千葉市稲毛区。日本初のアクティブシニアコミュニティをうたう、シニア向け分譲マンションの『スマートコミュニティ稲毛』は、JR総武線稲毛駅からバスで18分ほど離れた場所にあります。
マンションと、大型ショッピングセンターをリノベーションしてつくられたクラブハウスが、まるでひとつの町であるかのように立ち並んでいます。現在600名以上が入居しているそうですが、この場所で手に入るアクティブな暮らしとは、いったいどんな生活でしょうか?
アクティブシニアコミュニティの魅力にせまるべく施設を取材しました。
ジムにカラオケ、ダンスホール…気持ちひとつで新しいことを始められる環境
『スマートコミュニティ稲毛』の特徴は、入居者同士の交流が深まるさまざまな企画が用意されているところです。施設が企画するアクティビティだけで約50種類、さらに入居者が自主的に立ち上げるサークルが40団体ほどあります。とても活発ですね!
【毎日さまざまなアクティビティが開催されています】
アクティビティは、外部講師を招いて行なう趣味のプログラムです。ジムのフィットネスプログラムのように、クラブハウスへ行けばいつでも多種多様なレッスンを受けられます。
一方、サークルは入居者の自主的な活動です。5名以上の仲間が集まれば、誰でも好きなサークルを立ち上げることができます。社交ダンスにジャズバンド、陶芸やテニス、そして子どもにラグビーを指導するという、ユニークな活動もありました。
サークルの立ち上げに必要なサポートは施設が協力します。そのほか、運動会や文化祭、ゴルフコンペやカラオケ大会など、施設主導の大型イベントも多数開催されています。
活動は敷地内のクラブハウスとグラウンドが拠点です。ジムやゴルフの練習場、工作室に音楽室、カラオケルームやダンスホールまで。娯楽設備が驚くほど大充実していました。その気になればなんでもできる環境ですね。
【図工室。陶芸なども本格的にできる設備が揃っていました】
【ビリヤードやダーツも自由に楽しめます】
私が取材にお邪魔したのは午後でしたが、ビリヤードに興じている方やフィットネスのレッスンを受けている方、そしてゴルフの練習をしている方など、いたるところで活動する人の姿を見かけました。
入居者に聞くと、「ここに来なければできなかった!」という声がたくさんあり、毎日が楽しく刺激的とのこと。趣味を通じて仲間にも恵まれ、活動範囲が広がって日々忙しく過ごしているのだそうです。
カギは入居者主体のコミュニティづくり
【“一平ちゃん”の愛称で親しまれている運営部の宮沢さん】
この大型コミュニティの活動全般を管理運営しているのが、運営部の宮沢一平さんです。
宮沢さん「たくさんの会員さま(入居者)がいらっしゃるので、名前を覚えるのが大変です。ただ、いろんな方がいて、お一人おひとりと仲よくなることが非常に楽しいです」
宮沢さんはクラブハウスに常駐し、入居者から寄せられる「テレビが映らない」「近所にあるいい病院を教えてほしい」といった日常の相談ごとに乗ったり、イベントを立案したりと、コミュニティ運営の業務を担当しています。
宮沢さん「イベントは私たちが考えた原案をもとに、会員さまに相談しながら一緒に作り上げていくんですよ。意見を頂くだけではなくて、実行委員を募って参加型で運営していただいています」
基本的に、コミュニティ内の活動は入居者が主体となって運営しています。宮沢さんたち運営部のスタッフは、足りないところや難しいところをサポートする役回り。それも、会場の調整や掲示物の作成補助といった程度だそう。
実際、発表会や飲み会、グループ旅行など、サークル活動を通じて仲よくなった仲間同士での小さな企画が頻繁に開催されているのだとか。
宮沢さん「今ちょうどフルートサークルが立ち上がろうとしているんですよ。夏に開催したバンドの発表会で、フルートの演奏を見た会員さまから『僕もやりたい』『私もやりたい』と言う声が上がり、サークルの発足に至りました」
話を聞いていると、なんだか学生時代の部活みたいで楽しそう!きっと、やりたいことを持っている人や、新しく何かを始めたい人がたくさんいて、あちこちで化学反応が起こっているんだろうなぁと感じました。
人との交流が好きな方が自然と集まってくる
【ホテル仕込みのホスピタリティと、家族のようなあたたかさが魅力の宮沢さん】
しかし、これだけたくさんの人が同じ場所で生活するとなると、ときには意見の衝突が起こるなんてこともありそうです。その場合はどう対応しているのでしょうか。
宮沢さん「人が集まれば、やはり行き違いが起こることはあります。何かあった時のために意見箱を設置したり、個別に相談をお受けしていますが、『あの人のここが嫌だ』という話はあまり聞きません。そもそも誰かと一緒に楽しみたい人のコミュニティだから、似た価値観をお持ちの方が集まっているかもしれないですね」
なるほど。積極的に人と関わるのが好きで、異なる意見があっても上手に調整を図っていける人のほうが、居心地はいいのかもしれません。
宮沢さん「会員さま同士、ほどよい距離感を掴むのは大事ですよね。その点はスタッフにも同じことが求められていると思います」
宮沢さんの前職はホテルのフロントスタッフ。人と接する仕事であるには変わらないですが、転職してからはお客さまをより身近な存在に感じているといいます。
宮沢さん「人の優しさに触れる機会が増えました。私は会員さまにとってちょうど孫世代に当たるので、会えば必ず“一平ちゃん”と声をかけてくださる方がたくさんいらっしゃいます。どこか家族のように感じるところがあるんです。長期にわたって会員さまと良好な関係を育てられる、前からこんな仕事をしたいとずっと思っていたんですよね」
スマートコミュニティ稲毛:住環境の取材を終えて
思えば、「老い」はある日突然やってくるものではありません。身体機能が徐々に衰え、ふだんの生活の中で、少しずつできないことが増えていくのだと思います。
健康で活動的なアクティブシニアも例外ではありません。ただ、『スマートコミュニティ稲毛』には、「老い」のスピードをゆるめる環境があると感じました。
何かを始めるときに必要なものがぜんぶ揃っている環境だからこそ、どんどんチャレンジできて楽しいし、ひいては心身機能の維持にもつながります。老人ホームとは違う、その手前にある新しい選択肢。そういった暮らしに興味を持たれた方は、ぜひ一度遊びに行ってみてください。
(記事中の内容や施設に関する情報は2017年2月時点の情報です)