病院から介護施設へ入居する流れ、退院日まで時間がない場合の対処法
高齢の方が入院した場合、入院時とは大きく異なる身体状態で退院を余儀なくされることがしばしばあります。自宅で暮らすことが難しい場合は病院から直接介護施設に移り住むことも。本記事では、病院から直接介護施設に入居する流れや、移動方法、費用についてまとめました。介護施設への入居についての相談先も紹介するので、ぜひ参考にしてください。
退院まで日がない!介護施設にはすぐ入れる?
LIFULL 介護にも病院から直接介護施設に入居するケースのお問い合わせが多く寄せられます。問い合わせデータの中から、退院日をご記入いただいたものだけで集計すると、資料を請求いただいた日から退院のご予定日までの期間が30日以内の問い合わせが全体の48.5%を占めることがわかりました。
介護施設を探すには約1ヶ月、見学から入居までにも約1ヶ月かかるといわれています。そのため、通常であれば介護施設の入居には2ヶ月は必要です。
多くの方は、退院までの余裕が2ヶ月ない中で介護施設探しをしているようです。
しかし、介護施設探しから入居までをトータルサポートするLIFULL介護なら、退院まで2週間しかないときでもスムーズな入居が可能です。ぜひお急ぎのときも、LIFULL介護の入居相談室にご相談ください。
【無料】プロのスタッフに入居相談を行う希望のホームに空きがない場合は
希望する介護施設に空きがないときは、体験入居を検討してみましょう。体験入居とは1週間程度を上限とする試験的な入居のことで、期間中に空きが出たときは正式入居が可能になります。
また、有料老人ホームのショートステイも検討してみてください。老人ホームによって条件は異なりますが、1日〜1ヶ月ほど宿泊できることがあります。有料老人ホームのショートステイは介護保険の適用外であり、有料のサービスです。利用料が高くなる一方で、介護保険上の手続きは不要でスムーズに入居が叶う場合もあります。
【無料】プロのスタッフに入居相談を行う病院から介護施設へ入居する流れ
病院から直接介護施設に入居する場合は、退院前に入居手続きを完了させておかなくてはいけません。スムーズな入居を実現するためにも、流れや手続きを確認しておきましょう。
1.身体状況を確認
身体状況によって、入居可能な施設が変わります。入居後に必要なサービスを受けるためにも、病状も含めた身体状況を正確に把握しておきましょう。
インスリン注射や喀痰吸引などの医療行為は必要か、麻痺があるときや機能・動作に問題があるときならリハビリは必要かなども確認します。また、要介護認定を受けていない場合は、病院の地域連携室の相談員や包括支援センターなどを通して自治体に認定申請手続きをしておきましょう。
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2.介護施設の情報を集め、見学
介護施設によって、提供するサポートやサービス、費用などが異なります。まずは近隣の介護施設の情報を集め、身体状況や医療・看護・リハビリの必要性、予算などを考慮して、適切と思われる施設に絞り込みましょう。
施設の情報については病院のソーシャルワーカーや地域のケアマネジャー両者の力を借りられると、心強いです。
絞り込んだ施設に電話をかけ、見学の予約をします。必要なサービスを提供している施設でも、細かい内容や設備などに問題があるかもしれません。予約した日時に施設に赴き、気になる点を確認しておきましょう。
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3.入居先を決定し申し込む
複数の施設を見学してから、入居先を決定し、申し込み手続きを行います。見学前に家族・親族で話し合い、施設に求める要素をリストアップして優先順位を決めておくとスムーズに決められるでしょう。
例えば、面会しやすさを重視するなら「駅から近いこと」や「駐車場が広いこと」、プライバシーを重視するなら「個室が利用できること」の優先順位を高くしておくと、入居先を決めやすくなります。そのほか、入居費用の違いも大きな要素になることがあります。
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4.必要書類を病院から受け取り施設へ提出
介護施設に入居するときは、かかりつけ医による健康診断書や診療情報提供書の提出を求められます。施設によっては書式が決まっていることもあるため、早めに受け取ってかかりつけ医に渡し、作成してもらいましょう。
また、健康診断書以外にも、入居申込書、住民票、戸籍謄本などの提出を求められることもあります。スムーズに入居するためにも、早めに提出書類の種類を確認し、準備しておきましょう。
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書類が間に合わない場合は?
健康診断書の作成に時間がかかり、施設が決めた日までに書類を提出できないことがあるかもしれません。
緊急性があると判断される場合なら、心身の状況や服用薬などの最低限の情報だけを施設側に知らせ、後日正式な健康診断書を提出する方法で対応できることがあります。書類が間に合いそうにないときは、早めに施設に連絡し、どのような対応が可能か尋ねておきましょう。
5.入居予定者が施設の担当者と面談
必要書類の提出後、施設担当者と入居予定者の面談が実施されます。病院のソーシャルワーカーの他に、施設で担当するケアマネジャーや、家族も同席する場合が多いです。
入居予定者の健康状態を確認することが主な目的ですが、気になることを質問する機会としても活用できます。面会のルールや費用、準備するものなどについて詳しく尋ねておきましょう。
6.入居可否が決定し、入居日を調整
入居予定者の健康状態や面談などを踏まえて、入居可否が決まります。入居が許可される場合は、病院の医療ソーシャルワーカーと施設側が話し合い、入居日を調整します。施設入居後の介護サービス調整のことも考え、ケアマネジャーが間に入ることもあります。
病院から直接施設に入居するケースでは、入居手続きと同時に退院手続きも必要です。家族・親族の付き添いも求められるため、スケジュールを調整しておきましょう。
退院後、入居先施設への移動手段は?
病院から施設までの移動が難しいときや、自家用車では車いすに対応できないときなどは、福祉タクシーの利用も検討してみてはいかがでしょうか。
福祉タクシーとは、介護が必要な方や身体の不自由な方向けのタクシーです。車いすやストレッチャーのままで乗車できるだけでなく、運転手が利用者の介助も行えます。こうしたサービスを行う業者は多くなく、台数が限られているため、早めに予約しておきましょう。
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その他、病院から施設での移動で不安なことがあったらどうすべきか
病院から施設への移動において不安があるときは、病院の医療ソーシャルワーカーに相談してみてください。医療ソーシャルワーカーは、退院支援を行う専門職です。手続きや福祉タクシーの予約、その他の疑問についても、相談に乗ってもらえます。
施設へ入居すると費用はどのくらいかかる?
施設種別 | 入居一時金 | 月額 |
---|---|---|
特別養護老人ホーム | 0円 | 6万~15万円 |
有料老人ホーム | 0~数千万円 | 15万~35万円 |
介護医療院 | 0円 | 10万〜20万円 |
グループホーム | 0~数百万円 | 15万~30万円 |
介護施設によって、入居時にかかる費用や毎月の費用が異なります。施設の種類別の費用相場も参考に、入居先を検討してください。また、施設ごとに入居対象者も異なるため、費用以外の条件も確認しておきましょう。
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まとめ
病院から直接介護施設に入居するときは、早めに施設探しをすることが重要です。しかし、退院間際になってから、施設入居が必要と判断されることもあるため、施設の種類や費用目安程度は事前に把握しておくほうがよいでしょう。
急な入居でお困りの場合は、ぜひLIFULL介護の入居相談室にご相談ください。全国のさまざまな施設の情報を専門相談員が無料でご提供いたします。お気軽にお問い合わせください。
【無料】プロのスタッフに入居相談を行うこの記事の制作者
監修者:高畑 俊介(介護支援専門員/介護福祉士)
施設職員、通所介護事業所の生活相談員、居宅介護支援事業所の管理者などを経験。業界14年目の現役のケアマネジャー。業務のかたわら、フリーコンサルとしても開業。介護事業所向けのコンサルティング、Webサイト制作や広告デザイン(ブランディング)などの依頼も受注開始。SNSでは「幸せに働く介護職を増やしたい」をモットーに、業界を明るくする発信を続けている。