- 質問
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要介護3の父親と自立(介護認定なし)の母親が一緒に入居できる介護施設を探しています。
しかし、介護認定がないと入居できない老人ホームばかりで困っています。どのような施設を探せばいいのでしょうか?
- 回答
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ご夫婦何れかが自立の場合は「住宅型有料老人ホーム」か「サービス付き高齢者向け住宅」が望ましいでしょう。どちらもほとんどが自立の方から入居できる種別で、物件の選択肢も豊富です。介護サービスは在宅介護のときと同様に物件とは別契約となるので、必要なサービスを選択して利用することができます。
ここでは介護が必要な方と自立されている方が一緒に入れる老人ホームについて解説していきます。自立から入れるホームを探す場合、ご夫婦で介護度が違うけれど同じ施設に入りたい場合に、ぜひ参考にしてみてください。
1.介護認定がなくても入居できる介護施設
介護認定がない方でも受け入れている施設としては、「住宅型有料老人ホーム(以下、住宅型)」か、「サービス付き高齢者向け住宅(以下、サ高住)」が望ましいでしょう。
なぜなら、入居条件として自立の方から受け入れしやすく、介護が必要になれば、それぞれが介護保険を使い外部の介護サービス(訪問介護・訪問看護・通所介護など)が受けられるからです。
多くの施設では安否確認や生活相談に乗ってくれますので、健康な方は自立した生活を継続し、要介護の方は必要な介護サービスを選択し利用することができます。
ご夫婦それぞれがどの程度の支援が必要かによって、個別に介護サービスを選べます。
それでは、入居してからどのように介護サービスを利用していったら良いのかをみていきましょう。
2.住宅型とサ高住における介護サービスの利用方法
外部の介護サービスというのは、自宅で介護サービスを使う時と同様に、必要なサービスのみを選択して使うことができますので、今までの介護サービスを継続することも可能です。
また、老人ホームにはケアプランで決めた介護サービス利用時間以外にもスタッフが常駐している施設もあるので、日常の些細な事も相談しやすいでしょう。
以前は、住宅型やサ高住は介護度の低い方が利用するというイメージもありましたが、最近は介護付き有料老人ホームと同等のサービスを提供するところも増えています。しかし、施設により提供されるサービス内容が様々ですので、事前に確認しておきましょう。
夫婦で入居の場合、夫婦部屋(定員二名の広い居室)か別室(定員一名の個室を二部屋契約)かで選択が分かれます。もともと夫婦部屋は数が多くありませんので、同室を希望される場合は早めに入居に向けて準備をしましょう。
次に夫婦部屋の場合のメリットとデメリットをご紹介しますので、参考にしてください。
3. 夫婦部屋のメリット/デメリット
メリット
・自宅に近い環境で夫婦一緒に過ごせるため安心感がある
・別々の部屋に入居するよりも同室の方が家賃が割安になるホームもある
・「ミニキッチン」や「浴室」など、居室の設備が充実していることが多い
(ミニキッチンがあることで簡単な料理ができる、二人でお茶を飲むなど寛げる)
・ベッドが2つ置けるスペースがあり、部屋の広さにゆとりがある
デメリット
・キッチンや浴室など設備が充実している場合は、その分家賃などの費用が高くなる可能性がある
・自立している方が要介護の相手のことを気にかけ、夫婦での介護負担の軽減にならないこともある
・夫婦で入居できる広い居室の数が少ないので、費用や場所の選択の幅が狭くなる
以上のように、夫婦部屋だと安心感はありますが、一緒にいる時間が多いことで、老人ホームにいながらついつい夫婦どちらかが介護してしまう「老々介護」となる場合もあります。
その結果、お元気な方にストレスや身体的な疲れが溜まり、介護サービスを受けるという目的で入ったメリットが減ってしまいます。
私としては、18㎡程度の個室を二つ契約し、入居後しばらくは「リビング」と「寝室」に居室の利用目的を分けて夫婦が同室で過ごし、どちらかの介護度が重くなった際は別々の居室としてお休みされると負担も少なくなると思います。
居室は別になっても食事やレクリエーションは一緒に参加することができますので、それぞれの身体状況に合わせた生活が送れるようお勧めします。
まとめ:要介護の方と自立の方が一緒に入居できる老人ホーム
介護の必要な方と自立されているご夫婦が一緒に入居できる老人ホームはあります。
介護認定なしの方から入りやすいホームとしては、「住宅型有料老人ホーム」か「サービス付き高齢者住宅」が望ましいでしょう。数は少ないですが、夫婦二人部屋のあるホームもあります。
夫婦部屋の場合、自立されている方が介護の必要な方のことが気になり、面倒を見てしまったりすることでかえって負担になり、ホームへ入居したメリットが少なくなってしまうということも考えられます。
またお互い介護が必要になった時、施設側のサービスが行き届いているかなど、入居前に確認する必要があります。
最初は個室を二つ契約し、最初はリビングと寝室と分けて利用し、ゆくゆくは別々の部屋でお休みされると負担も少なくなるでしょう。
それぞれに合った、サービスを選択し、自宅よりも安心でき快適に過ごせることが大切です。夫婦お互いが気遣いながらも、介護はプロのサービスを受け、長く健康に過ごしていただきたいと思います。
ホームにより介護サービス内容が異なりますので、夫婦で入居可のホームをいくつか検索し、実際に見学して要望を伝え、ご夫婦二人の入居条件に合うかどうかを確認しましょう。