【入居者100人に聞いた】老人ホームを選ぶ時に重視したいポイント
介護施設への入居には、どうしても不安がつきまといます。
入居前にどれだけ情報を集めても、事前訪問で施設をチェックしても、大切な家族をまかせることができるかどうか、不安の種はつきません。
そこで、実際に介護施設にご家族が入居されている方に、どのようなポイントを重視して施設を選べばいいか、聞いてみました。
後悔のない施設選び7つのポイント
実際に介護付き老人ホームにご家族が入居されている方に「施設選びに影響を与えるものはなにか」というアンケートを取ったところ、次の7項目で、多くの方が「影響を与える」と考えていることがわかりました。
介護付き老人ホーム- 施設選びに影響を与えるもの
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- 立地条件
- 入居一時金
- 月額利用料
- スタッフの雰囲気
- 施設の設備と雰囲気
- 医療体制の充実
- 入居者の雰囲気
「立地条件」「費用」「スタッフ対応」で目立ったいくつかの声を紹介してみましょう。
立地条件
- 「やはり何かあった時に施設は近いほうがいいし、まめに訪問するのにも便利さは必要」(50歳)
- 「施設は、住宅地の中とか 人の気配のするところで、静かで落ち着いているところが良い。家族側としては、できるだけ自宅に近いところ」(65歳)
- 「部屋の日当たりや、窓からの景色、落ち着いた場所。にぎやかではない場所。小さくても外に出る事が出来る庭があればいい」(51歳)
立地条件での考え方には、2種類ありました。ひとつは、「訪問・面会に行きやすい場所」にあること。家族の利便性を考えたものです。
もうひとつは、「周囲の環境」特に、窓からの眺望や、近くに散歩できる公園などがあるかどうか、という入居者の生活環境を考えた意見になっています。
費用
「入居一時金」「毎月の利用料金」を含め、やはり費用は満足度に大きな影響を与えています。
- 「多額な入居一時金を支払った場合、入居短期間(1~2年)で亡くなった場合の返金等について」(56歳)
- 「部屋のゴミ捨てや洗濯全て有料が不満」(63歳)
- 「経費の透明性」(67歳)
入居一時金の償却方法に対する疑問、日常生活でかかる費用、あるいは、支払った金額に見合ったサービスをしてくれるかという費用対効果に関する意見も多く見られました。
介護付き老人ホームへの入居は、多額のお金を必要としますので、お金に関する不安の解消が、満足度の高さにつながります。
スタッフ対応
- 「施設によって従業員の対応がバラバラなので、満足感はまず、従業員の態度から決まる」(65歳)
- 「スタッフの人柄や看護体制」(61歳)
- 「高齢者を誰でも彼でも子ども扱いしない対応も出来る事」(45歳)
多くの人は、老人ホームや介護施設での入居者の満足度は、スタッフ次第だと考えています。
人柄・日常の対応・家族に対する報告など、多くの意見がありますが、介護付き老人ホームの場合は、入居者を子供扱いするスタッフがいることに、本人もご家族も我慢できないようです。
施設の雰囲気
その他に、こんな意見もありました。
- 「空気感。いくつも施設を見て回っているうちに、感覚でなんとなく施設の雰囲気を感じ取ることができるようになりました。空気がよどんでいると感じた施設は検討対象から外しました」(57歳)
不安を満足に変える施設の見極め方
介護付き有料老人ホームへの入居を検討する際、もちろん入居費用(入居一時金、月額料金)や入居後のさまざまな料金を調べることは大切です。
しかし、介護付き有料老人ホームの費用にばかり目がいくと、入居後の満足度に影響が出ます。同時に、施設の環境、スタッフの対応、医療体制の充実度など、事前の調査は欠かせません。
施設の雰囲気に関する声にもあるように、実際に複数の施設を訪問し、「施設の空気感」「入居者の顔」「スタッフの働き方」などを、ご自身の目で確認することが、一番だということです。
家族も入居者も満足する施設
最後に、事前の調査や訪問などによる施設選びがうまくいって、現状に満足している声を紹介しましょう。
- 「スタッフがきめこまやかな対応をしてくれる。月に2度、往診してくださる先生もとてもいい」(55歳)
- 「家から近いので気軽に立ち寄れたこと。常に建物内は清潔で、スタッフは皆、笑顔で食事は入居者の状態に合わせてくれて、また看護婦さんも常駐しているので安心でした」(65歳)
- 「介護スタッフの人柄がみんなとても良いこと。これは不思議です。個性いろいろなのに、新人でも2ヵ月もするとベテランみたいに自信にあふれてくる」(65歳)
やはり良い施設は、スタッフの対応や施設環境・雰囲気が違います。施設利用前は、誰もが不安を持つものです。
事前の情報調査と現場調査。このふたつを怠りなくやって、失敗のない施設選びをしたいものです。