質問

私は77歳男性で、要介護2の状態です。有料老人ホームへの入居を検討していますが、こういった老人ホームは女性の入居者が圧倒的に多いと聞いています。

女性ばかりのところだと気おくれして、入居してから他の方と上手く馴染めるかとても不安です。入居にあたって何か気をつけるポイントなどがあれば教えてください。

回答
西村 英記

老人ホームによっても多少異なりますが、ほとんどの老人ホームでは男性入居者に比べて女性入居者の割合が高くなります。

他の入居者と顔を合わすのは食事やレクリエーションの時がほとんどですが、性別に関係なく気の合う入居者同士で会話をしたり、一緒に食事をしたりしています。
それ以外の日中の時間帯は、各々が自分の過ごしやすい場所(リビングなどの共有スペース、各自の居室、庭、外出)で好きなことをして過ごしています。

したがって、四六時中他の入居者と接する必要もありませんので、入居者の男女比に偏りがあるからといって、日常生活で居心地が悪い思いをすることはありません。 西村 英記(介護保険の評価調査員/外部評価、第三者評価)

【目次】
  1. 1.老人ホームの男女比は「2:8」から「3:7」
  2. 2.入居者の男女比も確認できる「重要事項説明書」
  3. 3.男女比以外に重視すべきポイントは
  4. まとめ

1.老人ホームの男女比は「2:8」から「3:7」

ホームにより異なりますが、どの老人ホームも「2:8」から「3:7」くらいの割合で女性入居者が多いです。(厚生労働省「介護サービス施設・事業所調査の概況」より)

このような差が生じる要因としては、「男女の平均寿命の違い」、「夫を看取った後に妻が入居することが多い」といった理由のほか、「老人ホームのようなところに世話になりたくない」という男性のプライドや、「他の入居者に合わせて生活する不自由さを敬遠する」という点も要因の1つと考えられます。

逆に、上記の割合よりも男性入居者の比率が高いホームでは、男性入居者目線に立った取り組み(例:自ホームの庭で農作業をする。スポーツなど身体を動かすレクリエーションが多い。囲碁や将棋が盛んに行われる、など)を積極的にされていると考えられます。



2.入居者の男女比も確認できる「重要事項説明書」

まずは、興味のある老人ホームの「重要事項説明書」を確認しましょう。
最近の入居者の男女比や介護度別の人数が記載
されていますので、予め頭に入れておきましょう。

実際に施設見学や体験入居の際に、認知症の方の人数や年齢別の人数など、重要事項説明書に特に記載がされていないデータがあれば職員に直接尋ねて確認しましょう。

また、現在の男性入居者が日中どういうことをして過ごしているかを職員にヒアリングしてみましょう。可能であれば、実際の入居者本人に普段の生活の様子を直接質問して確認すれば、より具体的に分かると思います。



3.男女比以外に重視すべきポイントは

男女比ばかりに意識が行ってしまいますが、他にも確認しておきたいポイントがあります。上記でも少し触れましたが、まとめておきましょう。

①介護度別の人数

自分とかけ離れた介護度の方が多いと話し相手も少なくなります。予め、話し相手が見つかりやすいように、介護度別にフロアーを分けているホームもあります。


②年齢別の人数

一概には言えませんが、自分と近い年代の人の方が話しやすいのではないでしょうか。
また終の棲家ということを考えると、同じホーム内で長く一緒に過ごせる人の多い方が安心ではないかと思います。


③入居期間別の人数

一概には言えませんが、ホームの生活にどのくらい慣れているのかを推測できる指標になります。
昔から入居している方が多いと、既に入居者同士のコミュニティーが形成されていて、新米の入居者がなかなか馴染みづらいこともあります。


④共有スペースの数や広さ

共有スペースが少ないと、自室以外で落ち着いて一人になる場所がなかなか見つかりません。
ある程度スペースの数が多いホームであれば、気分転換や考え事ができますので、自分の居室にこもる時間が少なくなります。

空間のゆとりは生活しやすさにも影響します。廊下の途中やエレベーターの横などのような通り道にあるスペースに、ちょっと腰かけが出来る椅子が置いてあるなど、さりげないスペースを上手に活用できているか確認してみましょう。


⑤ホーム内のサークルや同好会の種類や数

ホーム内には、生け花や習字、カラオケ、卓球など特に自立の入居者が好きな活動を行える場面があります。趣味が同じ入居者同士が自然に集まりますので、必然的にその中ではコミュニケーションがとりやすくなります。

ホームによっては、入居者が自らサークルを立ち上げて運営も自分で行っているものもあり、入居者同士が積極的に交流しやすい土壌が作られていると言えるでしょう。


 

まとめ

重要事項説明書に書いてある、入居者の男女比や年齢別・要介護度別・入居期間別の人数といったデータも大事ですが、「些細なことでも気軽に相談できる職員がいる」などスタッフによるフォロー体制や、どれだけ自分の要望が叶うかという点も重要です。

老人ホームへの入居を考え始めたら、出来るだけご自身で足を運び、ホームの様子を五感で感じ取ることが重要です。

これまで長い年月を生きてこられた方々が集団生活している場所なので、ホームごとに言葉に表現できない雰囲気があります。最終的に、見学等で体験した感覚を一番にホームを判断されるのも良いかと思います。


このQ&Aに回答した人

西村 英記
西村 英記(介護保険の評価調査員/外部評価、第三者評価)

かず総合コンサルティング研究所/エリアマネージャー
行政書士法人御池事務所/行政書士
これからの人生を楽しく過ごすための終活トータルサポートを行う。