
ケアハウスの初期費用は数十万~数百万円、月額費用はおよそ7~20万円です。サービス提供費の助成制度があり、「一般型」と「介護型」で費用に差があります。
- 【目次】
-
ケアハウスの費用の考え方
ケアハウス(別称:軽費老人ホームC型)では、主に自立した高齢者が対象の「一般型」の場合、入居時に初期費用として「保証金」を支払った上で、入居後に月額費用として「生活費(居住費・食費・その他日常生活費)」を負担します。
一方、要介護高齢者が対象の「介護型」では、多くの場合、初期費用として「入居一時金」を支払います。
そして、入居後に月額費用として「介護サービス費」と「生活費(居住費・食費・その他日常生活費)」を負担します。
下の図は、一般型における入居者が負担する費用と、介護型における要介護度3の入居者が負担する費用のイメージです。
「一般型」で介護サービスを利用する場合には、自宅で暮らす要介護者と同様に、外部の訪問介護やデイサービスなどを利用することになります。
「介護型」では施設の職員が直接介護サービスを提供します。この介護サービス費は、要介護度が高くなるほど費用も高く設定されています。
また、施設の設備や職員の体制、対応する処置やサービス内容に応じて、「個別機能訓練加算」「医療機関連携加算」「夜間看護体制加算」といった介護サービス加算が発生し、その1割も利用者負担となります。
生活費に含まれる居住費は、地域や施設の設備、居室の広さなどによって決まり、一般に地代の高い都市部の方が高額に設定されています。
また、その他の日常生活費として、電話代や理美容代、おむつ代などの項目や料金が設定されており、入居者自身は利用した分だけ実費を負担します。
施設により価格設定が異なるため、確認してみましょう。
保証金の返金と入居一時金の償却
ケアハウスに入居するにあたっては、保証金あるいは入居一時金のいずれかを払うことになります。
保証金は、一般的な不動産契約における敷金にあたるお金で、退去時に居室内の清掃・修繕など原状回復に充てられます。あるいは家賃が滞った際の滞納分に充填され、残金は退去時に利用者やご家族に返還されます。
一方、入居一時金は、その施設の家賃や管理費の前払い金として入居時に一括で支払う費用です。
入居一時金は、各施設によって償却期間と償却率が定められており、一定期間内に退去した場合にはそのルールに基づいて返還されます。入居者あるいはその家族は返還規定に基づき、返還金を受け取ることができます。
ただし国の定めた基準がないため、償却期間と償却率は施設によって大きく異なり、3年以内に全額償却される施設もあれば、10年以上の長期にわたって償却していく施設もあります。必ず事前に確認するようにしましょう。
なお施設によっては、入居金、入居申込金、施設協力金、終身利用権、入居保証金などの名称で初期費用が発生する場合もありますが、これらは必ずしも償却の対象とはならないので、注意してください。
例)入居一時金300万円、初期償却率20%(60万円)、償却期間5年間(60ヶ月)の場合

ケアハウスとは
ケアハウスは、社会福祉法人や地方自治体、民間事業者などによって運営される福祉施設で、自治体の助成を受けることで有料老人ホームよりも比較的安い費用でサービスを受けられます。
基本的なサービスは、見守り、食事・掃除・洗濯などの生活援助ですが、介護型の場合には、入浴や食事の介護、機能訓練や医療的ケアなども提供します。
身寄りがない、または家庭環境や経済状況などの理由により家族との同居が困難な高齢者を受け入れるケアハウスですが、有料老人ホームにも価格帯の低い施設が増え、介護型ケアハウスにも一時入居金が高い施設も登場していることから、ケアハウスを選ばずに有料老人ホームに行かれる方もいます。
ケアハウスについて詳しくはこちら
【PR】「老人ホーム」のイメージを一新する、都会型シニア向け住宅。
この記事の制作者
監修者:森 裕司(介護支援専門員、社会福祉士、精神保健福祉士、障がい支援専門員)
株式会社HOPE 代表取締役
11年医療ソーシャルワーカーを経験後、介護支援専門員(ケアマネジャー)として相談援助をする傍ら、医療機関でのソーシャルワーカーの教育、医療・介護関連の執筆・監修者としても活動。最近では、新規事業・コンテンツ開発のミーティングパートナーとして、企業の医療・介護系アドバイザーとしても活躍。