多摩川や谷保緑地が近くにあり、自然豊かな環境に佇む「ディーフェスタリリーフ国立府中」は、大和ハウスグループの大和リビングケアが運営する介護付き有料老人ホームとして2023年10月にオープンしました。

理学療法士が常駐し個別機能訓練を実施するなど、入居者さまが自立して「自分らしく生きる」ことへのサポートを大切にしている「ディーフェスタリリーフ国立府中」。施設の特徴やお仕事への思いについて、施設長の小石一樹さん、介護福祉士で主任の川﨑菜津子さんにお話を伺いました。

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理学療法士が常駐、自分のことは自分でできる自立支援を大切に

――はじめに、お2人が介護業界に入られたきっかけや、これまでのキャリアについて教えてください。

川﨑さん:母が介護施設で働いていたことや、祖父母と同居していたこともあり、幼い頃から介護の仕事に興味を持っていました。中学生になってボランティアや職場体験で、実際の介護現場に触れることで、その気持ちはさらに大きくなり、介護の資格が取得できる高校に進学しヘルパー2級の資格を取得。大学進学や他の職種へのチャレンジも考えたのですが、やはり介護の仕事がしたいと母や祖母の反対を押し切って介護の道へと進みました。

九州から単身上京し、ディーフェスタリリーフ東久留米の前身の施設で働きはじめ、立川の施設に異動、他の施設の立上げ支援などにも関わりながら、このたび国立府中の介護主任として就任しました。


小石さん:私は運動系の専門学校を卒業し、九州で大和リビングケアの前身の会社が運営していたデイサービス施設で運動の指導員をしており、高齢者にプールでの歩行訓練などを行っていました。その後、介護職にキャリアチェンジし、介護福祉士の資格やケアマネジャーの資格をとるなど、ケアの現場での仕事を経た上で、管理系の仕事を経験。立川の施設ができたときに、施設長に就任しました。その後、福生の施設を経て、国立府中のプロジェクトに関わり、現在に至っています。


――「ディーフェスタリリーフ国立府中」の特徴について教えてください

小石さん:かねてより国立府中は既存の施設とは違った特徴を持たせたいという思いがありました。建物や設備のグレードもより上質感のあるものにしたり、見守りロボットを導入するなど、最新のテクノロジーを活用して安心な環境を実現しています。

またサービス面では、24時間介護スタッフが常駐、日中は看護師が常駐しているのはもちろんのこと、当社の入居施設では初めて日中に「理学療法士」を常駐し、個別機能訓練を行っています。

これは入居者さまが、元気に歩ける、自由に動けるなどの「自分のことは自分でできる」という「自立」をしていただきたいという思いからです。

川﨑さん:レクリエーションが多いことも特徴の1つかと思います。平日は毎日メニューを決めて行っています。ご家族の面会が多く決まった時間に行うことが難しい土日も、手持無沙汰にしていらっしゃる入居者さまがいたら、臨機応変に対応しています。

レクリエーションによって、体を動かしたり、手や頭を使うことは、心身を健やかに保つことや認知症予防にも効果があると思っています。またレクリエーションに参加していただくことで、部屋に閉じこもりがちになることの予防や、私たちが健康状態を把握することにも繋がります。あまりご参加いただけない方には、こちらからお声かけして誘ってみるなどの工夫もしています。




あえて手を出しすぎず、見守ることも大切に

――入居者さまが自立した生活を送るために、お2人が心掛けていることや大切にされていることについて教えてください。

川﨑さん:私が心掛けていてスタッフにも伝えていることは「あえて手を出しすぎず、見守ることも大切だ」ということです。私たちが手を差し伸べることが、入居者さまの自立の妨げにならないかを、常に自問自答しながらケアをしています。

小石さん:実はスタッフがやってしまったほうが、早かったり楽だったりすることは多いので、つい手を出したくなります。また入居者さまも、本当はご自身でできたりするのに、つい甘えてしまうこともあります。ただそれを続けていると、ご自身でできることができなくなってしまうことにもなりかねません。ですので、スタッフには「サポートする」「見守る」の見極めをしっかりするよう伝えています。


――お2人は、スタッフをまとめる立場にありますが、気を付けていることや取り組んでいることはありますか?

小石さん:ディーフェスタリリーフ国立府中は入居者さまがおそらく人生の最期を迎える場です。これまで生きてこられた一人ひとりの尊厳やニーズを大切にしたいと思っています。そういった思いは、しっかりスタッフと共有しています。とはいえ、私自身は事細かに指示を出すタイプではありません。むしろスタッフはそれぞれ専門の知識やスキルをもつプロの集まりだと思っています。それぞれのピースが集まり、1つの歯車としてスムーズに回せるよう働きやすい環境づくりを心掛けています。


川﨑さん:スタッフとのコミュニケーションが大事だと感じています。なるべく顔を合わせて話をして、現場の状態を把握するように努めています。また、施設長と私宛に匿名でお手紙を出せる「目安箱」のような棚を設ける取り組みをしています。会議の席では発言しにくいことだったり、勤務シフトが合わず話せない人などに、そこにお手紙を入れてもらうのです。相談しやすい・話しやすい環境づくりと、コミュニケーションがチームワークに繋がると思っています。




自由と安心な生活で地域住民が入居したいと思う施設に

――小石さんが考える理想のホーム像について教えてください

小石さん:入居者さまにとっては「自由」があり、ご家族にとっては「安心」が感じられる施設でしょうか。好きなときに外出したり、食べたいときに食べたいものを食べるといった、自宅であれば当たり前にできることが、自由に行える施設。一方で、日常生活の見守りや日々の健康管理、必要に応じた手助けをしてもらえるという安心感もある施設が理想です。

他の施設から移って来られた入居者さまが「以前の施設ではなかなか外出が許されなかった。自由がなかった。」とおっしゃっていたことがありました。その方は、現在では毎日のようにお散歩にもお出掛けされています。これからも健やかで自由な生活を楽しんでいただきたいと思っています。


――お2人の今後の目標や取り組んでいきたいことについて教えてください

川﨑さん:さらなるレクリエーションの充実や季節の行事をたくさん行っていきたいと考えています。館内のどこにいても楽しそうな声が聞こえてきたり、笑顔に出会えるようになればいいなと。そうすることで入居者さまが、楽しく健やかに暮らしていただける施設にしていきたい。個人的には、今後ケアマネジャーの資格を取得するなど、スキルアップを図り、より良いサービスを提供していけたらと思っています。


小石さん:老人ホームは「自由がないんじゃないか?」「寝たきりの方ばかりなのでは?」といった閉鎖的なイメージを持たれている方も多くいると思います。そんなイメージを脱却したい。その解決策の1つとして「地域とのつながり」にも取り組んでいこうと思っています。

我々はこの地で今後30年40年運営していくわけです。地域の一員として身近なものであるべきだと思っています。すでに地域の方をお招きしてお茶会を開くことを計画していますし、幼稚園の慰問なども行っていきたいと考えています。そして地域に住む方々が「ここに入居したい」「家族を入居させたい」と思っていただける施設になったらいいなと思います。

また、安心・安全な環境で自由で自立した生活が送れるというディーフェスタリリリーフ国立府中の理念に共感してくれるスタッフを育て、他の地域にも増やしていけるよう、頑張っていきたいと思っています。


(記事中のサービス内容や施設に関する情報は2023年12月時点の情報です)