老人ホームでもリハビリは行っていますが、あくまでも身体機能の後退を防ぐためのもので、介護スタッフや看護師が簡易的なリハビリのお手伝いをするにとどまります。

このような性質の介護老人保健施設では、看護師自体の役割が、病院勤務の看護師とは異なり、点滴などの医療行為より、入居者の健康管理に重きを置かれています。

バイタルチェックや薬の管理、観察、病院への付き添いなど、介護スタッフ寄りの仕事内容です。

もちろんこれは、看護師だけのことではありません。作業療法士、理学療法士、管理栄養士などの専門職も、ほぼ全員が施設の介護スタッフの役割をも担っているのです。

つまり、介護老人保健施設では、医学や栄養学、リハビリの専門家が、介護スタッフとして常駐していると考えればわかりやすいかもしれません。

そのため、入居者へのケアは、生活介護と医療リハビリが同等の位置づけにあるわけで、身体機能の回復を願う高齢者にとって、最適な施設です。

介護老人保健施設の詳細はこちら

3割を超える人が在宅復帰に成功

介護老人保健施設の入居者は、どのくらいの割合で日常生活に復帰できたのでしょうか?ご家族が介護保健施設に入居された経験のある方100名にアンケートを取ってみました。

介護老人保健施設から在宅復帰までの期間

介護老人保健施設からの在宅復帰までの期間

1年未満で復帰する方が14%と多いことは、それだけ介護老人保健施設でのリハビリが、身体機能回復に効果がある、という証拠でもあります。ただその反面、こういう数字もあります。

  • 現在も入居中 68%

この数字の中には、入居間もない方も含まれていますが、介護老人保健施設に入居し、適切なリハビリを受けても、老齢ゆえの身体能力の後退が、機能の回復を妨げ、日常復帰に至らない割合が6割を超えているという現実。

それでも、通常の介護付き老人ホームなどに比べると、3割を超える人が日常復帰の道を歩んでいるわけですから、介護老人保健施設は、高齢者の身体機能回復を目的とするには、ベストな選択になるでしょう。

介護老人保健施設の費用

介護老人保健施設で行われるケアは、

  • 日常生活のサポート(食事・入浴・排泄などのサポート)
  • 療養上の医療ケア(身体機能回復のための病気治療など)
  • 自立生活復帰支援(リハビリによる身体機能回復)

などが主な施設内での活動になります。特養などに比べ、レクレーションなどのイベントは充実していませんが、施設によってはイベントの盛んなところもありますので、個別に問い合わせしてみるのがいいでしょう。

さて、気になる費用です。有料老人ホームで必要となる入居一時金は、介護老人保健施設では必要ありません。

月額利用料の中には、「家賃」「管理費」「食費」「水道光熱費」「雑費」が含まれて、世帯収入や部屋の種類によって異なりますが、

  • ユニット型個室 月額13万円+医療費
  • 相部屋 月額8万円+医療費

この金額がおおよその目安になります。

介護老人保健施設の費用

高齢者の本音は在宅復帰

身体機能の低下による日常生活の不具合も、早期の段階で適切にケアをすれば、自立した日常生活を営めるようになります。高齢者でもそれは同じことです。

老人介護施設に入居する高齢者の本音は、在宅復帰です。

身体的な機能麻痺による介護なら、特養や介護付き老人ホームへの入居を考える前に、医療とリハビリをメインの活動にする介護老人保健施設への入居も、選択肢に入れておくべきかもしれません。日常生活への復帰を目指すためにも。

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