【入居者100人に聞いた】老人ホームでのリアルな人間関係
介護施設は、共同生活をともにする人々のいる社会です。しかも、ある種の閉ざされた社会でもあります。
そのような中で大きな意味を持つのが、「人間関係」。施設内での人間関係の善し悪しで、生活の質が変わってしまうことを考えると、決して無視できない要素になります。
入居者が語るリアルな人間関係の実際をお聞きください。
2種類の施設内の人間関係
施設内における人間関係は2種類あります。
- 入居者同士の人間関係
- 入居者と施設職員との間の人間関係
どちらも共同生活を営む上で、無視できない関係性です。
入居者同士の人間関係が良好であるほど、施設内での生活は快適さが増します。
施設職員との人間関係によって、介護やさまざまな日常サービスに影響が生じるケースが出てきます。
外からでは施設内での人間関係はうかがい知ることができません。実際に入居されている方のご家族が体験した声を聞くことで、その現実の一端が垣間見えてくるはずです。
そこで、実際に入居している方のご家族から声を集めました。リアルな施設内での人間関係について知ることは、介護施設選びのひとつの目安になります。参考にしてください。
入居者同士の人間関係
悪い口コミ
- 「入居者のなかでボス的存在の入居者がいないか気になった。幸いいまの施設にそのような人は見られないが、ボスのいる施設だと暮らしにくいと感じた」(41歳)
- 「やはり高齢者特有の人見知りというのはあるようだ。心置きなくつきあえるまでは時間がかかる」(50歳)
- 「最初は遠慮してスムーズにいかない」(42歳)
- 「ほとんどの人が会話せずに黙って寝ていたり、テレビを見ていたりしているので、スタッフ以外には人間関係はない」(62歳)
- 「いつも大声でしゃべったり、また、お節介な性格が度を過ぎてるのではないかと思われる入所者、また その家族をたまに見かけますがそのたび困り者だな~と思います。でもそういう人は、他の入所者からもクレームがつく事が多いのでしばらくガマンしていたら、別の部屋などに移動させられてます」(43歳)
- 「人それぞれだが、それぞれに人生を過ごしてきただけに、高齢者同士の交流は難しい」(71歳)
やはり、互いに人生経験の異なる者同士が共同生活をすると、何かしらのぎくしゃくしたものは生まれることもあるようです。
しかし、それぞれの人間性をわかりあうと、良好な人間関係が築けます。
良い口コミ
- 「友達ができて仲良くしている」(67歳)
- 「仲良く、お話出来る人が多いので。わりと楽しくは過ごしてると思えます」(40歳)
- 「挨拶をしたり、部屋の外や、買い物のバスではお話しているが、部屋を行き来したりはしないようにしているようだ」(57歳)
- 「全ての入居者とウマが合うとは思いませんが、親しい人との会話を楽しんでいたようです」(69歳)
- 「お互いの住居に適度な距離があり、トラブルになりにくいことがいい。毎日が楽しいと言っている」(50歳)
- 「他の入居者のみなさんが、とてもおしゃべりなので訪問するたびに母が明るくなっていくのがうれしい。入居前は独り暮らしだったので一日誰とも話さない日もあったので本当にここでよかったと思っています」(46歳)
施設での入居者同士の人間関係は、特別なものではなく、それまで外で生活していた頃と同様なものであることがわかる声でした。
入居者と施設職員との人間関係
老人ホームや介護施設でより重要なのが、施設職員との人間関係です。ここがうまくいかないと、虐待などもあり得る不安が生じます。
実際のところ、入居者と施設職員の間には、どのような人間関係が構築されているのでしょうか?
悪い口コミ
- 「以前のケアマネの性格や言葉使いが悪く、本人や家族が傷つく事をいったりして、そのケアマネがいる日は、入居者がビクビクしていた。他の入居者や家族からも苦情があったようだ」(51歳)
- 「一度暴言を吐かれて気まずくなった」(62歳)
- 「介護スタッフの冷たさが悲しかった」(71歳)
施設スタッフの対応次第では、入居者本人ばかりか、ご家族の心も傷ついてしまいます。そのような施設では、ご家族の心配も増すばかりでしょう。
もちろん、スタッフの対応が悪い施設はごく一部です。多くの老人ホームや介護施設では、職員が親身になって入居者のお世話をしてくださっています。
良い口コミ
- 「母は口が利けないので直接はわからないが、スタッフの人間関係は良好に見えるし、きちんと看護してもらっているようなので、安心している」(61歳)
- 「幸いなことに、運営している主体が、介護などに高度な知識と愛情を持ってくれているので満足している」(65歳)
- 「職員の方々とはコミュニケーションが良く取れていて信頼関係が築かれていると思う」(57歳)
- 「スタッフの数が多いので時間がゆったり流れている分、良好に見えた」(52歳)
- 「親身になって世話をしてくださり,暖かい雰囲気で助かっています」(52歳)
- 「施設長、事務局長はじめ事務所のスタッフ及び担当の介護スタッフから色々な情報を逐一電話連絡され入居者の状況が常に把握できている。介護スタッフは男女とも若い人が多いのであるが、老人いろいろの状況にあった介護を一生懸命行っているのが目の当たりに感じている」(71歳)
やはり、スタッフ対応の良し悪しが、施設の評価を決めるポイントとなります。
施設の評価はスタッフの質で決まる
老人ホームや介護施設は、入居者同士による共同生活の場です。
生活の場の雰囲気は、入居者同士の関係性はもちろん、施設スタッフとの関係性で変わっていくものです。
老人ホームにおける人間関係の構築は、それぞれが年齢を重ね、生活環境も異なれば価値観も異なるわけで、そこに難しさがあります。
スタッフとの間のコミュニケーションは、介護される側と介護する側の関係性になるので、スタッフが介護に対してどのような理解と理念を持っているのか、というところで、かなり変わってくるようです。
施設運営がうまくいっている老人ホームや介護施設ほど、入居者とスタッフとの間の人間関係が良好であることは間違いありません。
施設選びの目安として、施設運営の実際を知ることは、重要なことになります。
運営者の声を聞き、実際に働いているスタッフの声を聞き、さらに、入居者の声を口コミで集めてみると、その施設の本当の姿が見えてくるでしょう。
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