質問

母が老人ホームに入居しましたが、ささいなことで頻繁に連絡があったり呼び出しを受けて困っています。私は仕事もあり遠距離のため、毎回通うことが正直苦痛です。
どこの老人ホームも連絡のたびに行かなければいけないのでしょうか?いい解決方法があれば教えてください。

回答
竹内 恵子

まずは連絡がきても、出向かなくていいように対応してもらえないか老人ホーム側に相談し、それでも不満が解消されないのであれば、別の老人ホームへ住み替えるのもひとつの選択肢です。
入居者に変化が生じたとき、家族と連携を取りながら老人ホーム側でできる限り対応してくれるホームがある一方で、家族の協力を前提とし、少しの変化でも家族に様子をみに来てもらうホームもあります。

ホーム入居後もご家族の負担が大きいのでは入居した意味が薄れてしまいます。
ここでは、老人ホームからの連絡・呼び出しという観点で現状を紹介します。ぜひ参考にしてみてください。 竹内 恵子(福祉サービス第三者評価・評価調査員)

【目次】
  1. 1.老人ホームから家族への連絡や呼び出し
  2. 2.老人ホームから連絡は頻繁にくるもの?
  3. 3.呼び出しが負担であれば住み替えという選択肢も
  4. まとめ

1.老人ホームから家族への連絡や呼び出し

入居者の体調変化により病院の付き添いや緊急の対応をする場合は家族の了承が必要です。場合によっては老人ホームから連絡がきて、出向かなければならないこともあります。

ホームの対応はまちまちです。どのような場合に呼び出しがあるのかを確認しましょう。ホーム側が契約時に家族の状況も把握し、家族へ負担をかけないように対応してくれる経営方針のホームが良いでしょう。

介護付き有料老人ホームや特別養護老人ホームでは朝から夕方まで看護師が常勤していますが、お元気な高齢者を対象とした健康型、自立型の有料老人ホームでは看護師を配置する基準がありません。このように看護師が常勤でない老人ホームや、スタッフが不足している場合は家族へ連絡が来ることもあります。

事前にどのような場合に連絡・呼び出しがあるのかをよく確認しておくと良いでしょう。



2.老人ホームから連絡は頻繁にくるもの?

入居者の少しの変化のたびに連絡がくるホームもありますが、多少の変化にはホーム側で対応し、必要に応じて連絡をするホームもあります。

どちらにしても、どのような状況の時には家族に連絡があるのかなど事前に取り決めがされていることが重要です。病気による入居者の行動変化は家族に相談するより、介護の専門知識で対応してもらった方が改善できる場合が多いので、配慮なく家族に連絡し呼び出すのは適切ではないでしょう。



3.呼び出しが負担であれば住み替えという選択肢も

頻繁な呼び出しは家族の精神的負担に

呼び出しがあるたびに遠方から出向くようであれば、連絡がきただけで家族の体調も悪くなってしまいます。これでは何のために入居したのか分からなくなりますね。

施設には介護の専門スタッフが集まっていながら、何故きちんと対応してくれないのだろうという不信感にもつながり、余計苦痛になるのではないでしょうか。
入居したことがかえって家族の負担にならないように、解決に向けた相談を早めにホーム側にしてください。


老人ホームを住み替える

緊急度が低いにもかかわらずホーム側の都合だけで頻繁に呼び出されるのは困りますね。
家族としては、緊急であってもすぐに駆けつけることは難しい場合もあると思うので、どの程度の状態変化までホーム側の判断に任せるかなど細かく話し合いましょう。

最初は、入居者の希望で馴染みの場所の老人ホーム入居したけれど、状態が悪くなり家族が呼ばれる回数が増えたので、家族の通いやすいホームに住み替えた、というケースもあるようです。

遠距離でなかなか行けないことが問題であれば、家族の自宅近隣の老人ホームへ住み替えるということも検討してみてはいかがでしょうか。



まとめ

老人ホームの現状を少しでもおわかりいただけたでしょうか。
緊急事態でもないのに、家族を頻繁に呼び出すホームは、家族への配慮が足りないように、介護の面でも行き届いているとは言えないでしょう。


入居者の病状の悪化であれば、看護師や協力医が対応するのが適切ですし、認知症状や心の変化による行動の悪化であれば、介護の専門知識をもって対応するのが適切でしょう。

入居したことで、家族がかえって苦痛を感じぬよう、入居者本人の体調管理にも気を付けるべきですね。

まずは家族の状況を適切に伝え、ホーム側とのコミュニケーションを図るようにしていきましょう。コミュニケーションをとることで、ホーム側との関係がスムーズになり、対応に納得できれば不満も減るのではないでしょうか。

家族の考えを話されたうえで、今の老人ホームがやはり不満であるなら、思い切ってホームを移るのも選択肢のひとつとして考えてみてください。

このQ&Aに回答した人

竹内 恵子
竹内 恵子(福祉サービス第三者評価・評価調査員)

株式会社ATコンサルティング/AFP
金融商品仲介業、内部管理責任者、宅地建物取引士
資産運用相談、介護事業経営コンサル会社専任アシスタント